ChatGPTにネタツイを頼んでみた
ネタ系のツイートである、ネタツイ。ツイッターの界隈ではネタツイを得意とする面白いツイッタラーの方は山ほどいて、僕も毎日のように笑わせてもらっている。テレビで見るお笑いとは違った、尖ったセンスが見れるのがネタツイのいいところだ。
そんなネタツイを得意とするツイッタラーは、僕にとってはかなり魅力的な存在だ。「面白い人=かっこいい」という、魔の関西方程式に縛られている僕にとって、面白い人は正義であり、ネタツイで人気を得ているツイッタラーは神ともいえる存在だ。生まれ変われるなら、人気のネタツイッタラーか、EXILEの社長のどっちかになりたいものである。
余談だが、小学生の界隈では「足が速い人=かっこいい」という方程式が存在する為、「面白い人=かっこいい」を連立方程式として持ってくると、「足が速い人=面白い人」となる。ウサイン・ボルトの漫談はさぞ面白いことであろう。
しかしながら人気になるネタツイというのは、そう簡単にできるものでは無い。面白い短文をコンスタントに作り続けるというのは、並みの努力では達成しうるものでは無い。
そもそもセンスやユーモアがなければ人気になることができず、加えて常にツイートを生み出し続ける、継続性も必要である。たまに思い出したかのように、「違いが分かる男『やっぱ電気は関電に限るなぁ』」みたいなことを言ってるようじゃ、全くダメなのだ。
そう僕のセンスや熱量では、有名なツイッタラーになるのは難しい。センスを磨くためにも、常に面白いものを生み出すためにも、努力は必ず必要。でも出不精の僕には、それすらもできないのである。
ただ、面白い人として認められたい。となると、努力をせずに面白いツイートをする必要がある。それも継続的に、たくさんの量を生み出し続ける必要がある。どうすればいいのか。どうすれば僕は、苦労せずに面白いセンスのある人間と思われることができるのか。
だったらそう。
ChatGPTにやってもらえばいいんじゃないか。
今話題のAIサービスChatGPTでは、こちらからの指示を学習して、出力へ反映させてくれるという機能も持ち合わせている。だったら、面白いネタツイを学習させることで、僕が何も考えなくてもChatGPTが自動で面白いツイートを考えてくれるのではないだろうか。そうすれば僕はゴロゴロしているだけで、勝手に面白ツイートが生み出され続けるのである。
勝手に面白いツイートが生み出され続けるということは、何もせずに気づけば僕は人気者になっているということである。ただ酒を飲んで寝ているだけで、ネットでは「犬井ワンは最強のセンスツイッタラー」と呼ばれるようになって、DMで「犬井さん面白くて大好き」という女子も殺到することだろう。そのころには、ほうぼうから僕に取材依頼が殺到しているだろうし、もう仕事なんてしなくてよくなっているはず。そして気づけば「ラヴィット、スタートです。」といっているかもしれないのだ。
そうとなったら話は早い。とにかくネタツイを集めてくる必要がある。
一応日本の著作権法では、AIによる学習のために著作物を利用することは、営利・非営利を問わず基本的に認められている。そのため、とにかく大量のネタツイを学習サンプルとして集めたいのだが、Twitterの改革で無料APIでツイート取得ができなくなった為、人力で集めてくる必要が出てきている。
ネタツイを調べて、エクセルに張り付ける。1000いいね以上で、なおかつ僕が面白いと思うものを厳選し、見つけては張り、見つけては張りを繰り返す…
見つけては張り…見つけては張り…
繰り返すこと、5時間。
ツイッターで1000いいね以上を獲得したネタツイート、計100件である。一応何を取得したかは消してはいるが、かぶりなしの面白いネタツイートを100件用意している。何故喫茶店で、コーヒーを4杯お代わりしているのかはわからないが、とにかく準備は完了した。
とはいえこれは、時間の先行投資である。ここからは自動的に生み出される面白ツイートを、僕はコピペしてつぶやくだけでいいのである。
さぁ、ChatGPTよ。
僕と一緒に、ビッグドリームをつかみに行こう…!!
…?
……
もしかして、僕と世間の「笑い」って、違うものを指してたりするのか?
なんじゃこの、全盛期のベッキーみたいなツイートは。
今回の僕の挑戦は結果失敗に終わった。僕は、自動でネタツイッタラーとして名をはせることはないし、取材も殺到しないし、ラヴィットにも出ない。
ただ僕はお笑いファンとして、AIからめちゃくちゃ面白い回答が返ってくることは、それはそれでさみしいとも思っている。
人が作る面白いものというのは、そこにセンスがあり、汗があり、苦しみがあるからこそ、深みがあって面白いものだ。コンマ1秒の間を詰めて笑いを作る芸人、毎日のように日常に面白いもののアンテナを張るツイッタラー、どちらも面白いものを生み出す人として、僕は尊敬しているし、大好きである。
これからも僕は芸人やツイッタラーを応援しながら、自分自身は楽に尊敬される道を探していこうと思う。
どうもChatGPTの回答も、惜しいところまで来ているようですし。