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【映画】ていうか『オペラ座の怪人』って何?→劇場版を見てきた

小さい頃からCMやポスターでよく見かけるので、気になっていた作品があります。『オペラ座の怪人』です。実際、どういう物語なんでしょうか? 怖い仮面の男がやたらと印象的です。ホラーなのかミステリーなのか、それすらもわかりません。

今回、ミュージカルを映画化した『オペラ座の怪人』(2004年)を見てきました。公開20周年で4Kデジタルリマスター版が上映されています。


フランス五輪とオペラ座の怪人

Xで知りましたが、そのミュージカルの音楽が今回のパリ五輪の開会式でも流れたといいます。なぜでしょうか?

ミュージカル自体はイギリス人のアンドルー・ロイド・ウェバーが作曲と脚本を手がけ、ミュージカルの映画はアメリカで製作されていますが、原作はなんとフランス文学。ガストン・ルルーによる同名の小説とのことです。

これだけ世界的にヒットしたミュージカルの原作がフランス由来ということで誇っていたわけですね。

冒頭の演出

ミュージカルと劇場版にどこまで共通した演出があるのかはわかりませんが、冒頭の演出は巧妙だと思いました。

舞台は20世紀初頭のパリ。古びた廃墟でオークションが行われており、画面はなんとモノクローム。「なぜ?」と思いました。そこまで古い映画ではないはずですが。

そしてオークション会場の背景には、ワケありで天井から落ちたままのシャンデリア。その由緒が語られるや否や、たちまちシャンデリアが浮遊勇壮なメインテーマが流れ、天井に戻っていくのと同時に画面はカラーに。時間が巻き戻っていきます。開始数分で観客の心が鷲掴みにされる、素晴らしい演出です。

感想

実際に映画を見てみると、はっきり言ってロマンチックでした。ホラーでもミステリーでもない、ロマンスです。胸がきゅーっとなりました。

醜い容貌を仮面で隠してオペラ座に潜む怪人は、音楽や脚本、建築、演劇まで通じている芸術の天才。歌手として舞台に立つことを夢見るクリスティーヌに、秘密の歌のレッスンを施してきました。

クリスティーヌは姿を現さずに歌の手ほどきをしてくれる怪人を天使と思い込み、師と仰ぎます。幼少期に虐げられてきた背景がある怪人は、自分の心を癒してくれるそんなクリスティーヌに恋をしていました。

つまり、一方は尊敬、他方は愛情で、両思いではないんです。もうこれだけで切なくなります。二人はオペラ座の地下の洞窟で初対面。お互いの姿を知った上で二人きりのレッスンを繰り広げるんですが、結ばれはしないと思いながらも、もう少し心を通わせてほしいと願わずにはいられませんでした。

そこに登場する二人目の男。クリスティーヌ目当ての男で、夜のバルコニーでクリスティーヌと「いい感じ」になってしまうわけです。そして、怪人は物陰から覗き見てショックを受けることに。つまり、『オペラ座の怪人』は、二人の男がクリスティーヌを取り合う三角関係の作品だったのです。

どうして誰もこのことを早めに教えてくれなかったのか。こういう作品だと知ってさえいれば、毎年のようにミュージカルが上演されているんですから、一回くらい見に行ったと思うんです。

いえ、一回で済むわけがありません。複数回は足を運んだことでしょう。

そして、何度繰り返し鑑賞しても、怪人とクリスティーヌが結ばれない。そのことで感傷的になったはず……。

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