見出し画像

日本ドラマ「華麗なる一族」(2007)

主演:木村拓哉、鈴木京香、山本耕史、仲村トオル、原田美枝子、北大路欣也
2007年 全10話
いしゃーしゃ的オススメ度:★★★★★
(写真=TBS FREEサイトより)

最近ふっと見たら、Netflixに大量にキムタク主演の古いドラマが出されている。山崎豊子の小説を原作としたドラマは、2000年以降のはほとんど視聴したと思うが、これもそんな一本。原作も読んではいるが、あまり内容をよく覚えていなかったため、もう一度視聴してみることにした(視聴中の中国ドラマ、どうするっ⁉️)。

経済発展の日本を舞台にした財閥家の物語

時は1960年代後半、大阪万博前の神戸。金融再編…銀行合併…非常なる金融社会を背景に親子の葛藤と生き様のぶつかり合いを骨太に描いた“華麗なる”究極の人間ドラマ。激動の時代を迎える現代で、喜び、悲しみ、傷つき、挫折し、裏切られ、這い上がりながら生きている人々は、このドラマの登場人物たちに共感し、惹きつけられる…。善人が敗れ、悪人が勝つ…。非情で過酷なストーリーの中で、したたかに、たくましく、どこまでも自分に正直に人生を生きる姿を描く。

TBS FREEより

神戸を代表する財閥家系の万俵まんぴょう家。北大路欣也演じる父の大介、木村拓哉演じる長男の鉄平、山本耕史演じる次男の銀平、鈴木京香演じる万俵家の執事兼大介の愛人の相子を中心に取り巻く、財閥家の運命を描いたものである。

日本にも財閥ドラマがあった!

最近は韓国ドラマでよく財閥家のものを見るので、韓国お得意の分野だと思っていたが、あったあった、日本にも。
最近の日本のドラマは、なんか半径3メートル以内で起こるストーリーばかりで、壮大なスケールのものを見ることがあまりない。『VIVANT』ぐらいだろうか。
韓国やタイ、特に中国のとてつもないスケールのものを多く見ていると、日本のドラマは話数も短いし、物足りない部分が結構あるのだが、15年ぐらい前までは日本の作品も結構すごいのがあったんだと思った。

もちろん舞台となっている、劇的な時代も関係しているだろう。原作を読んでいた時にはあまり深く考えていなかったが、本作も他の山崎豊子作品同様、モデルとなる人物や会社があった。
万俵家は岡崎財閥という神戸の海運業を基盤としたもの、本作の中心となる人物・鉄平が精魂注いで発展させようとする阪神特殊鋼は山陽特殊製鋼というメーカー(以上Wikipediaより)。

しかし、なぜ今では日本の財閥家のドラマがないのだろう?
日本で代表的な財閥と言われるのは、江戸時代などから発展した三菱、住友、三井などがあるが、これらは第二次世界大戦に大きな影響力を持っていたということで、戦後、連合国軍によって解体させられた。さらには独占禁止法によっても、現在の日本では同族による財閥会社というのを設立するのは不可能らしい(私は詳しくないので、興味ある人はちゃんと調べてね)。

したがって、現在では万俵家のような典型的な財閥家があまりないらしい。というわけで、ドラマのテーマや題材にもなることはないといえる。
また、たとえ財閥のような家系があっても、影響力があるだろうから、地上波ドラマだと忖度しまくらなくてはならず、ドラマ化はしづらいに違いない

日本ならではの財閥物語も見てみたいが、まあ、醜い家族内の争いは韓国ので楽しめるから、いいか。。。(笑)

なんだかんだいって、キムタクはいい

本作は17年前のドラマ。キャストはもう日本を代表する俳優たちばかりだが、みんな若い!
裏表あるしたたかさ、それで持ってカリスマがある北大路欣也、ギラギラした雰囲気を出すのがうまい鈴木京香や仲村トオル、この時代ならではの妻を演じた原田美枝子や長谷川京子など、皆よかった。

熱き男を演じた成宮寛貴(現:平宮博重)もよかったが、やはりキムタクは華がある主役だった。
原作では父親の万俵大介が主役であるが、本作では長男の鉄平が主役となっている。まあおそらく、当時はもうすでに大人気だったキムタクありきで発案されたドラマだろうから、ストーリーの主点を変えたのだろうが、うまくアレンジされていたと言える。

脚本家は今調べたら橋本裕志。おお、大好きな『オトナ高校』とか彼の作品だったのか!

ちなみに、調べていて初めて知ったのだが、2021年にWOWOWでもドラマ化されていた❗️
中井貴一、向井理、内田有紀。。。こちらも錚々たるキャストだし、WOWOW制作なら内容的によくできていることだろう。より原作に忠実らしいので、機会があったらこちらもぜひ観てみたいな。
原作ももう一度Kindle版で買い直すか。。。

山崎豊子氏の小説を原作とした他のドラマの記事はこちら。