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【読書まとめ&いろうたの考え】「伝える準備」(藤井貴彦著)
ご存じの方も多い、日本テレビアナウンサーの藤井貴彦氏による著作です。
藤井さんはアナウンサーですから、「自分の言葉で伝える」ことに対して格別の思いがあります。アナウンサーとして視聴者に呼びかけるにあたっての心構えや、日々実践していることなどを紹介しながら、文章ではありますが「伝えたい想い」を持つ私が感じたことなどを以下にまとめていきます。
○経験を元に、具体的に伝える
例えば食レポで、
「おいしい!」
「アツアツ!」
「甘い!」
と言っても、視聴者にはいまいち伝わらないですよね。そこで自分の経験を元に「運動会でお母さんが作ってくれた唐揚げのようなおいしさ」など具体的に言うことでイメージしやすくなると言います。
そういった言葉の幅やバリエーションが、話す人そのもののイメージアップにも繋がると聞けば、なるほど確かに「すごい」「ヤバい」「かわいい」で何でも表現してしまう人よりも、「あのときのあの味」「まるで○○のよう」とひと手間かけた言葉を使う人の方が知的に思えます。
日頃から様々な表現のストックがあれば、会話の流れで自然と使えます。漫然と言葉を使うのではなく、「伝える場面」を想定して言葉を練っておくことが大事。藤井さんは若い頃、とっさに放った言葉があまりにもストレートすぎたために後輩を傷つけた経験があるからこそ、アドバイスや後輩指導の際には「どう伝えるのが最もいいか」を考え、何日も言葉を寝かせた上で伝えるようにしているそうです。
○自分らしい「味な言葉」を持つ
藤井さんは若手の頃はスポーツ実況をしていたそうで、先輩アナウンサーの実況ビデオを一字一句書き写し、うまい実況を研究した結果、「つなぎの言葉」と「味な言葉」で作られていることを見いだしました。
つなぎの言葉というのは、繰り返しの実況練習で習得できるものですが、「味な言葉」というのはアナウンサー自身の表現(藤井さんはこれを「お寿司屋さんの、一仕事してあるネタ」と表現しています)。これこそがその場にぴったりなフレーズ=「語彙」だと言います。
○仕事日記をつける
一章丸々割いているのが、「五行日記」です。入社してから仕事に溺れていることに気づいた藤井さんが、一日の仕事内容を振り返ろうとつけ始めたのが「五行日記」。書き続けるうち、出来事に加えて「その時本当はどうしたかったのか」などの思いを書くようになり、気持ちの整理が出来るようになったと言います。
日記をつけると、過去の同じ日に何を感じていたのかが分かったり、何気ない日常を残せたりと、様々なメリットがあるそうですが、私が一番気に入った箇所は「言葉が煮詰まってくる」というところ。
「煮詰まる」は近年「行き詰まる」の意味に使われることが多いですが、本来は煮物が煮えるように濃縮されるという意味です。
五行日記は書けるスペースが限られているため、言葉を煮詰め、短い言葉でまとめようという意識になるそう。その中で、「これはこういう表現もできるな」と言い換えが可能になり、結果として「言葉がカラフルになる」。この、「言葉がカラフルになる」という表現もまた、藤井さんオリジナルの素敵な言い回しだと思うと同時に、これは私も意識的にやってみようという気持ちになりました。
○その発言の「親」になる
昨今ではSNSで誰もが気軽に発言できるようになりましたが、半面、反射的・感情的な発言も多くみられるようになりました。
藤井さんは夕方のニュース番組を担当していることもあり、発言の影響力と、取り消せない重さを充分理解されています。ゆえに、自分の発言には責任を持つことを訴えかけています。これは単に、相手を傷つけないことに留まらず、自分自身も、自らの口から出た言葉で汚さないためだと言うのには同感です。
また、「発する言葉があなたを作る」という一文を読んでからは一層、こうした場での言葉選びは慎重にしようと思ったのでした。
○いろうたの考え
・物語をよりオリジナルなものにするために……
この本を手に取ったのは、冒頭でも書いたとおり私に「伝えたい想い」があるからであり、そのための準備があるならどのようにすればいいかを知りたいと思ったからです。
それこそ私は三十年以上、物語を書き続けています。ここに至るまでには様々な表現法、言葉遣いなども学んできました。しかしそれを体系化したことはなく、未だ昇華させることができていないのが実態です。
思いや主張は描けていても、オリジナルな文章表現を追求するまでには至っていない……と気づいた私は、改めて自分の作品に使われている表現を見直してみることにしました。
幸いなことに、現在執筆中の「あっとほーむ~幸せに続く道~」では、目を覆いたくなるような常套句の乱用はありませんでした。しかし、「これはいろうたらしい表現だ!」と自画自賛するほどのものも数えるほどしかありませんでした。私の場合は会話の中で独特の言い回しをしていることが多いようです。
それはそれでオリジナルだとは思うのですが、これまで以上に意識的に「自分らしい表現」を模索する必要があると痛感! しかしこれができれば、日常でもワンランク上の会話ができそうな気がしているので、しばらくはいろいろと研究してみようと思っています。
・子育てにもきっと役立つはず!
子どもの話を聞く機会が多い私。相づちはなるべく、「それでどうなったの?」とか「それって○○だと思うんだけど?」など、問いかけることを心がけているのですが、二人いる子どもは同時にしゃべるので、どちらにも応答しようとするとどうしても反射的にならざるを得ません。
雑な返事をして、知らずのうちに子どもを傷つけてしまわないためには、普段からよい表現、味な言葉を蓄積しておく必要があると、本書を読んで改めて感じています。たとえそれが事実であってもストレートに伝えすぎないよう、「伝える準備」をしておくことも大事だといえそうです。
◇◇◇
いろうたなりの「伝える準備」が整ったら、その時はまた別の記事でご報告できたらなと考えています。
藤井貴彦著「伝える準備」を読んでみたいという方はこちら↓
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