読書「ビジネスプロセスの教科書」 DX推進が進んでいる気がしないあなたへ
はじめに
最近は分析系の本を読んでいましたが、分析を進める前にまず業務フローの整理をしてありたい姿と今のギャップを埋めるための一つが分析なのでは?と仕事で感じることがありました。
・そのギャップに気づくにはどうしたらいいのか?
・一部署の狭い範囲のありたい姿ではなくて会社の全体最適としてギャップを知りたい時はどうしたらいいのか?
・変革経験のない人は何から始めたらいいのか?
そのような思いを持って読み始めた本ですが、結果ズバリ!ではないのもののこの答えが載っている本でした。
学び
・そのギャップに気づくにはどうしたらいいのか?
→まずは全体のプロセスを知る。プロセスは最終的に一周する。
本に例として挙げられていたのは顧客対応のオペレーター部門でした。
オペレーター部門では顧客一人に対しての対応速度をKPIとしていました。
ただ対応速度にこだわるあまり顧客の満足度が下がってしまい苦情が来るようになったのが問題となっていました。この原因は各部門がそれぞれ改善を行い、それぞれのKPIを持っていなくて最終的な顧客を見据えた会社単位でのプロセスを理解していないことが原因の一つとのことでした。
ここで言いたかったのは上記の例って私の所属する会社でもあるあるで、目の前の問題に対して改善をしようと思うと見えている範囲の対応になってしまいますが、そもそも会社はどういうプロセスを経て最終的に顧客に何を届けているのか?
そして顧客がどういうアクションをしたら会社はまたそのプロセスを動かすのか?
顧客までのプロセスは一方通行ではなく、グルグル回っているということと
全体感を見て自分はどの役割をしている部門で、そのためには・・と会社→部署→課と落としてプロセスを考える必要があることを学びました。
・会社の全体最適としてギャップを知りたい時はどうしたらいいのか?
→問題と解決方法は2×2の4種類あり、それぞれでアプローチ法が異なる。
一つ目の学びのように現状のプロセスを大きな枠組みから課の細かい粒度まで知った後、ギャップをどのように設定して改善を進めるのか?です。
問題には「①設定型」「②発生型」があり、解決方法は「❶改善型」と「❷再構築型」のそれぞれ2つあるとのことでした。まずは問題からお話しすると、「①設定型」は今何か問題があるわけではないけど、ありたい姿になるために現状のプロセスをより高度にするためのギャップ。「②発生型」は現状のプロセスで発生している問題のことです。次に解決方法は「❶改善型」が現行プロセスから改善箇所を見つけるもの、「❷再構築型」はありたい姿から逆算してプロセスを再構築するものとのことでした。
問題の①と②、解決方法の❶と❷の組み合わせによって、進め方が異なるのに全部を一緒にして「DX」と言っていることはありませんか?私はそうなのですが、解決方法が異なるのを頭に入れながら言わないと、本来望まれる改善方法とは異なる進め方になったり周りの方の改善イメージと合わなかったりするんだなと学びました。
・変革経験のない人は何から始めたらいいのか?
→プロセス変革の進み具合によって3ステップに分けられる。
3ステップというのはステップ1が「基盤整備・発信や啓蒙活動」、ステップ2が「人材育成・各部門のプロセス変革活動の支援」、ステップ3が「全社的なプロセス変革」のようなイメージでした。DXとなるとステップ2をイメージしがちですが、ステップ1があってこその2であることを学びました。
ステップ1というのはこれまでの学びでもあった全社的なプロセス管理やその可視化と変革の進め方、これらの社内教育、それに伴った社内発信などなどです。社内教育はしないといけないだろうと思いつつ、教育したらできるってわけでもないよなとイメージを持てていないところだったので、プロセスの可視化や管理を会社単位の大きい枠組みで捉えることが大事なんだなと気づきがありました。
行動にどう活かすか
まず分析に関して一部署の課題を元にプロセスの見直しを行なっていましたが、私のようなDX推進部門など課題を持っている部署と別でこのような対応をしている部門が全社的な俯瞰した視点を持って一緒に課題解決を進めていきたいです。
そのためにまずは全社的なプロセスの可視化という話になるかもしれないですが、会社でこのプロセスの可視化だけで予算を取ったり、何か費用をかけるというのは現実的ではないなと今時点では思っているところです。
ただ一人で可視化やステップ1に該当するようなところを進めようとしてもダメで巻き込まないといけないと思うので、まずは私と同じチームの方で著者の話を聞いてみるなどを進めてみようかしら・・・。どうしてこの分野に興味を持って、なぜ取り組む必要があるかを企画書にまとめることも始めようかしら・・・。
さいごに
行動にどう活かすかがまだ迷走中で、ここをちゃんとしないと本を読んで終わりになっちゃうよなーと書きながら感じました。最近本を読み進めて、自分自身が感じてる違和感やポイントはそこまで間違っていないけど周りを巻き込みきれていないのかなと感じることが増えてきたので、そういう本も漁ってみようかと思っています、
また本を読んで良い気づきだったのが、自分が興味のある分野は「経営システム工学」という学問としてちゃんとあるんだとこの本を通じて知れたこと。そして分析も研究者のようなのはあまり興味ないけど、分析には興味あるんだけど・・・ってモヤモヤ感じていましたが、私の興味のある分析はビジネスアナリシスという分野と知れたことです。こういう学問や分野のセミナーなどに参加して社外の方の取り組みも知ることで自分自身の知見をより広げたいと思います!