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『世界史の構造』アソシエーションをもう少し研究してみたい(世界の歴史)

 「柄谷行人」という名前は知っていたが、本書ではじめて読んでみた。
 マルクスやカント、ヘーゲルの著作をこれまた読んだことがことがないので、それらを「あーそうか」としか捉えられない。しかし、交換様式という発想は面白いと思った。というのも、『100 de 名著』でマルクスの『資本論』を取り上げていたが、マルクスの理論は生産を基本としていて、イスラームの贈与経済などは視野にないと感じていたからだ。そういう意味では、柄谷行人さんの「交換様式」という考え方で世界史を説明するアプローチは納得できる。

 しかし、A=互酬交換、B=略取と再分配、C=商品交換、そしてAを高次元で回復した「D」という4つの交換様式の中の「D」をアソシエーションとし、「資本=ネーション=ステート」の対抗と位置づけるという試みに古さを感じてしまう。なぜなら、19才になったグレタ・トゥーンベリさんのようなZ世代がSNSを通じて繋がりあい行っている世界的連帯(アソシエーション)との違いが分からないからだ。 

 この本だけで批判しても失礼になると思うので、新刊の「ニュー・アソシエーショニスト宣言」も読んでみることにした。いずれにしても、柄谷行人さんの博識は理解できたが、いまデジタルを使って世界で起こっていることに追いついていないのではないか、という認識を持ってしまったことだけは確かだ。

Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。