【読書メモ】 うちの娘はAV女優です|アケミン
アケミン「うちの娘はAV女優です」
幻冬舎2017年1月12日発行
238ページ
矛盾がある。みるのはすきだけどでるのはきらいなものってな〜んだ?というなぞなぞのようである。AVというものがもしなくなればとてつもない人数の人間が困るエンターテイメントでありながら、我が子が出演するとなれば頭の線が切れそうなほど反対するであろう。この本は「親バレ」を軸にAV女優という道を選んだ女性たちの人生をオムニバス形式で10人分集めたものである。
多くの理由はお金のようである。稀に純粋にセックスが好きな人もいるようだが、多くはお金に苦労した経験から気づけばその道に入るようである。そしてどうせやるならとことんやろうというような形らしい。
有名になりたいという理由もある。最近は女性に憧れられる女優も増え、反対に市場としては簡単に稼げなくなっているようなのでそういう芸能人的な側面が強まっていくのかもしれない。
この世から性欲が完全になくなれば、今存在する我々の代、数十年で人類は絶滅する。性欲という小さな業火のおかげで何万年も命を紡いできたのである。そんなところへほんの少し前に映像が記録できるようになりそこに欲望が投影された。産業としては数十年、ポップ・ロックスと似た長さである。
AVは急速に進化しそれに比例して女優のレベルもすごい勢いで上がっている。もうルックスが良いだけでは売れず、トップに行くためには並の努力では難しそうである。女優たちの顔つきが物語っている。
ここからさらに競争力が高まって、いずれ天才的なポルノスターが現れるかもしれない。そうなればまた業界に対する価値観も変わるだろう。しかしエロというものは隠されることによってその力を強めるという矛盾も抱えている。
感謝しつつ隠す、という態度が現在私が立つ立場である。FANZAでちゃんとレンタル或いは購入してゐる。
むかし、「え、金出してんの?阿呆やん」と言うてくる誰かがおった気がするが阿呆はお前であろう。見知らぬ購入者からの奢りで抜いている阿呆である。
本の話に戻るが10人の話を一冊にまとめているので少し物足りず、今度は1人の話を深掘りしたようなものも読んでみたいと思った。