#381 学びの多様化学校
不登校特例校とは、不登校児童生徒を対象とする特別の教育課程を編成して教育を実施する学校のこと。平成17年7月に施行されたこの法案では、文部科学大臣の指定によって、不登校児童生徒等の実態に配慮した特別の教育課程を編成する必要があると認められる場合、特定の学校に置いて教育課程の基準によらずに特別の教育課程を編成することができるます。
不登校特例校という名称は、令和5年8月31日付けで、「学びの多様化学校」に変更(当面は事務的な混乱を避けるため併記)。名詞は時代を映す鏡。学校という枠組みにとらわれず、民間のフリースクールや通信制学校の認知度が上がる中、国家として新たな学び舎を創造していると言えます。現在、この「学びの多様化学校(不登校特例校)」は全国に24校(公立14校、私立10校)が設置されています。
その中の1つ、岐阜市立草潤中学校の記事を見つけました。
「学校らしくない学校」として、2021年4月の開校当初から注目を集めてきた草潤の生徒たちがこの3年をどう過ごしてきたのかが書かれています。
同校に通う生徒たちは、様々な理由で不登校を経験。自分のあるべき居場所を求め、草潤に辿りきました。今では多くの生徒が学校に通い、既存のシステムの型にはめられることなく、自らの意思と共に学校生活を送っているそうです。
同校校長である鷲見氏は「本校を選んできている子たちは、学校が嫌いだとか、学校なんて必要ないと思っているわけではなかった。勉強がしたい、運動会もやりたい、修学旅行も行きたい、友達とも関わりたいのだと、分かってきた」と語っています。
できるだけ多くの人に、できるだけ多くの居場所を作る。自分が自分らしくあれる居場所は、安心できる学習空間となり、私たちの元来ある知的欲求を呼び覚ましてくれる。いずれ草潤中学校のような学びの多様化学校は、その名称をつけなくとも、それが一般的な学校になるのだと思います。