きみと私、愛と運命
きみがつらいなら私には何ができる?
私は、きみが濡れたら、
休むための傘になれるように生きていきたいし、
大人になったきみの心配までしたい。
気だるそうに、丸めた背中。
目を伏せると長い睫毛も下を向く。
顔にさらさらな髪の毛が滑る。
ああ、きみはやっぱり綺麗だ。
きみは何時だって綺麗だから、
生きてればそれだけでいい。
きみに眠れない夜があるなら、
いつまでも私はきみの話を聞く。
聞かれたことには答える。
まだ声変わりしていないきみの声は、
すごくかわいい。
目を凝らせば、掛け布団の端っこをぎゅーって抱き寄せるきみがいる。
私がきみに
『ぜったい、守ってあげるから』と言うと、
きみは私に
『長生きしてね』と返してくれた。
私は、がんばって、笑って、
きみの頭を思いっきり撫でてあげる。
改めて、私はしあわせだと思う。
目を閉じる。
頬に生暖かさを感じる。
きっと、私の知らないところで、
やがてきみは少年から青年になる。
きみは人よりも自分の身体に振り回される人生だった。
きみはすぐに
『ぼくは最初から馬鹿だったよ』というけれど、私は知ってる。
きみはものすごく賢い人だ。
すごく賢いし、真面目だから、
その分、私には気づかなかった胸の痛みにも、
ほんのちょっとの自分の惰性にすら、
敏感だったんだろう。
病名を貰えるのは有難いことだと思うけど、
病名が分かって、原因が分かっても、
治してもらえなくては、どうにもならない。
辛いよね、わかるよ。
きみを抱き締められるなら、
私はきみを抱き締めてあげたいし、
優しい甘さのホットミルクをきみと寝る前、
一緒に飲みたい。
お風呂上がったばかりのきみはきっと顔がちょっと赤くて、のぼせてる。
明日への不安を募らせて、
毎晩、きみは布団に就く。
きみの寝顔はかわいい。
ものすごくかわいい。
いますぐにでも、抱き締めてあげたい。
あぁ、でも。
1度でもきみを抱き締めてしまったなら、
私は、きっと。
ずっと、
きみを育てたいと痛いほど願ってしまう。
高校生になってやっとちょっとした文章をかけました。