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けがれた者達の歌 春雷

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春の季節に書いた 春の詩と物語の在り処
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#戯言

顔の模様

顔の模様

森の妖精は顔を指差し

「此れが気になってたの?」

と、言うと

お化けの子は笑顔で

「そうだよ」と言う

森の妖精は嬉しくなって

「面白い事教えてあげるよ!」

と言って

お化けの子を遊びに誘う

続き⤵️

森の妖精

森の妖精

森の木の影から現れ
暖かくなり
森の中を楽しそうに駆け回る
森の妖精

其れを見ていた
お化けの子

森の妖精は、お化けの子に

「じっと見てさぁ何か用があるの?」

と声を掛ける

お化けの子は

「君達の顔の模様が
綺麗だと思って見てた」

と、嬉しそうに答える
お化けの子

続き⤵️

風に舞う花弁

風に舞う花弁

強い風に飛ばされ
海に舞い落ち
魚達にさえも春が届く

潮に流れ行く
春の花の花弁

余白

余白

もう
余白が埋まったのかな? と、
思う日々

それさえも
聞けないでいるなんてね…

駄文

駄文

言いたい事は
あんな事では無かったけど

色々な事が
上手く言えず
只、時だけが過ぎていく

何時も、そうだ
今も、そうだ

内なる黒鬼

内なる黒鬼

我が身の内に住まう
全身が黒い鬼

牙を覗かせ
喰い付く者を
探そうとしたり

鋭い爪で
此の身を裂いて
出て来ようとする

もう、遅いのかも知れ無い

内から裂くより前に
外側から
我が爪を立てて
裂こうとしてしまう

もう、既に我が身は
鬼になり
薄皮を纏っているだけか

桜色

桜色

春を纏いし姿に
春風が吹く

春風は花弁を撒き散らし
華の薫りを運ぶ

華の美しさや
綺麗さは
分かっていた

だが、
此の艶やかさは
魔性のものか?

其の瞳に
魅入ってしまうのだ。

春雷

春雷

夕方から
雨が降り
暗くなるにつれ
段々と
雨足が強くなり
夜空には春雷が光る。