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木曜日の読書

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#コラム

日常と共にある読書~宮崎智之著『平熱のまま、この世界に熱狂したい』~

宮崎智之著『平熱のまま、この世界に熱狂したい 増補新版』(ちくま文庫、2024年。以下、本書)…

アンマchan
4か月前
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文明の進化と人間の進化~富士正晴著『新編 不参加ぐらし(荻原魚雷編)』~

昔の作家が書いた文章を読んでいると、「昔も今も人々の悩みや危惧している事って変わらないん…

アンマchan
1年前
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「コト」までもが雑貨になる~三品輝起著『すべての雑貨』~

「雑貨」とは何か? 「デジタル大辞泉」には、『日常生活に必要なこまごました品物』とある。…

アンマchan
1年前
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日記を小説にする~「文学界」2023年3月号の特集「滝口悠生の日常」より~

この"note"という媒体やネット上のブログなどに、日記や小説を投稿している人も多いが、それら…

アンマchan
1年前
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メディアの"ふつう"は"ふつうじゃない"?~都築響一著『圏外編集者』~

昔、近くの書店に『東京スナックのみある記』という、タイトルどおり東京のスナックを紹介した…

アンマchan
2年前
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立川談志の「馬鹿の基準」(嫉妬と炎上)

嵐の二宮和也さん主演の『赤めだか』(TBS系)というドラマが、2015年の年末に放送された。 主…

アンマchan
4年前
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小津映画での戦後の描かれ方の内田樹の疑問と大林監督の見解

2020年4月10日、大林宣彦氏が亡くなられた。 その追悼番組として、同4月16日にNHK BS1で大林氏(ご本人は「映画作家」と名のっているため、あえて「監督」とは書かない)が出演された『最後の講義』が再放送された(初回放送は2018年3月とのこと)。 それを見て、ふと、内田樹著『生きづらさについて考える』(毎日新聞出版)に「小津安二郎の写真から」という寄稿が所収されていたのを思い出した(初出 小津安二郎と兵隊(『小津安二郎 大全』松浦莞二・宮本明子編著 朝日新聞出版

彼らがあなたであってもよかった世界(2022/03/30追記)

本稿は2020年5月9日に投稿した記事だが、当時はまだCOVID-19が得体のしれないもので、その不安…

アンマchan
4年前

「日本酒女子」の本で日本酒を知る

Suits-woman.jp 2021年4月20日配信「日本酒好きが選んだ、最も好きな日本酒ランキング」という…

アンマchan
3年前
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酒呑みと酒器

2021年7月、東京は4度目の緊急事態宣言下に置かれることになった。 酒呑みの私としては、前月…

アンマchan
3年前
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民主主義? (2022.07.08追記)

何故、選挙に行かなければならないのか? 我々人間はもちろん、地球上のあらゆる動物・植物・…

アンマchan
3年前
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21世紀"でも"恋愛?

現代思想(青土社)の2021年9月号の特集は、『<恋愛>の現在』だった。 「恋愛」というと、つい「…

アンマchan
3年前
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阿古真理著『小林カツ代と栗原はるみ 料理研究家とその時代』から見る、戦後の女性史…

2022年2月10日配信のオリコンニュースに「1974年4月から48年間続いた料理番組『おかずのクッキ…

アンマchan
2年前
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北京五輪2022 女子アイスホッケー日本代表"スマイルジャパン"に想う雑記

2022年、中国・北京で開催された冬季オリンピックにて、女子アイスホッケー日本代表チーム(愛称・スマイルジャパン)が、日本代表史上初となる決勝トーナメント進出を果たした。 これには予選リーグのシステムが大きく貢献しているのは間違いない(決勝トーナメントのフィンランド戦を見れば、グループAとのレベル差は歴然)が、いずれにせよ、全試合素晴らしい戦いで、テレビで観戦していた私も熱くなってしまった。 ところで、アイスホッケー自体は全国的にはマイナーなスポーツであり、だからきっと、ほ