理学療法士の為の姿勢制御【基礎編】
はじめに
姿勢制御ってムズイ?
姿勢制御って聞くと、なんか難しそうってイメージがありませんか?
網様体脊髄路?体幹がどうのこうの?
そんな話をするだけでも、うわぁ・・となってしまう人も多いです。
でも最初にイメージさえ掴めれば、実は簡単に理解できるんです。
僕がそうでした。
いきなり網様体脊髄路の経路を調べるところから入ってしまうと挫折するけど、そもそも姿勢制御ってなに?ってことがざっくりわかると、その後の理解も進みます。
要するに、勉強する順番ってめっちゃ大事なんですよ。
いきなり自動車の教習で高速道を走る!ではなくて、まずは交通ルールとアクセルとブレーキの操作方法から学ぶように・・・
まずはイメージがつきやすいところから学ぶ必要があります。
姿勢制御は理学療法士にとって大事な部分
そしてなぜ姿勢制御なのか?という部分ですが、これは理学療法士にとても大事な知識だからです。
姿勢制御はどんな運動にも伴います。
なんとなく中枢疾患の人だけかなってイメージがあるかもしれませんが、運動器疾患の人も廃用症候群の人も、運動には姿勢制御が伴います。
理学療法士は運動を見るので、姿勢制御の知識がないと、本当の意味で運動がみれているとはいえません。
骨や筋肉の知識は豊富な人が多いけど、姿勢制御の知識が乏しいって人結構いますよね。
でもそれだと、理学療法士として筋トレやROMしか出来ないってことになりますよね。
それは非常にもったいないです。
今回のnoteを最後まで読めば臨床で使える知識にまで落とし込めるようにしたいと思っています。
姿勢制御とは?
ここからは早速本題に入っていきたいと思います。
まず姿勢制御ってなに?という部分から出来るだけわかりやすくお伝えしたいと思います。
まずそもそも姿勢制御とは?姿勢を制御するってことですよね。
人は直立二足歩行動物です。
直立二足歩行をする生き物は人間だけです。
これってとてもバランスが悪いですよね。
四足歩行の方がバランスがとりやすい。
でもだからこそ、姿勢制御が大事になります。
姿勢制御に必要な感覚情報
姿勢制御は視覚・体性感覚・前庭感覚によって行われていると言われています。
この3つの感覚を統合することで姿勢を制御しています。
この詳しい経路や神経機構については、ややこしいので有料部分で解説しています。
まずはそもそも視覚・体性感覚・前庭感覚が姿勢制御にとって大事であるってことを理解する。
例えばこれわかりやすいのが視覚ですよね。
真っ暗なところではバランスがとりにくくなる。
目をつむると少しふらふらする。
これは視覚によって姿勢制御されている部分があるってことですよね。
でも一方で目が見えない方もいらっしゃいます。
目が見えないから立ったり、歩いたりできないか?というとそんなことはないわけですよね。
つまり視覚・体性感覚・前庭感覚はそれぞれの感覚が姿勢制御に関わっていて、一つだけではないってことです。
じゃあどのくらいなのか?という部分ですが
感覚の割合は?
姿勢制御には視覚・前庭感覚・体性感覚が関わっているけど、それがどのくらいの割合なのか?というのは気になるところですよね。
これは文献によっても多少異なる部分です。
健常成人では、視覚:10% 前庭感覚:20% 体性感覚:70%くらいの割合と言われています。
大体このくらいで人は姿勢を制御していると言われています。
これは何となく想像がつくのではないでしょうか?
体性感覚にほとんど頼ってバランスをとっている人がほとんどですよね。
例えば歩きスマホをしている人
この場合は、視覚はスマホに奪われているので、体性感覚と前庭感覚の比率が上がりそうですよね。
視覚はほとんど使わないで、姿勢を制御している。
体性感覚がメインで姿勢を制御していそうです。
高齢者は視覚優位
さらに高齢者は視覚優位になると言われています。
高齢者は視覚に頼りやすい。
視覚優位の姿勢制御になりやすいと言われています。
でもこれって結構心当たりがありませんか?
患者様の転倒したエピソードを聞くと、夜のトイレって結構多かったりしません?
それは寝起きだから、身体が動きにくくて…など色々な理由があると思いますが、その一つに暗いってことがありますよね。
照明が暗くて、普段視覚に頼っている姿勢制御が出来なくて、転倒してしまう。
そのため、トイレへの動線に常夜灯や蛍光テープの塗布を提案することもよくあります。
明るいだけで、視覚が使えるようになり、転倒が減るのであれば、それはやるに越したことはないですよね。
これはとてもシンプルなことですが、姿勢制御の知識がないと、こういった部分を見落としてしまいがちです。
暗いから明るくしておこうって理解よりも、高齢者は視覚優位の姿勢制御になるから、夜暗くなった時のトイレは転倒リスクが高いだろうなって理解している方が対策ができるという話です。
理学療法士・作業療法士として、姿勢制御の知識を持って、家屋評価の時に提案が出来る。
そうありたいですよね。
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