(※こちらは、先日上演されました「道楽息子」様の舞台「かぞくのわ」の二次創作掌編です。主宰である表情豊様の許可を得て執筆、掲載させていただいております) ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 元号が昭和から平成に代わる頃、俺達はまだ5歳だった。 いわゆる"バブル景気"の真っ只中──今なら考えられないが、どうやら金を持て余した当時の政府は、後になって「ふるさと創生事業」とかいわれる政策を打ったらしい。 まあ、つまりは全国津々浦々の町や村に1億円のカネをバラまい
(※こちらは、先日上演されました「道楽息子」様の舞台「かぞくのわ」の二次創作掌編です。主宰である表情豊様の許可を得て執筆、掲載させていただいております) ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ランドセルの色は、水色 それが許されるギリギリの選択だった。 『 Quiet-マリの場合-』 生まれも育ちも東京、なので親元を離れたのは就職を期にやっと、だった。 それから数年して、今の会社への転職に合わせ、会社の近くに引越し、そして電話番号も、SNSの名義も変
(※こちらは、先日上演されました「道楽息子」様の舞台「かぞくのわ」の二次創作掌編です。主宰である表情豊様の許可を得て執筆、掲載させていただいております) ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 喰えないモノは大嫌いだ。 でも水彩絵の具の"白"は別だ。 アレは、チューブチョコみたいに甘い味がするから。 『Eat-マサヒロの場合-』 『…華麗なるモンキーターンから3号艇原田をサシて、独走態勢の1号艇瓜生! そのまま引き離してゴールイン!!
(※こちらは、先日上演されました「道楽息子」様の舞台「かぞくのわ」の二次創作掌編です。主宰である表情豊様の許可を得て執筆、掲載させていただいております) ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 『Melt-ユウキの場合-』 テレビン油で薄めたレモンイエローを、キャンバスに塗り広げる。 その手をひたすら止めず。 他の部員たちのように、さも分ったようなつもりで、ガッシュなどをゴテゴテと厚塗りするのは主義ではない。 ユウキは、今日もイーゼルの
明けない夜もあるのです……。 一昨年の「ザ・ミソジニー」で、女優でありプロデューサー河野知美さんの存在に魅了されてから…この映画の存在を知り、昨年の秋にマスコミ試写会に"直訴して"馳せ参じ、年が明けて、ようやくスクリーンで観る事が叶った本作、映画「Polar Night」について、つらつらと雑感を語りたいと思います。 本作はダブルヒロインなのですが、この2人のヒリヒリした関係が、喩えるなら「まるで甘い香りを放ちながら手折る者を棘で傷つける紅い薔薇のよう」で、グイグイ引き込
まだ、学生気分が抜けず「青臭い社会人」だった頃。 Iターンして住んでいた九州の片田舎から、大都会・福岡は博多の街に時折出かけていた。 目的は、美術館や博物館の鑑賞だったが、その帰りには必ず大きな書店に寄っていた。 その書棚で見つけた一冊が…著者は失念したが、確か中公新書の「魔女と聖女」という本だった。 私たち世代には「クトゥルフ神話大系」や「ノストラダムス」「超能力」や「UFO」などは、当然身につけておくべき基礎の素養だったものだから、自然、この本にも手が伸びた。 読んで
「言ってくれればいいのに」 …ってさ、 「言えない」からそっとフェイドアウト…なんでしょ? 言いたい時、まだ言える時に言うべき言葉を奪われて、それで後からヤイヤイ言われてもね…。 ああ「言」の字が多いな…。 何も言えなくて夏。
近所のドラッグストア。 アイスが飛ぶように売れている模様。 確かに税別98円で、しかも3つ買えば278円!! …ならば、まとめ買いしよう!というのが庶民の人情といもので、午前中の早い時間を逃して、うっかり午後に行こうものなら、冷凍庫はほぼカラである。 しかし、「税別98円で幸せになれる幸せ」というタイトルで記事を書こうと思ったら…ふと、思い出した。 昭和の小学生、夏休みの救世主のことを。 …今アラウンド50and60の皆様、憶えていますか? 駄菓子屋の比較的店先に近い場所
M子ちゃんは、小3~小4の頃のクラスメイトでした。 顔は可愛いし、老舗料亭のお嬢様だったしで、ステイタス的にはモテモテのはず…なんですが、あの頃からボチボチ出始めた「アトピー性皮膚炎」で、そして小4にして九九すら出来ないという壊滅的学習能力などなどで、虐められこそしていませんでしたが、皆から遠巻きにされていました。 しかも、M子ちゃんは「嘘つき」でした。 曰く、 アメリカ人の従兄弟「ルーチェ」君がいる。 そして自分はハーフである。 なので自分の家でも靴を履いて過ごしている
あー 嫌な事思い出した。 高校時代の部活で…。 A子とB美と私という関係性に於いて、 A子とB美が揉めて、 ある日 「今後も私と付き合いたかったらB美を切れ」とA子が言ってきた。 私はそういうA子が嫌なのでスルー、B美とも距離を置いた。 その後A子とB美は元通り。 で、私の悪口を2人で言いふらしているのが耳に入った。 それ以降、女3人(奇数)の関係というのが特に怖くなった。 どうせ2対1になるし、その「1」の立場に置かれるのも私だし。 …どちらとも距離を置きます。
私は、 自分に向けられた不当な扱いや、理不尽に対して、 「その場で怒る」というのが本当に苦手だ。 しかし…。 昨日 200%怒ってもいい案件に出くわした。 「どう伝えるか?」を悩むより先に、手が勝手に文章を打っていた。 (文面から漂う静かなガチギレ感) どうやらそれが伝わったらしく、相手は既読直後に電話してきて平謝り…。 「悪気のない悪が悪くないとは限らないんだよ?ワトソン君」 と、故ジェレミー・ブレッドのホームズばりに嫌味を浴びせてやりたかったが、そこまで強気では無いの
この1週間で、5人の違う人に言われた「(あなたは)優しいね」 という言葉は、 「私なら、他人のために身を切って、走り回ってそこまでしないけど、あんたはするんだ?馬鹿だね」 …という意味に取る。 「見るに見兼ねて」 「動かずにはいられなくて」 …というのを、他の皆さんは軽々とスルーする技術をお持ちであるらしい。 ちなみに、私の思う「優しさ」の観点からすると、私は決して優しくはない。 実は忘れっぽくもないし、恨みも人一倍深いほうだ。 「自分なんて」と常々思っているから、割と簡単
目が覚めた。 嫌な夢を見た。 既にいじめに遭っていた保育園時代、唯一遊んでくれていた子がある日 「いるみんちゃんとは、もう遊ばない!」と一方的に絶交宣言。 …彼女、単に足を怪我して他の子ハブにされ(生まれつきの障害で足の悪い)私に目をつけただけだったと、その時気がついた。 その頃からトモダチなんて…と思っている。 この一方的に打算で接近されて後の絶交は以降、人を替えて繰り返されていて、 むしろ 「私なんぞが誰かを縛るのはおこがましい」とすら思っている。 家庭・両親は生ま