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大学数学

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大学で学ぶ数学について書いた記事をまとめます
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#アドベントカレンダー2024

楕円について

楕円について

本記事はアドベントカレンダーの18日目です。

複素平面における楕円$${z=re^{i\theta}}$$で$${r}$$が一定、$${0\le\theta\le2\pi}$$のとき、すなわち複素平面$${\mathbb{C}}$$上の原点を中心とする半径$${r}$$の円周を動く$${z}$$に対して、$${w=z+\dfrac{1}{z}}$$は楕円を描きます。なぜなら、$${w=x+iy}

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複素関数論を使って定積分の値を求める

複素関数論を使って定積分の値を求める

この記事は上のアドベントカレンダーの10日目です。

はじめに解析学の教科書によく載っている冒頭画像の定積分を求めてみます。
いろいろな方法があるようですが、本記事では複素関数論の知識を活用して計算してみます。
教科書にも載っているような解法ではあるのですが、複素関数論のちょっとした復習にはなると思います。
※本記事を読むには大学2年(3年?)の複素関数論の知識が必要です。

考えるべき積分$${

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整数のつくり方〜自然数に順序対を添えて〜

整数のつくり方〜自然数に順序対を添えて〜



この記事は次のアドベントカレンダーの2日目です。
Math Advent Calendar 2024

整数をつくろう!! ただし使っていいのは自然数の加法と乗法の性質だけ!! という内容です。本記事を読むには、大学数学における集合論の同値関係やwell-definedという概念に関する知識が要求されます。

整数は中学校で既習であるため、わざわざ再定義する意義はさほどないようにも思われますが

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