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宿題RTAで2時間かかってた漢字ドリルを7分で終わらせた話

小3の息子は漢字の書き取りが嫌いすぎて10問書くのに2時間かかる。
まず机に向かうのが億劫で、なかなかテレビの前から離れない。
なんとか宿題を広げても、1文字書いてはお腹が空いた、1文字書いては喉乾いた、1文字書いては暑い、寒い、眠い、あのさぁそういえば今日学校でさぁ…
見ている方はイライラしてきて次第に「早く終わらせな」しか言う言葉がなくなる。8時から始めたはずが気づけば10時になっている。

そんな息子だが、最近YouTubeではよくゲームのRTA動画を見ている。RTAとはリアルタイムアタックの略でゲームを攻略する速さを競う競技のことだ。競技者は通常は数十時間かけてクリアするようなゲームを、超絶技巧と裏技、バグ技を駆使してとんでもない速さでクリアしていく。

その最短の道筋を探すために、RTAの競技者は何度も何度も繰り返しゲームをプレイしてあらゆる方法を試す。1秒でも速く終わらせるために時には常識では考えられないような発想で大胆にゲームの内容をスキップしたりする。息子がよく見ているのはそんなスーパープレイを解説している動画で、大人の私が見ていても、思わず「うわっすご…」と言葉を失うような魅力がある。

さて、息子の話に戻そう。
息子はもともと漢字の書き取りが「できない」わけではない。
ただ3年生になってから毎日漢字の宿題が出るようになって、面倒くさくなってしまっているだけなのだ。(2年生の時は計算と漢字が交互だったのもあってそこまで飽きてはいなかった。)
だから、きっかけがあってうまくハマれば数分で終わらせられるはずなのだ。

そもそも、漢字の書き取りという宿題は地道な筋肉の鍛錬だと思っている。
何度も何度も同じ字を繰り返して書いて、手に書き方を覚え込ませているのだと思う。


あれ。この何度も何度も繰り返す感じ、息子が好きなRTAと似ているんじゃないか。(いや、多分あまり似てないんだが、その時はそう思いついた)

息子に「じゃあ宿題RTAをしようよ」と声をかけてみた。

スマホのタイマーをセットしてチラ見せしながら誘うと、最初は「えー…めんどくさい」と言っていたものの、「じゃあ、まず一行書くのにどれくらいかかるか測ろうかみようよ」と押してみたら渋々書き始めた。

一行書くのにかかったのは44秒だった。

書き取りは10問だ。
「えっこれなら10分かからないんじゃない?」と言ったら、息子がムッとしながら「いや、この字簡単だからだよ。もっと時間かかるって」と言う。
「じゃあ試してみようよ、RTA」こちらのペースに乗ってきたことを心の中でほくそ笑みながら誘う。

すると。
急に息子の中から家出していた「やる気」が戻ってきてくれたようで「っしゃー理論値だと440秒ね」などと言い始めた。

スマホのストップウォッチをセットする。
「じゃあ準備できたらボタン押すよ、よーい…スタート!」

結果、7分ジャストで終わった。
「えぇっすごいじゃん」
「うおお!理論値より早く終わった」
本人も驚いていた。
理論値って言いたいだけだろという言葉はひとまず飲み込んで「世界記録目指せるね」と言ったら満更でもない顔でニヤリとした。

うん、お母さん言いすぎた。世界にはまだ遠いかな。

※5/31までに投稿したら3ヶ月連続ですよとnoteに言われたので書いてみました。


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