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 天動説は、地球が宇宙の中心にあり、すべての天体が地球の周りを回っているという考えです。この説は古代ギリシャのプトレマイオスによって体系化され、中世ヨーロッパのキリスト教世界で長く支持されました。このモデルは天球と呼ばれる透明な球が地球を取り囲み、その球上に星や惑星が固定されていると考えました。

 一方、地動説は、地球を含む惑星が太陽を中心に公転しているという考えで、古代ギリシャの哲学者アリスタルコスが初めて提唱。その後16世紀にポーランドの天文学者コペルニクスが『天球の回転について』でこの説を詳細に説明し、後にケプラーやガリレイが観測データなどを元に、その科学的根拠を示しました。

現在行われている兵庫県知事選に関して、様々な情報が飛び交っている。そんな状況を、漫画家の倉田真由美氏は、その情報内容が「天動説と地動説ほど違う」と形容しています。

 もし仮に私が中世キリスト教世界の住人で、『天球の回転について』を読んだら、地動説を信じたのでしょうか。

今でこそ科学的根拠のある地動説ですが、おそらく当時の世界観にとっては、デマ情報と疑われてもおかしくない。コペルニクスやガリレオはフェイクニュースの作り手であり、陰謀論者としてみられていたのかも。

 私自身は、科学信仰者です。客観的事実、データを自分の中に重視するようにしていますが、その事実・データが「本当に正しいのか」は正直わかりかねることもある。

 時に、スピリチュアル的な「人事を越えた大きな存在」を受け入れる方が、逆に、世界の本質に近づけるのかもしれないな、と思ったりもします(でもきっと私は信じないけど)。

 とにもかくにも、「正しさ」とは難しい。実際に過去に起こった出来事の羅列(歴史)だって、人間がそれを解釈した時点で、「事実感」は薄れる。

 そんなことを考えながら、『チ。-地球の運動について』のアニメをみています。

 
 

 

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