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『フェイクニュース時代の化学リテラシー超入門』を読んで|怪しくない情報もよく考えるとめちゃくちゃ怪しい
『フェイクニュース時代の化学リテラシー超入門』というタイトルの本を読みました。本書を読む前に感じていたことは次の通り。
フェイクニュースと聞くと怪しいニュース、どこの発信かわからないけど触れただけで怪しさ満点なニュースだと思った。きっと、そんな怪しいニュースに騙されない方法の解説だろう。
読んだ後の印象は次の通り。
世の中のニュースは、どんな信頼できる媒体から発せられても、フェイクを含んでいるので、自分の頭で考えることが大切だ。ということだ。
普段から触れるニュースにこんなにもフェイクが含まれていることがあろうとは。今日はこの本から学んだどんなフェイクがあるのかについて、一部抜粋的にお伝えしたい。
ということで少々ネタバレ含みますのでよろしくです!
どうやら、オーディブルのみ発刊しているもののようですね。
↓ 今回読んだ本
「科学的に正しい」は殺し文句にはならない|反証の可能性は常にある
よくいろいろなメディアで「科学的に正しい」という決め台詞があったりする。そう言われると、大丈夫だろうという気持ちになってくる。ただこの科学的に正しいとは結構な曲者のようである。
例えば科学紙(ネイチャーやサイエンスが最高峰)に論文が発表されるだけで名誉なことである。これだけで大いなる箔つく。その後、世界各国のほかの研究者たちがこぞって再現性を実験で確認していく、そうしてこの科学理論は正しいとされたりする。
だけど、科学はいつでも反証可能なようだ。これまで信じられてきたことが、科学的に反証されると、それはもう正しくなくなってしまうのだ。
そんな危うさに科学は成り立っている。
反証とは、その仮定的事実や証拠が真実でないことを立証すること。そのための証拠。
科学は常に仮説であって、今は100%だけど明日はわからない
科学は常に仮説として成り立っている。多くの再現実験を経ると、かなり信頼性が高い仮説であるとされる(白い仮説)。一方で論文に掲載されただけで、まだ再現実験前だったり、再現実験しても再現がなかなかとれないときもあり、それらは信頼性が低い仮説(黒い仮説)となる。
白はかなり本当らしいが、黒はかなり真偽が怪しいということになる。
しかし、どちらも100%とはいえない仮説なのである。
科学的に正しいとは、こんな白い仮説や黒い仮説が混ざった中のものを取り出して、正しいと豪語しているのある。白ならまぁ、大丈夫だろうが、黒だとかなり怪しい。
時代が進むと、正しいと思われていた白い仮説が、たまたまそう見えていただけで全然事実とは異なるということも起こったりするそうだ。時代を経ると今まで良いと思われていたものが、異なるというのは、それが原因かもしれない。
また、意図的に黒い仮説が多くなる場合もある。
科学者は論文を掲載して認められる。論文を掲載する雑誌も知名度が高いものほど信頼度が高くなる。なので、科学者たちは、ちょっと無理しても論文を載せたり、実験結果を捏造したりすることもあるという。
本来研究者は、これ以上研究しても意味がないとわかったら、別の研究テーマを研究するか、転職するかが筋なのだ。しかし、科学者の地位に留まりたい人が多いらしいようだ。
様々な事例を学ぶことでフェイクに強くなる
フェイクに気をつけろといっても、どんなものがフェイクなのかの見本がないと、どんな風に見抜いていって良いかわからないものだ。
そこで、本書はフェイクのサンプルをいくつか出しているので、印象に残ったものを3つご紹介する
・放射能汚染処理水を海洋に流すことで盛り上がっていた件
昨年に放射能で汚染水をろ過処理して、海洋に流すことが行われて大分揉めたり炎上したりした。さてこれは本当に危険なことなのかということである。
放射能汚染水から、トリチウムを除く放射性物質を取り除いたのである。ではトリチウムが怪しいとなるが、トリチウムを調べると、ほぼ水であることがわかる。
水素原子はHであり、陽子1個と電子1個の構成である。
これに中性子が2つ加えるとトリチウムになるのである。
主に水として存在するようだ。水はご存じH2Oであるが、
そこにHTOとして存在するのである。HとTの違いは、中性子2個分の差しかない。
そもそも、こんな小さなものをろ過する設備が地球上にはないのである。
そして、トリチウムは自然界に存在し、人体にもいるようだ。
海洋に流しても数キロ進むと、周りの海のトリチウム分量とかわらなくなるのである。しかし、トリチウムという言葉がいかにも危険という印象を押し上げている。なら、「トリチウムはほぼ水と大差ない」と説明を付け加えれば良いのにしないのだ。
おそらく、メディアは不安をあおった方が良く見てくれるので、あえて何もつけてないのではないかと思われる。
・遺伝子組み換え食品は怖そうにみえて、そんなに怖くないかも
遺伝子組み換えは、危ないという印象があったりする。一方、普通に受け入れられているのは、品種改良だ。品種改良はよく聞かれる。寒さや害虫に強いコメの品種改良とかよく聞く。
遺伝子組み換えは、人工的に遺伝子を組み替えて実施する。
品種改良はどうかというと、遺伝子組み換えが発生しやすい状況を作り出してなんとか遺伝子組み換えを実現させるのだ。
どちらも遺伝子は組み変わる。前者はより確実に、後者は発生させるため確率操作をしているようなものだ。果たして遺伝子組み換えと品種改良についてやっていることに大差はないと思う。
・原発再稼働も視野に入れても良いと思うこと
原子力エネルギーは、最後の始末の方法が決まってない方法なので、脱原発を掲げる国もでてきている。ただ現実的には、脱原発できる国とできない国があると思う。
日本は脱原発が現状できないような気がしてきている。たしかに太陽光発電のような再生可能エネルギーの開発は進んできている。しかし、産業や生活を支えるためには、必ずバックアップが必要なのだ。再生可能エネルギーはエコなのだが、不確実な部分がある。風が吹かない、曇りばかりとなると思うように発電できない。だからその分、火力発電なので代替するのだ。
日本の周りには、海ばかり。日本として電気が足りなくなったらお隣から融通してもらうなんてことはできないのだ。だから、火力で代替エネルギーを生まないといけないし、原発も停止していても、冷やすために電力がかかるから必要な電力が、さらに化石燃料で頼っている。非稼働でも、災害が起きると放射能漏洩のリスクはなくならないのだ。
ならば、今止めてしまったものだけでも、動かして電力を追加すれば、高騰した電力量が補え、電気代は安くなっていくと考えられるのだ。これから、IT技術でDXが加速するなら今後さらに電力は必要になる。(コンピュータが増えれば当然電力も必要だ)
脱原発を受け入れるならば、本来はこの電力高騰は受け入れていかないといけないのかもしれない。
ちなみに、ドイツが脱原発できたのは、電力不足の時にはフランスから電力を供給してもらうバックアッププランがあるのだという。もちろん、その電力は原子力発電所から生まれたもの。国として脱原発をしても、世界としては脱原発ではなくて、必要なんだなと思った。
まとめ:今日もフェイクなニュースに触れる毎日(もう一回読みたい本だ)
フェイクニュースを見抜いて、自分のなかで真実を見つけるようなことを目指したい方にはとても有益な1冊だと思いました。
興味が湧いたので、もう一度読んで、自分の中で定着を図りたいと思います。
3行日記:長い休みが終わった
長いと言っても1週間であるが、休みが終わった。休みが取れることに感謝である。振り返ってみると、できなかったことがたくさんある。
しかし、noteを書いたり、本を読んだり、できていることもある。
できなかったことに注目すると、ため息になるけど、できたことに注目するとよくやったと思えるのでそちらに注目したい。
1年前:中身が同じならプライベートブランドも良いかも
メーカー品とプライベートブランドの差を検証していたようである。どうやら、仲介コストやCMを省いたりして価格を安くしているらしい。ならばプライベートブランドもいいかもしれね!
OEMのように、中身としては同じものが入っていることもあるようだ。とはいえ、同じものが入っていても、メーカー品の袋に入っている方が、さすが本家と思えるような味に思えるのはなぜだろうか。これもフェイクかな?笑
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