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日本人の保守主義は、食事には当てはまらない

こんにちは、アイルランド在住会計士のつぐみです。

日本人は保守的だとよく言われます。ほとんどすべてのことに対しそれは当てはまると思います。

日本人は比較的不安遺伝子が多く有すると言われているので、念には念を入れ石橋を叩いて渡る性格の人が多いのが、日本人が一般的に保守的と言われる1つの理由でしょう。

しかし、食生活については全く保守的だとは思えません。これは伝統的な日本料理を守るとかそういう話ではありません。

そもそも日本人が、生魚をはじめとしてありとあらゆる食材を食べる、食に対するチャレンジ精神は、世界的に見ると保守的ではないと思うのです。

日本人は食についてとても好奇心旺盛で、色んな国の料理に興味があるし、一食に多くの料理品数が食卓に並ぶのが贅沢であると捉えているのが一般的ではないでしょうか。


一方で、私の住むアイルランドの人々は、多くのものを食べるよりも、お気に入りの一品をガツンとたべるのが贅沢だと思っている節があります。

今でこそ健康志向が広がり魚や発酵食品を多く含む日本食も人気となっていますが、そもそも魚や発酵食品をあまり食べる文化ではありません。

食に対するカルチャーショックは大きかったです。

例① 外食

私の知り合いは、外食すると、ほぼ毎回ミディアムレアステーキ+ポテトフライを食べています。それが彼のお気に入りの外食で、冒険する意欲ゼロのようです。
店によって味が違うから楽しいと言っていましたが、その違いの振れ幅ってそこまでありませんよね…。
外食の楽しみって、新しいメニューを試すことだと思いますが、そうとは限らないと知りました。

例② ランチ

私の元同僚は、毎昼食に、ハムチーズサンドイッチを食べていました。平日の「毎昼食」ですよ!

会社にトースターがあったので焼きたてのパンに、チーズとろけたチーズとハムの組み合わせがとてもおいしい逸品です。

しかし、日本人の感覚からすると毎日食べたいものではありません。
そもそも日本人で、毎日同じものを食べる人ってほとんどいないと思います。

夕食が、魚と煮物と味噌汁とご飯と言うように決まっている人でも、魚の種類や煮物の種類は毎日変えていますよね。

同じブランドのチーズ、ハム、パンを毎日食べるなんて、つまらなすぎる!と思うのですが、人の価値観はそれぞれですね。

例③ 旅行中の食べ物

コロナによって、今ではとんと行かなくなった海外旅行ですが、こちらの友人と旅行して、その食の好みの違いに驚きました。
日本人同士で旅行すると、現地の食べ物を楽しみ、胃が疲れてきたらちょっと軽めの日本食などのパターンが多いと思います。

しかし旅行中でもアイリッシュパブに行き、(旅行先がイタリアでなくても)馴染みあるイタリアンなどを食するアイリッシュの何と多いことでしょう。


アイルランド人の感覚では、知っている食べ物、気にいっている食べ物を食べることが幸せだと感じている気配があります。

意思の力を減らさないためにいつも同じ服を着ていたスティーブ・ジョブズ的な、食事選択にあまりエネルギーを使いたくないのかもしれません。同じものを食べていればとりあえず安心、一定の満足は得られるのでしょうか。

日本人も、歳をとると、あまり食の冒険をしたくなくなり、同じ食べ物を好むようになる方も多いと思いますが、外国では若い頃からあまり食で冒険しないタイプの割合が多いです。

もちろん個人差はあって、私の旦那さんも食の好奇心は旺盛でチャレンジ精神があります(だから、結婚できたと思う)。

色々食べたい日本人の食いしん坊っぷりは、日本人は保守的であるというステレオタイプに合致しないなーと思ったお話でした。

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