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ステイホームがもたらしたもの

「ヤバい!」が口癖の中2の長女

奥さんに似て、しっかりしている。

4人兄弟で、そうならざる得なかったのかもしれないが‥‥ステイホーム期間を通して変化があった。

時間はたっぷりあるけれど、不自由なステイホームが、彼女にどのような変化をもたらしているのだろうか。

モーニングルーティン


中学が再開してから、完全に習慣の人になった。

朝6時45分 起床。

起きるとすぐ布団を畳み、カーテンと窓を開け部屋の空気を入れ替える。部屋には、ゴミ1つない。

洗顔をして、ドライヤーで、髪をつやつやストレートに仕上げ、失敗しない時の米倉涼子のように背筋を伸ばし……


おはよう!颯爽とリビングに現われる。

紅茶を入れた後、朝ごはんを準備する。
ステイホーム期間、自分で朝ご飯を作っていたこともあり、朝に食べたいものが、決まったようだ。

彼女は、朝に必ず「たまご」を食べる。

弁当を作っているときは私が作り、休みの日は彼女が作る。1週間に1回ぐらいはオムレツなども食べたくなったりするようでキッチンは、朝から卵のカラだらけ。

1週間で、3パックの卵がなくなる。ニワトリさんが必要だ。

このように中2の長女は、イチローのようなルーティンをもうかれこれ、半年以上、続けている。

時間の価値習慣の大切さに気付いたのだろうか。


ご飯を愛するヤバい神


そして、ステイホーム中、いつからか思い出せないが、奥さんや私が作ったご飯に対して必ずリアクションをくれるようになった。

「ヤバいっ!うっまーい!」

相変わらず口は悪いが、最高の褒め言葉である。どこかでコーチングでも習得したのだろうか。

毎日この「ヤバい!」をくれる。ご飯を作った労力が報われるね。と奥さんとよく話している。

これを聞くたびに、夫婦揃って「たべ神さまー」と長女を拝めている。


長女は好き嫌いが一切なく、煮物など、お婆ちゃんのように渋い和食メニューが大好きだ。

食べた瞬間のコメントが、またヤバい。

「この野菜、甘い!ヤバい!塩気が甘味を引き出してねぇ?」

「なに?このお肉、マヨネーズ入ってる?コクがあってウマーい!」

隠し味にまで気付く、素晴らしい味覚を持っている。褒めればもっと旨いものが、食べられることに気付いたのだろうか。

これも才能かもしれない…。

新たな才能を発見


年が明け、また緊急事態宣言が出て、部活動も出来ずステイホームを余儀なくされた。

ちょうど、同じタイミングで、奥さんが本格的に仕事を再開することになった。

今までより、帰りも遅くなってしまうとの事で、長女が、気が向いたらご飯作ってあげるよと言ってくれた。

長女が気が向いたらと言って、気が向いたことはなく、全く期待していなかったが、奥さんから仕事中に、こんなエモいスタンプと写真が届いた。



中2娘が、さつまいもご飯、小6娘が、大根と玉ねぎの味噌汁を作ってくれたそうだ。

21時頃に帰ってさつまいもご飯を食べさせてもらうと、一瞬、言葉を失うほど旨かった。。

さつまいもが甘かった。

「ありがとう。美味しかった。最高だね」

「イェーイ!ググって作ったぜー、明日はホイコーロー作るよー」

スマホでツムツムをしながら、少し照れた表情で、こう返してくれた。

翌日、ホイコーローを楽しみに帰ったが、ピーマンがたくさんあったようでメニューが、変更されていた。


中2娘が、ピーマンの肉詰め、小6娘が、ジャガイモの味噌汁とサラダを作ってくれた。

その旨さに、また衝撃を受ける。

ピーマンの中にびっちりフワフワのミンチが入っていて、ミンチとピーマンがしっかりくっついていてピーマンも歯応えのある最高の状態。

丁寧に下ごしらえまでしてくれたそうだ。

新たな才能が開花している。

「めちゃくちゃ旨いね!今日も最高ね」

「ついに料理アプリもインストールしたぜェー、料理簡単!」と生意気だが、料理は上手い。

そして昨日は、ケーキを作ってくれた。私のためではなく、キンプリの永瀬廉くんのために作ったそうだ。

ちょうど彼の誕生日で、ファンはケーキを作ってお祝いするらしい。いわゆるヲタ活である。


中2らしく、とても可愛いくて応援してあげたいなと思う。ジャニーズには敵わない。

生クリームのたっぷり乗ったカップケーキがあまりに美味しそうなので分けてもらったが、ビックリするほど旨かった。

もはや‥‥才能しかない(親バカなのだろう)

「暇だから、料理もまた作るよー」
と嬉しいことを言ってくれる。。。

ステイホームで、子どもたちは、多くのイベントがなくなってかわいそう。思い出がない。部活動も出来ない。旅行も行けない。

ないもの失ったものばかり考えていた。

しかし、「えたもの」もきっとたくさんある。

ステイホームだからこそ気付ける楽しみがある。身近にある幸せを家族で大切にしていきたい。

と、私のために作られたわけではない、甘いカップケーキをほおばりながら考えた。

お家にも幸せがたくさんある。

そして、おいしいは確実に楽しい。

長女もそう感じてくれていると嬉しい。












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