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パンダコパンダに感じる闇
パンダコパンダって、ヤバくないですか。
そもそも知っておられますかね?監督が高畑勲で、原画を宮崎駿が務めた、トトロの原型とも言われてるアニメなんですけど、まぁコレがやばいんですよ。
話としてはミミ子っていう女の子と、パパンダとパンちゃんっていうパンダが出てくる、ホッコリ系のアニメなんすけど、よく考えると、色々とおかしいんですよ。なんか闇を感じるんですよね。
まず謎なのが設定です。この話、女の子とパンダが、一つ屋根の下一緒に暮らす話なんですけど、その経緯。
両親のいない小学生の少女ミミ子は、同居している祖母を長崎での法事に送り出し、しばらく一人暮らしとなる。しかし家へ帰ってみると、そこには人語を解する子供のパンダ(パン)がいた。さらにその父親のパンダ(パパンダ)も現れる。
ーパンダコパンダ【Wikipedia】
ばぁちゃん、なぜか孫を法事に連れて行かないんすよ。
子供を1人にして、数日家を開ける神経が分からんでしょ。
あと。猟友会の皆さん、こちらです。
女の子を数日間ひとりで置いていく、ってあり得ないと思いません?大体孫を連れて行けない法事ってなんなんですか。ひじ神様でも崇拝しとるんですか。
しかもこのばあちゃんが、まぁー全然帰ってこうへんのよな。案の定パンダは住みついちゃうし、生態系がしっちゃかめっちゃかになっとるんですわ。
幼い女の子とパンダの共同生活。倫理観を疑問視したくなるおばあちゃんに翻弄されているかのように見えるミミ子ですけど、ここからのミミ子の行動がこれまたやばいんすね。
ミミ子はパパンダに「パパになること」を求め、一方パンに対しては自分が「ママになる」と決めて共同生活を始める。
ーパンダコパンダ【Wikipedia】
要求が「親になれ」で
ミミ子はパパンダに対して、「パパは帽子を被り、たばこを吸って新聞を読み、会社へ行くものだ」と諭し、パパンダはそれを素直に受け入れるが、行く会社がなくて戸惑う。
ーパンダコパンダ【Wikipedia】
野生のパンダが、若干引いてるんよ。
ストーリーが尖りすぎて、もはや闇を感じざるを得ないんすわ。
大体、両親がいないっていう設定がある事で、このお父さん像をパンダに押し付ける事が、可愛らしさだけで語れなくなっちゃうじゃ無いですか。
「お父さんはこうするものなのよ!」と子供がパンダに教えてあげるってだけだとメルヘンですけど、この子供に両親がいないってなったら話は別やないですか。
なんか哀愁を感じてしまうやないですか。闇を感じてしまうやないですか。
証拠にパンダも気ぃ使ってしかないでしょ。だって、「仕事行け!」って言われて戸惑ってるんですよ?
んなもん普通なら「し...」と声を発した瞬間に、鋭い爪で八つ裂きですからね。パンダコパンダの第一話が「血で血を洗うお留守番」にならなかったのは、パンダの気遣いがあってこそですからね。
極め付けは「仕事に行け」と言われた後ですよ。
家にいたパンダを父親として愛する事を選んだ女の子。空き家に侵入し、帰ってきた家主の女の子に「今日からパパ!」と言い渡されたパンダ。「パパは仕事に行くものよ」と言われ戸惑う中で、話は展開します。
それを見たミミ子が「今日はお休みなのね」と言うとパパンダは 「会社はずっとお休みです」と宣言する。
ーパンダコパンダ【Wikipedia】
これ、何かの契約が成立したよね?
ミミ子はパパになってもらう事で不法侵入を許す。パンダは家族となる事で無罪放免を勝ち取る。何かの司法取引が行われた瞬間ですよね?
そのあとパパンダが動物園でタイムカードを押して、給料をもらうことになる、と言うところまで合わせて、パンダコパンダは謎が多く闇を感じてしまうんですよ。たまに思い出して、なんかヤバくなかったか...!?と思っちゃう話なんですよ。
「パパンダ」という名前が、人間で言うと「父人間」になってしまうと言うことも含めて。