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秋の夜長とミステリー その2


先日書いたこの記事で、


最近ミステリーを2冊読んだと書いたのですが
せっかくなのでもう1冊のほうも
さらっと紹介してみようかな、と思います。


こちら。

文身/ 岩井圭也


こちらは先日書いた方舟とは打って変わって、
犯人がいるタイプのミステリーとは少し違います。

裏表紙のあらすじはこんな感じ。

己の破滅的な生き様を私小説として発表し続けた
文壇の重鎮、須賀庸一すがよういち
彼の死後、絶縁状態にあった娘のもとに、
庸一から原稿の入った郵便物が届く。
遺稿に書かれていた驚くべき秘密──それは、
すべての作品を書いたのは約六十年前に
自殺したはずの弟だということ。さらには
原稿に書かれた内容を庸一が実行に移し、後から
私小説に仕立て上げていたという事実だった…

文身 裏表紙あらすじ


文壇の重鎮と言われた1人の男、
その男の死後、絶縁していた娘のもとへ届いた遺稿。
そこに書かれていた庸一のあまりに数奇な人生。
父の生涯は、一体なにが本当でなにが嘘なのか、
遺稿に書かれていた内容は真実なのか、
自殺したはずの庸一の弟は本当に生きているのか、
生きているならば、今どこで何をしているのか、
それともすべては庸一ひとりの妄想だったのか、
虚構を現実にするうち、区別がつかなくなったのか…
そして、母の死の真相は。


人間は誰でも虚構のなかに生きてるんや。
みんな、誰かの嘘を信じて生きてる。
大丈夫。山ほどある嘘のなかに、
たった一つ嘘が混ざるだけや。

狂っているのはこいつらか、俺か。

信じれば、どんな虚構も現実になる。

文身より抜粋


自分を振り返っても、周りを見ていても、
人間は生きていく中で沢山の嘘を信じて生きていて
あとで嘘と気づく場合も、ずっと気づかない場合も
嘘と分かっていて信じることもあったりする。
「信じたい」という気持ちだけで。

だからきっと、何が真実で何が嘘か、
どれが現実でどれが虚構か、などということは
自分の気持ちひとつで決めてしまっていることも
少なくないのかもしれない。

そもそも、現実と虚構にはたいした違いなんてないのかもしれない。


推理や犯人探しよりも、先の展開が読めないような
ストーリーが好きな方におすすめです。

サラッと読める方舟に比べると、
最初から最後まで少し重苦しい空気感と展開では
ありますが。

秋の夜長にミステリー、読んでみませんか?

見出し画像に選んだ写真は
和歌山県の千畳敷かな?で撮ったもの。
作品のある場面をイメージした1枚になっています。


それではこの辺で。

今日も1日おつかれさまでした。
最後まで読んでくださってありがとう。

また気が向いたら、来てくださいね。


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