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白描



なにを思い出させたとしても動かない
灯台の、霧笛だけを
 
聞いているつもりで
余白に
溶けるまで
動けなかった
人の一歩に、
白い大地が
目を開く夢を見ている
 
足首まで浸していた
水が
跳ねるように横切っていく、絵肌の
乾かない足音みたいに、降りだした色
 
滲むばかりで まだ好きとは言えない
 
はじめてのお店で
買った
花のそばにいる






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