
読書(2024/9/6):半村良『太陽の世界』16巻『続・交流と紛争』初見実況
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 19, 2024
16巻、行きます。
名門トマピ家出身で、東山宗教勢力の僧、クメル。
念力で心の中にバーチャル世界を構築している。
「バーチャル世界は住みよく、現実世界は違うので、想像と現実の区別がつくが、時々現実に戻らないと狂う」
妙に生々しいなあ。この辺の感覚。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 19, 2024
東山としては「研究は結構だが、それが社会に還元されないのはちょっと。我々もラ・ムー住民の喜捨で生きてるのだし…」と思っている。国立大学院研究所が時々言うやつですね。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 19, 2024
そんな東山の僧たちの前で、クメルは研究成果(本人は研究という意識はないだろうが)を実演。
なんと、バーチャル世界から物体を持ってくる!
バーチャル草は草の手触りと草の匂いがする!
東山の僧たち、愕然。途方もない能力なのは確かだが、ヤバいのでは…?
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 19, 2024
さて、ラ・ムー宗教勢力、東山の現状が語られる。
宗教指導者イハムの系譜も、養子のヨハム、さらなる養子のラハム、3代で途絶。さらなる養子が王家から送り込まれたりはしなかった。
(というか王子たちは反ラ・ムー勢力トマに攫われて行方不明なのだからな…)
※誤り。王子は双子でしたが、攫われたのは双子のうち兄ドワタの方だけです。当然、王宮にとっては弟王子ドワワは現時点で唯一の王位継承者であり、王としてもこれを宗教勢力の門跡に回す訳がありません。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 19, 2024
東山の念力僧は戒律により子を成さない。
人口と資源という意味では、東山宗教勢力は、政府以上に寄生的な存在である。
政府は東山に敬意を払い、仲介役の西都出向アレフロン寺院管長ルカもよく調整しているが、東山は俗世への直接のチャンネルを失いつつある。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 19, 2024
んで、東山宗教勢力は何をしているかというと、念力の研究をしているのだ。
宗教勢力が求道のために学院を作る、例のパターンだ。
人口に貢献せず、資源を吸い、研究成果を社会に還元せねばという意識がうっすらとある、宗教勢力の、学院。
国立大学院研究所か?
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 19, 2024
管長ルカはクメルのことを知り、数日間考え込む。
そして、親しい宰相マルロと話し合う。
この前手に入れた金属。製法は門外不出。いずれ念力飛行船をも貫いて、ラ・ムーの脅威となる。
クメルのバーチャル世界顕現能力で、既存の金属を量産したら、当面解決だ。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 19, 2024
だが、想像力のクメルに対して、俗世も荒事も慣れているルカは、流石に慎重だ。
クメルのバーチャル世界顕現能力、どこまで持続性があるか、検証しようとしている。
検証して初めてまともに使い物になる。じゃあちゃんと検証せねばならない。賢さの格が違う…!
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 19, 2024
また、ルカはクメルのバーチャル世界顕現能力の性質を何となく察する。
空想に耽ることは子供でもやる。
それに東山の静謐かつ閉鎖的な環境と念力が合わさってこれに結実した。
空想を妨げないよう、俗世に出さない方が良い。
…分かるが、ムゴイ話してないか?
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 19, 2024
さて、牧畜民ハラトの悪政渦巻く北王宮で潜入捜査を行っていて、結局キレて北王宮を焼き払ったカゲル。
彼はアム武装隊商から、ここで駐屯する旨命を受けていたが、本来の雇い主は東山だし、密命は大陸全土を見てその情報をラ・ムーに持ち帰ることだ。
旅立つ!
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 19, 2024
東の難民ヨミトとも、海洋交易民ネプトとも違う、北西の難民キナ族。
彼らの故郷では時々光(キナ)が見られた。だがそれは瑞兆どころか地変の凶兆であった。そして故郷は沈んでしまった…
かつてカゲルが助けたキナ族が、彼らの今の雇い主、ネプトの元へ戻る。
※誤り。概ねムー大陸各地域の沈没による難民全般をヨミトと呼ぶ。たまたまアム族が最初に出会ったヨミトが、アム族の外征戦争のせいで東の土地が沈没して難民になった者達だったというだけである。だからキナ族もヨミトのカテゴリーに入る。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 19, 2024
カゲルはキナ族を追う。見知らぬ海洋交易民ネプトを本格的に知るために。
次の交易所に、前トンズラしたネプトの小役人と、キナ族がいた。
小役人は未だにキナ族にデカイツラをしている。そこまで地位の差が大きい。文句の一つも通らない。キナ族、辛い立場だ。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 19, 2024
カゲルはかつて助けたキナ族に熱烈に歓迎される。
また、ネプトの接待も受けるが、カゲルはネプトに違和感を覚える。
こいつら、キナ族の死傷に、あんまり衷心を抱いていない。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 19, 2024
カゲル、つい「キナ族をもう少しまともに扱って欲しい」と皮肉を言ってしまう。
が、
「ネプトは難民のキナ族を保護しているし、今回のように働いて血を流した者の立場は当然に向上する、職場を与えたこと自体が厚遇だ」
との回答。
それはそうだが、そのう…
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 19, 2024
カゲルはネプトの思考法に、抵抗しつつも、好奇心を抱く。
ネプトは「努力すれば勝てる」論者であり、キナ族に対して「いつか努力すれば勝てるが、勝ててないのは努力が足りない」と見ている。
価値観の異なる他民族との異文化交流に、カゲルは直面している…!
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 19, 2024
キナ族は心が折れている。
カゲルは(そうではない。もっとネプトに高く自分を売りつけろ。地位をもぎ取れ)と言いたくなってしまうが、それが彼らにとって酷なのも分かる(分かるカゲル、大した人だ)
月並な慰めの言葉をかけて、念力飛行船で飛び去る。嗚呼…
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 19, 2024
カゲルはキナ族をアムに案内しようとしたが、やめた。
ラ・ムーには身分制ができつつある。念力の貴族。念力のない平民。移民。
平和だが最下層に甘んじるのが「善い」?
ネプトへの地位を勝ち取るより?
本当に?
人は人にそこまで責任を取れない。カゲルもだ。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 20, 2024
カゲルの目からは、強欲なネプトは、難民だったアムの在り方と考え方の弱さを浮き彫りにしてもいる。
どうすれば克服できるか。
…やはりかなり迫力のある視野の持ち主だな。カゲル。
(これは確かにラ・ムーの中では変なやつ扱いのまま終わっていたかもしれん)
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 21, 2024
さらに北にはネプトの部族の本隊があった。
黄金の船団!
カゲルは富の価値観の違いについて考える。
約束の地へたどり着いたアムの富は、美しい田園、不動産だ。整備を要するが、奪えない。
土地を持たないネプトの富は動産だ。奪える。危険と隣り合わせだ。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 21, 2024
ネプトの部隊の本隊では騒動が起きていた。最高権力者たる総督の娘が攫われた。
カゲルは娘を助け出す旨交渉する。
総督たち、デブ。他人を働かせて自分は食ってるからだ。
また、カゲルは妙なことに気付く。この黄金の船団には、念力を妨げる何かがある。何だ?
※総督の名前はミナル、姫の名前はルシアです。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 21, 2024
ネプトの一族の総督の姫が攫われたのには、訳があった。
総督の異母弟が姫を守っていたというが、なんとその異母弟が拠点兼財産である黄金の船一艘と、人質として姫を掌握したのだ。
富を独占している総督の元では、自分の地位は頭打ちだ。独立!
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 21, 2024
カゲルはこれに関わり合いになりたくなくなってきていた。
要はネプトの内紛だった。特にこれは反乱、独立なのだ。最終的な裁定は、ネプトの神、竜神ネプトが下すものだろう。
自然神ラを奉じる余所のアムの自分が、とやかく裁定などしてよいものではない。
が…
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 21, 2024
カゲル、ネプト本隊総督の姫であるルシアを見て、
一目惚れしてしまう。
おい!
雇い主の高僧ルカが言ってたはずじゃなかったのかよ!
異国で子を作るなよ、って!
スパイが色恋に呑まれてどうする!
…まあ、色恋とはそういうものです。
が…
(若ェな…)
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 21, 2024
カゲルはネプト黄金船団総督の娘ルシア姫たちを救出し、ネプト本隊に戻る。
そして正直に報告する。攫ったのは総督の弟で、それは総督の下で働くより独立したい、という野心です。
総督たちは腑に落ちたようだ。弟、日頃からそんなことを口にしていたらしい。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 21, 2024
で、どうする? このままでは示しがつかない。
カゲルはアムだ。争いを嫌う。
なのでこうだ。独立資金をくれてやって別行動!
そして、十数年、会わねば良いのだ。その頃にはわだかまりも風化しているだろう。身内だった者との余計な争いもせずに済む。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 21, 2024
カゲルとしては平和主義から出た発想だ。
が、暖簾分けした者と事を構えず、戦費も費やさず、金持ち喧嘩せず。ネプトにも受け入れやすい話だ。
独立側のゴネ得は当然あるだろう。そこは値切ってよかろう、とカゲルは言う。
ネプト黄金船団、カゲルの案を呑む。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 21, 2024
カゲルは、ハラトの領域で家来として付けられた、話し相手でもあるルアロに、妙な質問をされる。
カゲルの属するアムには同族争いはないのか?
アムにはない。
ハラトの場合、牛は人の土地の境が分からないので、境を越えて移動する。そうなると同族争いになる。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 21, 2024
柵を設けたらどうだ?
しかし川の氾濫で柵の中で牛が死にまくったので、隣同士ものすごい殺し合いになったそうなのだ。上手く行かないものだ。
しかしカゲルは別のことを考えている。柵は隣人と協議の上で有事には撤去可能にすれば良かったのだ。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 21, 2024
そしてカゲルは怖いことを言い出す。
掟も柵と同じだ。不動のものと、協議で改訂できるものがある。災害時や戦時は特にそうだ。
…戦中、それで日本国民は煮え湯を飲んだのだが、災害時や疫病時の有事法について考えると、保健所の人間としては死にそうになる…
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 21, 2024
仲間殺しを許したら社会は壊れる。
が、敵を殺すのを禁じたら防衛など不可能だ。
だから汎大陸的国際法を作って、異人殺人の取り決めを作った方がよかろう。
それは異族間戦争すら止められる。
…すさまじいことを言い出すな。カゲル。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 21, 2024
ルアロ、閉口。
それはカゲルが平和主義でありながら、絶大な力と荒事への場慣れがあるから言えることで、相手と同じくらいか、こちらが弱かったら、そりゃあ必死で戦って勝つよりない。
国際法も戦争法も、揉め事が「起きたら」脆いもんだ。
そこは本当にそう…
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 22, 2024
カゲルは、実質的には初対面であるネプト離脱組に、欲しがる独立資金の半分を渡す。
独立したければしろ。優秀な異母弟を失うのは痛いが、いつかお前らが成功したらそれがネプト勢力の利益である。(カゲルの説得を受けた)総督の言葉だ。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 22, 2024
交渉道具の人質を失い、負けがほぼ確定した離脱組の長、総督の異母弟は、独立資金を受け入れる。
そして愚痴る。あの愚物の異母兄が最初からこうなら人質なんか取らなくてしなくてよかったのにな。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 22, 2024
ネプト離脱組は、少なめの独立資金で、それでも独立するだろう。
おそらく今が一番幸せな時だとすら思える。今から苦難の連続だろうし…
(そうだろうが、カゲル、その感想、メチャクチャ老成したジジイだよ。若くして経験を積んだとかとは別に、やはり性格だ…)
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 22, 2024
さて、カゲルはネプトの知恵を学びに来た客人であり、総督の姫を救助したということで、ネプト黄金船団の賓客として厚遇されている。
カゲルの見たところ、ネプトは傭兵ら労働者に、拠点で福利厚生を与えながら、生産物を買い上げて富を築いている。資本主義的。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 22, 2024
ネプトは労働者を食わせねば、いつか彼らに打倒される。
だから社会全体が拡張主義を取らざるを得ない。
いつかカゲルの祖国、アムのラ・ムーにも来るだろう。軍事力ではアムが強いが、経済的調略で切り崩される可能性はある。一族繁栄に貪欲なバラム家とか…
※「バラム家」は「バスラ家」の誤りです。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 22, 2024
さて。
ネプト黄金船団は今、妙な期待をカゲルに寄せている。
ルシア姫と縁組をさせられないか、ということだ。
念力を持つ賢明なカゲルを取り込めば圧倒的成功!
とはいえこれは色恋沙汰だ。あとは本人たち次第だ。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 22, 2024
カゲルはルシア姫に一目惚れしてはいるし、仲良く会話もしており、ルシア姫も好意を抱いているのは察する。
恋としてはかなり良い流れだ。
が、流石に分かってもいる。
自分の念力の血を異族に…?
大陸を揺るがすリスクだ。
自分はこの恋に、責任取れるのか…?
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 22, 2024
カゲルはネプト黄金船団の会議に招かれる。
農耕民ムートの特産品、酒。
技法は門外不出だが、流行ったのでもう秘密ではない。穀物を腐らせて作るのだ。
大陸の分類だと、広義の変性物質の中に、毒と調味料と薬がある。
酒は元気の薬!
(クスリと笑ってしまう)
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 22, 2024
さて、総督は面白いことを考えている。
酒の作り方が分かったので、自分たちでも作ろう、というのだ。
あちこちの王に献上すれば、これはビッグビジネスの始まりではなかろうか。
怠惰だった総督が、新事業に乗り出す。商人たるネプトとしては良い変化であろう。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 22, 2024
ネプト黄金船団上層部とカゲルが残る。
独立した異母弟は無事農耕民ムートの領域に入った。
使者が来た訳ではない。情報網だ。
カゲル、ネプトの凄味をまた学ぶ。
総督も、己が守りに入って異母弟に見捨てられたので、やる気を出すのだと言う。いい変化でしょう。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 22, 2024
カゲルは交易について問われる。
これは…花婿試験…!
酒の勢いもあり、持論を開陳するカゲル。
ネプトの交易は、先方の欲しがるものを船で持っていき、特産物を集め、最終的に一番高い物を持ち帰ることになるはずだ。
ネプトの反応からするとどうも正解らしい。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 22, 2024
が、ここからがカゲルの問題観察眼だ。
このやり方には輸送能力の壁がある!
そして解決策。
だから軽くて貴重な物を持ち運ぶ!
具体案?
黄金船団の黄金!
…これは、つまり、我々の感覚で言うと、ある種の貨幣の話をしている訳だ。
怖い怖い怖い。凄味の話だ。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 22, 2024
黄金は現状では金持ちの装飾品だが、これを撒き、市場に貨幣として使わせる訳だ。
そして、取引の工夫で回収し(ここはアム武装隊商もやっていた)、また価値が暴落しないようにもする。
すると、最終的には黄金を膨大に持つ持つ黄金船団が絶大な影響力を持つ!
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 22, 2024
…もちろん、凄まじい事業の話だ。
だが、これを考えたカゲルが一番凄まじい。
カゲルの現状整理→要約→問題点発見→解決策→具体案→影響の見積→最終的に相手方の利益を説く、という能力、商人ネプトでも一人も持たない。
総督、娘の花婿の件に、本気になる!
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 22, 2024
…現実世界の我々は色々考える。
貨幣は、人々の生活を利益のみならず危険に晒しもしているのだった。
また、カゲルが黄金ではなく、ラ・ムーの特産品、真珠の話をしなかったことも考える。
アムがラ・ムーに来る前の現地民ヌクトの劣勢のことが頭にあったのか?
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 22, 2024
さて、交易系の首長たる総督は明確にカゲルを娘ルシアの花婿にする気だ。
ルシア姫は明確にカゲルに好意を向けている。
そして、見るべきは、ルシア姫はどんな人なのか? という話なのだ(そこは見ろよカゲル。ここで結婚に失敗することも多々あるんだからさ)。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 22, 2024
だが、大丈夫そうだ。
ルシア姫はカゲルのために、固有の念力飛行船を、色々考えてデザインした上で、職人に作らせてプレゼントする、本当に出来た人だった。
アム武装隊商の到達を待たず。
待てず。
ネプト黄金船団の祝福の中。
カゲル、ルシア姫の夫になる!
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 22, 2024
…正直、カゲル、スパイとしてはアカン。
異国で結婚した。
いずれ子も出来る。
雇い主のラ・ムー宗教権力者ルカが困る。
が…
若者が、新天地で目覚めた自由意志で、己の才覚を活かす。
恋が成就して結婚する。
どちらも、いい話ではないですか。
おめでとう!
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 23, 2024
さて、ラ・ムーの話である。
宗教権力者ルカは、東山宗教勢力に対して、独特のスタンスを取っている。
東山には王権のある西都等俗世にあまり関与すべきではない。
その手の俗世に関するごたごたとした雑事は自分が全部やる。
そういう、一種異様な覚悟だ。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 23, 2024
なぜか?
俗世は荒事が避けられない。
東山の無垢な信仰が、荒事を前にしても、アムの平和主義を保ってくれるだろう。
つまり。
ルカは、アムの人としての道徳の拠り所を、自然神ラへの信仰に求めているようなのだ。
信仰としてはもちろんまっとうなありようだ。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 23, 2024
さて。金属の剣だ。知恵の結晶である。
石の武器の時のように、自我を捨てて獣のごとく殺すというプロセスがなくなり、むしろ人のままで殺せるという高揚感すらもたらすだろう。
この偉大な武器を手にした王は、すべての人の王でなければ満足できなくなるだろう。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 23, 2024
金属の剣は、威力もさることながら、振るう者の自尊心を高め、征服自体が自己目的化した異様な武力侵攻者をもたらしうる。そういう怖さもある。
で、アムがそのような征服者に備え、金属の剣を量産したい訳だ。必要な過程だが、当然アムの平和主義も危うくなる。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 23, 2024
アムが金属の剣を、防衛のために持っていても、それが侵略に変わったら、それは当然マズイ。
だからこそ、俗世の都合に容易に侵されはしない、高い精神性が要る。
そのための東山宗教勢力の聖別化だ。
俗世のごたごたは、自分が何とかする。
それがルカの思いだ。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 23, 2024
さて。
久しぶりのバーチャル世界顕現能力僧、クメルだ。
ルカは彼に、金属の剣を作らせようとする。
クメルは剣の解析と再構成に十日を要したが、遂に創り上げる。
しかも、一度作れば量産も可能だ。
検分すると、強度は元のものよりはるかに強いときた!
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 23, 2024
…確かにこれはアムの、ラ・ムーの防衛を考えれば、大成果だ。
しかし…
王も宰相もルカも、当然これはただ事ではないと悟る。
この武器は一般に配分できない。危険すぎる。財務庁にも管理させられない。欲深な財務長官バスラが持ったらマズイことになるはずだ。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 23, 2024
そして…ルカは非常の決断をする。
ルカのいるアレフロン寺は、ラを直接祀る事をやめ、王祖サハムと聖祖イハムの聖双生児、そしてその両親を祀ることにする。
当然、王も宰相も仰天する。なぜそんなことを?
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 23, 2024
ルカは言う。
このままでは平和主義のアムの奉じるラが、武器持つ神とそしられるからだ。
あっ。それはある意味一番ヤバい。
アムの強さに正統性がなくなる!
それでは軍事的優位性が崩れたらメチャクチャになる!
確かにここは踏ん張らなきゃならないところだ。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 23, 2024
ラの信仰は東山が直接行う。
アレフロン寺は、東山のラ信仰を維持するための、俗世の荒事の汚れの楯となる!
…おお…ルカ、そこまでの覚悟を…!?
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 23, 2024
最悪の予想は的中した。
鉄めいた金属の出所は、火山の多い土地に住む、冶金民族、アピ族であった。(アピは大陸では火の意味)
王位を巡って争いがあった。前前王を前王が殺害し、今、前前王の息子が前王を殺害して王位を奪回した。
征服者の気質の新王!
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 23, 2024
そして、なんとアピ族は、かつて大航海中のアム大型船と交戦していたのだった。
操縦手段を持たない大型船。アピ族新王は、これを奪い、秘密を手中に収め、天下に君臨したい!
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 23, 2024
アピ族と、彼らに服属する各海洋民、海軍5万を引き連れ、東方へ侵攻する。
ラ・ムーへ!
…最悪だ。
情報収集を兼ねた各地への侵攻。
牧畜民ハラト南部の、特に昔からアムやカゲルと縁のあるカペラ族長、カペラスコ、敗走。
救援を求めに行く。
ラ・ムーへ!
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 23, 2024
テレパシーによる通信網。
風雲急を告げるラ・ムー!
ルカは暗澹たる顔になる。最悪の予想が、予想より早く起きた。
ともあれ、戦争、待ったなしだ!
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 23, 2024
東山宗教勢力も戦うべきであろう。
しかし、これではルカが堅持したかった、武器を持たぬ神、ラへの、東山による純粋な信仰という話は吹っ飛ぶ。
ルカ本人が軍師めいて作戦を展開している。反ラ・ムー勢力デギル当代トマ一味相手に荒事をやってた身なのであった。
※結局、東山はラ・ムー防衛戦争には関与しなかったはずです。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 23, 2024
どうも当時は石器時代→青銅器時代→鉄器時代、というドグマが強かったらしく、作者・半村良は
「この火山拝火教冶金民アピ族はいきなり鉄を得たんだよ!」
と主張している。
言わないとアカデミア面にグチグチ突っ込まれるから、予防線だ。分かります。大変だ…
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 23, 2024
アピ族と服属海洋民の海軍は、遠征と略奪で指揮が乱れまくっていた。
一方、アムは既に偵察部隊の展開とテレパシー通信網の構築を行っていた。
そして…海戦が始まった!
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 23, 2024
アム念力飛行船、数艘でアピ族先行艦隊を超高高度制圧!
アムの一番恐れていた鉄矢だが、これが尽きたらこっちのものだ。アピ族先行艦隊、撃沈!
そこから奇妙な展開になる。アムは捕虜たちに食糧を与え、監視付きで西に追い返したのだ。
はて…?
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 23, 2024
アピ族&服属海洋民艦隊第二波。やはり燃やされ、捕虜が追い返される。
鉄? 船ごと沈んだ。あるいは、第三波が、捕虜たちと出会い、監視のアムに没収された。これではアピ族&服属海洋民としては話にならない。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 23, 2024
そして。
ハラトの領域の南部のさらに南の海岸。
ここから、先行していたアムの豪族バスク家の長バスク将軍の部隊が、一気に上陸、北上する。
先行情報の通り、今、南ハラト一帯は、アピ族の掠奪の真っ最中だった。
※「バスク家の長バスク将軍」は「バスラ家のNo.2バスク将軍」の誤りです。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 23, 2024
そして。
彼らの手には、戦略兵器、クメルのバーチャル上位鉄兵器がある。
そうだ。このために用意されていたのだから。
バスク将軍はただの貪欲な豪族ではない。剛勇な将軍だ。一人残らず殺す!
侵略者アピ族上陸部隊、武器の差もあり、全滅!
南ハラト、解放!
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 23, 2024
アム艦隊大型船船長ユレキスコは、無傷のアピ族艦隊を鹵獲して、ラ・ムーへと帰る。
その中には、自ら移民となることを望んだアピ族等がいた。
鉱山技術者と、冶金専門家もだ。
門外不出のアピ族の力の源が。
漏れた。
アピ族大遠征、惨敗。
ラ・ムー、大勝利!
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 26, 2024
ラ・ムーで鉱山技術者と冶金者は新しい移民として遇された。
旧移民と新移民の間ではトラブルが生じがちだが、今回は上手く行く。
特段生活に困ってない旧移民、特に土器工芸家は、新移民のいた高熱環境で生じた磁器技術を高く評価し、取り入れようとしている。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 26, 2024
武装隊商で大儲けしていたバスク家は、今回の戦争に伴い軍拡を進めたい。つまりは、武装隊商の強化をだ。
宰相マルロはさらにでかい絵を描く。今回のような戦争を未然に防ぐために、諸外国との外交専門部局を作る。武装隊商はその監視下! 牽制! 上手い手だ。
※「バスク家」は「バスラ家」の誤りです。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 26, 2024
ラ・ムーは念力による身分制を敷いている。
が、念力のある貴族の出生率が低い。
人口に勝る平民の存在感が増してきた。
今更ながら道路が整備され始めた。
国力という意味では貴族は大事だが、それは平民がインフラ面で粗略にされて甘んじる理由にはならない。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 26, 2024
さて。アムでありながらネプトの一員となったカゲルは、妻の父である総督らと共に在る。
そこに、諸国漫遊兼情報収集をしている総督の身内、ルモンがやってくる。
ラ・ムーの任務で諸国漫遊をしていたカゲルは親近感を抱いたようだ。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 26, 2024
この頃は総督らは黄金貨幣鋳造に勤しんでいた。これでビッグビジネスだ。
というか、そもそもネプトは傭兵に給料を払うための借用証刻印粘土板がある。
その下地がなかったら、カゲルの貨幣概念は突飛すぎただろうが、下地があるのでネプトにも飲み込めたのだ。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 26, 2024
さて、河川で交易を営んでいるネプト黄金船団の、情報収集担当ルモンは、近隣の大領域にて市場、長河の政変を語る。
強い国が侵略者として暴れ始めた。マズイ。
そしてカゲルに問う。ここの王をやっつけて、解放しないか。人助け兼ビジネスチャンスだ。
※この長河覇権国家は「タナ国」と言います。後でまた出てきます。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 27, 2024
乗り気なカゲルだが、意外にも妻のルシア姫が渋る。
今カゲルに危険な行動を取って欲しくない。
なぜなら。
お腹の子がいるのだ。
…カゲル、動揺。
遂に。来た。この時が。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 27, 2024
ネプトは長河の政変を評して言う。
侵略者と征服者は違う。
侵略者は歓迎されはしないが、征服者は状況次第では歓迎すらされる。
個人的にはハラトの領域にやってきた英雄ローロと、彼が打倒したハラトの覇者、綺羅王を思い出してしまうな。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 27, 2024
さて、カゲルとルモンは長河の都市に行く。
金持ちとその家族たちが逃げようとしている。
ルモンは軽蔑している。こいつら後で侵略者に降伏したり、後で都市に帰ってまたヘラヘラと君臨するのか?
いずれにせよ、市民に裏切り者として認識されるのは明らかだ。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 27, 2024
ミナル総督は、年の功で、娘婿のカゲルに言う。自分の持てる知恵をなるべく引き継いでおこう、という思いだ。年寄りあるあるだが、認めた相手にしかやらない、有難いことではあるので、まあ受け取りましょう。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 27, 2024
ミナル総督曰く。
知恵で世界を泳ぐ場合、物事の底は本当に深いと思うべきで、安易に「ここだ」と思わないことだ。
あの逃げた金持ちたちは彼らなりに考えたのだろう。が、二度と元の立ち位置には戻れまい。浅知恵!
…大事な話だ。特に聡明なカゲルにとっては。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 27, 2024
さて、長河の国の一つが強くなり、侵略者となった訳だ。
今侵攻されそうになっているネプト都市付近を偵察するカゲルたち。
河の港、設備も船もでかい。カゲルの故郷、ラ・ムーなんか、これに比べたら片田舎だ。
そして侵略者はここを無傷で接収したい。
※侵略されようとしている都市国家は、正確には「ダナオ国」といいます。後でまた出てきます。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 27, 2024
さて、カゲルたち3人で、膨大な侵略軍と戦う、という馬鹿げたことをする訳では無い。
侵略者の王を何とかすればいいのだ。
家来のルアロと話しているうち、閃く。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 27, 2024
ルアロは牧畜民ハラトの者だ。
ハラトは牛飼いをして生きている。
牛の群れは人のみならず他の先導的な牛にもついていく。
だが、無能な牛が先導したら困るので、そいつに臭い草の汁を塗りたくって仲間外れにさせる。
群れの先導のためには分かるが、ムゴイ話だ。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 27, 2024
膨大な侵略軍。
の、王。
に、カゲルらの念力飛行船が近付く。
侵略軍が、神の啓示の如く、神妙に見ている中。
カゲルたちは王を捕え。
臭い染料でメチャクチャに穢し。
鞭打つ!
侵略軍は感じる。
異民族を虐待した神罰を、侵略を命じた王が受けているのだ。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 27, 2024
侵略王が神罰を受け、穢されたら、そりゃあ侵略軍はこれに従う訳が無い。
侵略は止まった。
おそらく、侵略王は、これから放逐された牛の如く、惨めな流浪が待つ。
軍や、侵略された各国の民に殺されるかもしれない。
が、今は生かされている。
お優しいことだ。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 27, 2024
カゲルはこの都市の王に歓迎され、この巻は終わる。
前巻と本巻は他民族との交流と紛争の話なのですが、特に本巻は侵略者の話だったな、という印象をまず受けましたね。
それに対し、ラ・ムーは軍備強化と防衛、カゲルは派兵で対抗した。
#半村良 #太陽の世界 #続・交流と紛争
— 犬神工房 (@nokkaranoumu) June 27, 2024
さて、アムの一員、ヌクトのローロは、牧畜民ハラトの領域で王となった。だが、その子孫は念力の暴君と化した。
アムの王祖、サハムは、農耕民ムートの領域で子を冷遇し、今に至る禍根を残した。
カゲルは、水上交易民ネプトの領域で、一体どう「成る」のか…?
いいなと思ったら応援しよう!
