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「少数精鋭」が失敗する理由|「9.11事件」に学ぶ多様性の力|『多様性の科学』と『失敗の科学』から学んだ強い組織の条件とは?

昨日は『失敗の科学』という本を紹介しました。『失敗の科学』では失敗を隠さず表に出して共有する方が失敗しにくいことを書きました。

失敗の情報を共有するのは、実際難しくて基本的に、失敗という言いたくない情報は隠したがります。その組織において、失敗情報を公表してシェアする人を評価するシステムにしていくことで、組織の風土がオープンループに情勢され、失敗に強い組織になっていくことを学びました。

さて本日は、『多様性の科学』の方です。

多様性の科学の方はでは、組織において「少数精鋭チーム」VS「多様性に富んだチーム」のどちらが良いかについて書かれています。『失敗の科学』と密接に関係している内容で実に興味深い本でした。

少数精鋭と多様性、どちらが良い悪いはないのですが、これからの時代は、「多様性に富んだチーム」の方がますます必要になっていくのかなと思いました。

こちらの作品も2月28日までとなってますので、気になる方はお早めにという状況です。

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多様性の科学における参考になる事例

本書ではいろいろなケースを通じて多様性の良い点が書かれていました。この記事では読んで面白いなと思ったものを列記したいと思います。

9.11事件の時、テロ攻撃の前兆はたくさんあった|見逃していたかもしれない

アメリカは当時アルカイダのテロ活動により、強襲されてしまったのですが、振り返るといろいろな兆候があったようです。

当時のビンラディンのメッセージは同胞にしかわからないように計算されてました。文化的に、「これはこういうメッセージ」というのが語られているようで、ビンラディンを映している場所や背景がすべてメッセージだったようです。

一方、当時のアメリカのCIA(アメリカ中央情報局)には大変優秀な人材がそろっていました。少数精鋭の局員たちです。CIAのメンバーは情報分析に長けた情報分析にたけた専門家集団だったようだけど、文化的な背景はよくわからずじまいだったようです。

情報分析だけでなく、中東やイスラムの文化には決して詳しいとはいえず、その文化的な背景からテロに関するメッセージを読み解けなかったようです。中東文化に詳しい人がそのメンバーに入っていれば結果は違っていたとも言われてるようです。

考えてみると恐ろしいです。わかる人が見れば、善良な市民に紛れている手ロリストたちのスイッチが入り、テロ行為に映るのですから。

暗号解読には認知的多様性が必要

先ほどのわかる人が見たり聞いたりするとわかる参考です。ちょうどこんな感じです。どんな優秀な人が見てもよくわからないけれど、麦わらの一味からするとゾロでも(酷い・・)わかりました!

引用:ピンタレストより

暗号を解くには、暗号を作った人の心に成り代わることで解読の糸口が見いだせるようです。数理分析で総当たり的に説くのはかなり難しいようです。

そこに、その暗号を作った人の気持ちに添えるようになると、何をキーワードに暗号を作っているか予想がつくようになるようなのです。

その道のプロの指導者が集まっても一人の指導者と変わらない

本書では、サッカーのチームを強くするために、優秀なサッカーの指導者と他には、いろいろなスポーツや仕事の経験者を集めた例が示されていました。

指導者たちは寄せ集めメンバーです。こうした寄せ集めメンバーと言われるとすごくモチベーションが下がります。しかし、この寄せ集めメンバー率いるサッカーチームはものすごく強くなってしまったようです。

というのも、いろいろな経験の人がいるということは、サッカーの概念から離れて率直な意見を聞くことができます。

トレーニングのメニューもサッカーの専門家であれば、どれも同じようなメニューになってしまいます。

しかし、いろいろなスポーツや職業の人たちなら、ぼくたちならこのようなトレーニングをするという意見がでてきます。一見関係ない考え方でも、もしかしたら、応用できるのではないか。違った目線でみることができるのです。

多様性が意外なところに宿る事例

次の3つの事例では、多様性はありそうなところに無く意外なところに成り立つという事例です。とても興味深かったです。

会議は壊滅的に非効率的|多彩な意見を取り入れようとするほど仇となる不思議な場

少人数だけでは決められない。だからいろんな分野の人たちと話し合ってきめるために会議を開く。なんてことはあるかもしれません。しかし、これはすごく非効率的のようです。

会議メンバーの中にはヒエラルキーがどうしても存在します。腹を割って話すといっても、これはブレインストーミングだとしても、悲しいかな多くの会議では、仕切る人が現れてその人が一番しゃべってしまう傾向にあります。

他のメンバーはその人について行けば、程よいところで落ち着くだろうとあまり反対意見を言いません。これには、バイアスがかかっており、2人以上の人が同じような魅力的な意見を言うと、次の人から反対意見を言いにくくなる現象です。

そんな雰囲気が、会議を本来望まない方向に進んでいき決まってしまうということが往々にしてあるのです。あたかも皆の意見を取り入れたように見えて、一人の意見に集約されてしまったみたいなパターンです。

ブレインストーミングではなく、ブレインライティングをしよう

会議はどうしても、偏った意見に行ってしまいがちですが、ブレインライティングなら多少は防げるようです。ブレインストーミングではないところがまた面白いなと思いました。

ブレインストーミングとは、批判をしないという条件で、各々意見を出し合う場です。これも、権力ある人が言い出すと、それが一番良いのではないかとなびかれてしまいます。

そこで登場するのがブレインライティングです。これは、あらかじめ意見をカードに書いてきてもらうものです。そして、そこでみんなで出します。

これなら、一人1回以上の発言機会がありますし、変なバイアスに支配されて意見をいうことなくできます。

ただ、この宿題的なものをやってきてくれないと意味をなさないのですが、ひとつの興味深いやり方ではないかと思いました。

多様性が高まるのは、大きな学校より小さな学校

これまた興味深いと思ったのは、様々な知見に触れるなら、大きな学校へ行くか、小さな学校へ行くかについてという事例がありました。

一般的に幅広い知見を増やすなら大きな学校の方が良いと考えます。多種多様な考えに触れられるから、世界が広がるというものです。しかし、それは錯覚のようです。

大きな学校へ行くと、確かにいろんな意見の人がいるのですが、おそらくは自分の気の合う人を探しその人たちと組みます。考えの違う人はある意味不快です。ときどき喧嘩にもなります。でも、大きな学校だと、あえて嫌な人と付き合わなくてもよいのです。

一方小さな学校では、つながる人は限られます。いくら自分とそりが合わなくてもその人と強制的に組まないといけません。

多くの場合、自分とは意見が異なり不快です。しかし、これこそが多様性のきっかけになるのです。なんとも不思議だなと思いましたけど、面白い現象だと思いました。

多様性を活かすためには心構えとコツが必要

多様性が必要なことは事例を通して分かったのですが、実際多様性のあるチームは一見寄せ集めメンバーです。取り扱いを間違うと霧散しそうになります。そんなデメリットと乗り越え方をここでは取り上げます。

多様性があることはストレスです|乗り越えるのは結構大変

多様性に富んだ環境は良く聞こえますが、実際は非常に居心地が悪いと思います。考え方が違う人たちが一堂に集うのですから当然と言えば当然です。

会話するとけんかになったりします。仲たがいしてチームそのものがぶっ壊れてしまうかもしれません。

そう、普通ならうまくいかないのです。それをとりなすニューリーダーが必要なのです。

支配ヒエラルキーの中から尊敬ヒエラルキーへ|尊敬のリーダーになるのです

リーダーがいる組織には、通常ヒエラルキーが存在します。頼りがいのあるリーダーには絶対的な安心感があります。この人についていけば大丈夫という支配的なヒエラルキーです。

支配的なヒエラルキーは、もうすでに決まったことの実行や、比較的単純で、力でゴリ押しするような場面に向いています。

しかし、緊急事態の対処や、新しいものごとを始める場合などは、うまくいきません。そんな時、みんなの意見を聞く人が現れます。

自分のことよりも、相手の気持ちを大切にして助けます。その助けは巡り巡って自分の助けにもなっていきます。

ぐいぐい引っ張るというより、人に頼り寄り添う人です。少数の人の意見も聞いてくれる人でその人だとなぜか話しやすい人です。

この時目に見えないもう一つのヒエラルキーが誕生します。それが尊敬ヒエラルキーです。スピードはすごく遅いけど、諦めることなく辛抱強くアイデアで乗り越えていきます。

【これからの時代に大切なこと】「多様性」のあるチームで「失敗」を糧に何度も試行錯誤を繰り返し進む

これからの時代は新しいことがこれまで以上に多いです。尊敬のヒエラルキーを形作る人たちが最終的にうまくいくようになるのかもしれません。

多様性のある組織の方が、初めてのことに対処しやすい柔軟な思考を持つことになり、失敗も糧にどんどん成長する組織になるのだと思いました。

最後はちょっと強引なまとめでしょうか。そんな組織にしていく尊敬のヒエラルキーを形作るリーダーになりたいと思うのでした。

3行日記:寝落ちから今記事を書いています

昨日は寝落ちてしまいました。そして起きて記事を書きあげています。多分変な記事になっていると思うのでもう一度読み直して投稿しようと思ってます。なんか長くなってしまったなぁ。すみません。

1年前:IPS細胞の本を読んでいたみたいです

IPS細胞の本を読んでいたみたいです。今読むと山中さんのチームも尊敬のヒエラルキーがあったチームなので世界的な発見につながっているのではないかなと思います。

一方で話題のあったSTAP細胞の話。これは支配的ヒエラルキーが有無を言わせないことになり、さらに称賛や個人の利益に走ってしまったところが悲劇を生んでしまったような気がします。

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