仲正昌樹「ヘーゲルを越えるヘーゲル」序を読んで
今年はマルクスについて一本評論を書こうと考えており、ヘーゲルについても一冊何か読んでおきたいところ。というわけで仲正昌樹「ヘーゲルを越えるヘーゲル」の冒頭を少し読んでみた(記事の画像は書影より引用)。
どうやら現代思想におけるヘーゲルの受容を解説する本のよう。非常に面白そうな内容だけれども、今自分が読むべき本かどうかについては疑問が残る。いずれにせよ、何度も読み返す本になるのは間違いなさそうだ。
「序」に並ぶ、ヘーゲルの影響を受けた名だたる人物たち。
仲正氏は「現代の意外なヘーゲル派として特に際立っている」哲学者として、チャールズ・テイラー(コミュニタリアリズム)、ジジェク(ラカン派精神分析)、ロバート・ブランダム(ネオ・プラグマティズム)、ジュディス・バトラー(ポストモダン・フェミニズム)の四人を挙げている。
その他にも、「まさかあの人がヘーゲルの影響を受けていたとは」と驚きの連続。ハーバーマスは「カント主義的な立場からヘーゲルとの対決を試み」、ルカーチ、サルトルはヘーゲルを通してマルクスの再解釈を行ったという。フランシス・フクヤマという名前も意外だった(言われてみれば、確かに「歴史」はヘーゲル用語だ)。
また、新しくアクセル・ホーネット(フランクフルト学派)、ジャン・イポリット(彼のヘーゲル解釈が現象学・フランス現代思想に影響)という名前も知ることができた。
また、この本ではさらりと触れられているだけだが、初期ヘーゲルの思索がキリスト教神学への批判から始まった、というのは気になった。
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