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シュルレアリスムと出会う
アルベルト・モラヴィアの薔薇とハナムグリ
官能的な寓話、こういうの初めて読んだ。
不思議だった。
全てのハナムグリは薔薇のために生きている、いや、ハナムグリのために薔薇が在るとまで考えられるところで、薔薇には目もくれずキャベツの奥深くに惹かれていくハナムグリがいた。
「多数派と異なって生まれるのは厄介なことよね。いつ、どうしてかはわからないけ れど、ふと気がつくと、仲間と違っていることが、それだけで欠点や恥ずべきこと、罪深いことになってしまうのだもの。あたしと多数派とのあいだにあるのは、数の差だけなのに……。たまたまハナムグリの大多数が薔薇を愛しているというだけで、薔薇を愛することが善いとされてしまう。まったく、なんてくだらない理屈なのかしら。それでもあたしは、キャベツが好き。キャベツ以外は愛せないの。あたしはそういうふうに造られたハナムグリで、いまさら自分を変えることなんてできないわ」
モラヴィア面白い!
15の短編があり、
月の″特派員″による初の地球からのリポート
が気に入りました。
あとは、記念碑も自分の好みでした。
読んでいて、シュルレアリスムはこんな感じなのか!という発見をした。
まだまだ知らないことだらけでした。
本との出会いを大切にしていきます。