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内向型の力を解き放つ: 静かな人たちのための戦略マニュアル
こんにちは、アイルランド在住会計士のつぐみです。
今日は読書ログ。内向型の人たちが、自己表現と成功を実現するための秘訣を紹介する本です。
「静かな人」の戦略書 - 騒がしすぎるこの世界で内向型が静かな力を発揮する法
どんな著者のどんな本?
題名の通り、内向的な性格を持つ人々が自らの能力を最大限に活用し、静かに力強い存在感を放つための戦略を提案している本です。傍目にはピカピカのエリートの著者ですが、内向的な自己を持つ一人として、戦略無しでは成功はなかったと語っています。
著者のジル・チャンは台湾人で、アメリカの大学に行き、アメリカで就職もしており、内向的かつ言語の苦労をしているところに共感を覚えます。東アジア人は内向的傾向が強いですよね。読書家らしく多くの本が参照されているのも好感が持てます。
私も内向的なので、内向的な自分なりの戦略を持っていますが、他にも使えそうな戦略はないか、他の内向的な人はどのような工夫をしているのか、を知るために読んでみました。
内向的人間の教祖スーザン・ケインなどが好きな方には刺さる内容だと思います。
3400万回再生されているスーザン・ケインのTED「内向的な人が秘めている力」
①事前準備の必要性
内向型の脳は、即座に反応するのが得意ではない。著者は、非母国語で即座に反応するために、血の滲むような練習を重ねていたらしい。
著者のように成功している内向的な人は、やはり事前準備の質量が半端ない。
本中の名言。
「努力の9割はステージの外で、すでに終わっている。」
かっこいいですねー。さすがに。
私も事前準備しないと対応できない自分を(仕方なく)受け入れていますが、まだまだ事前準備が足りないと思い知らされました。
内向的な人たちにとって、エネルギーは貴重な資産。無駄なエネルギー消費を防ぐために、環境を把握しておくこと、早めに到着すること、自分時間確保する場所を探しておく、などが必要となる。
この本のおかげで、事前準備に力を注ぐために、私にとって面倒だったりエネルギーを使うことは外注しようと誓いました。
また、外向的な人への嫉妬は捨てること。内向的な自分から見ると、彼らは声高に主張し、欲しいものを手に入れ、簡単に人気者になるように見えるが、彼らは彼らなりの悩みがあるので気にしない。
②自己認識は可能性を狭めるためではなく、能力を発揮するためにある
「内向的だから✕✕」と、自分の可能性を狭めるのではなくて、自分の能力を発揮するための自己理解に使う。
あまり頻繁には話さなくても、自分たちは能力があり、面白い人間であると言うことを周りの人たちにわかってもらう必要がある。そこは自分の責任。そのために、なぜ自分がそれをしているか、話せるようにしておく。
外向型が評価される社会で暮らしていた内向型は、外向型のスタイルやテクニックに適応するため、自分を変える努力をしている。そのスキルは、外交型を理解することにもつながるし、自分の幅を広げることにも役立っているから無駄ではない。
そして、自分のスキルや特性にぴったりあった仕事は存在しないので、自分の強みを見出し、それを活かして生計を立てようとするだけ。自分が最も価値を生み出せる仕事を見つけるだけ。というのが、著者の主張。
私は、まだぴったりの仕事は自分で生み出すべき、と考えているのでこの点は少し相容れないのですが。
③マネージングアップ(上司を賢く管理すること)
著者は上司からの高評価を得るために、1対1で上司とのミーティングを設け、将来のプロジェクトについて、自分の考えや計画を伝えたりしていた。
上司も落ち着いて話ができるし、部下としての働きぶりを把握できるから、1対1の定期的なミーティングを嫌がる上司はあまりいない。
著者の分析による、上司のタイプごとにどのようなアプローチを取るべきかも記載されている。
例えば、自分でコントロールしたい主導型上司には、選択肢を示し、参考となる評価やアイデアを示すのが効果的。
このあたりの組織での出世競争について戦略を立てるのは、とても共感するところ。アジア人が欧米系社会で普通に過ごしてたら出世なんかできない。自分がどれだけ有能で何を達成し、会社にどのような利益をもたらしたのかプレゼンする能力が必要になるんですよね。
とは言え、日本の大企業でもこの種のプレゼン力は必要か。ただ方法が違うだけで。環境にあわせて見せ方を変えるのも、戦略の一つかもしれませんね。
内向的な人は、考えることが好きだと思うので、人の戦略書を見るのもおすすめ。
多くの本が引用され紹介されていますが、アダム・グラントやスーザン・ケインが好きな著者なので本の好みも合いそう。作中で紹介されていた、この辺りも読んでみたいと思います。
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