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私が“取材の仕事”を好きな理由

私は、小さい出版社で働いている。そして、前職はインターネット求人広告の会社勤務。社会人になってからずっと、仕事の中で“取材”をしてきた。


対象は企業経営者や、学校や塾の講師などの教育関係の方、美容関係のオーナー、クリニックの先生、お店の店長さんなど幅広い。取材をさせてもらった人数も、500人は超えているはずだ。


前職の時からずっと、取材が好き。

普段生活していると会うことのない方に会える。それだけでなく、その方の考えや経歴、想いの部分まで深く触れることができる。たくさんの考えや情報に触れることができて、贅沢な時間だよなぁと思う。


取材というのは、いわば“良いところ探し”だ。
ただ質問を繰り返すだけでなく、話をしながら「これは、この人ならではの魅力やな」と感じるところを見つける。そして、深掘りしていく。それは全面に出ている場合もあれば、そうでない場合もある。



魅力に触れると、「あ~めっちゃ素敵やなぁ」と心が動く。「なんて素晴らしい先生!」「一見わからないけど、熱い思いを持ってはるんやな~」「こんな習い事、子ども通わせたい~!」と取材中の私は誠に惚れっぽい。そして、「ここがめっちゃ素敵です」とそのまま伝える。どんどん伝える。

良い取材の後は、しばらく余韻があって、帰り道もホックホク気分。大体原稿を書く頃には、冷静になっているのだが。



先日、とある私立中学校へ取材へ行ったのだが、お話を伺った先生がとても魅力的な方だった。ユーモアを交えながらも、実体験に基づくお話をしていただけて、説得力が半端なかった。やはり、経験を積んできた方の言葉には力がある。

一つ心に残ったお話を抜粋しようと思う。

最近はタブレットなど便利なものが身近になって、すぐなんでも調べることができるようになりましたよね。素晴らしいことだと思います。

しかし、なんでもそうですが、素晴らしい長所には同時に短所がある。実際に体験していないことを、“知っている”と思っていても実になっていないことが多かったりしますね。

知識だけが豊富なのは、栄養が入っていないのに、満腹になっているような状態。ちゃんと出会って“知る”ことと、ただ”知っている”のは全然違いますよ。自分に起きたこと以外は、真実ではないんです。

子どもには本物に出会えるような環境を用意したいし、少しでも未来へつながる火種を残してあげたいと思ってます。

とある私立中学の素晴らしい先生の言葉


話を聞いていくにつれ「我が子も通わせたい!なんなら、私がこの先生の授業を受けたい!」となってしまった。

取材中、心が動きすぎて、相槌が大袈裟だったかもしれない。しかも、表面上の言葉ではなく、芯からそう思って実行しているんだろうな、というところまで伝わってきて最高に素敵な先生だった。


著名な方でなくても。世の中で働いている人の数だけ想いがあって、誇りを持って働くプロフェッショナルがいる。

それを知ることができる、取材の仕事が好きなのだ。

ここまで書いてきて、これは以前書いた私がエッセイを好きな理由に似てるなと気づいた。

“人”が好きで、“人”に興味がある。

さまざまな方の内面に触れることができる。知ることで世界は広がる。

“有名・無名なんて関係なく、その人にしか書けないものが、きっとあるはずなのだ。

エッセイが好きな理由を、上記のように書いた。

私はやっぱり“人”が好きで、その人にしかないものを見つけるのが好きなんだなぁと改めて思う。


先述の先生の話にもあったが、ちゃんと出会って”知る”ことができる仕事。


これからも、取材をして、書く仕事を続けていきたい。そのために、今何をすべきなのかなぁ、なんてことをぐるぐる考えている今日この頃です。

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