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ゲームの思い出

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日記の中からコンピュータゲームに関する話をピックアップしていきます。
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風の憧憬

1995年に発売されたゲーム『クロノ・トリガー』で流れる曲。YouTubeで検索すると、芋づる式にいろいろなアレンジがおすすめされる。どれも甲乙つけがたいが、この方のピアノがひときわ心にしみた。 ゲーム自体が名作と呼ばれている。時間を旅する物語はもれなく僕の琴線に触れるので、確かに面白かった記憶がある。けれど詳細を覚えていない。 比較的鮮明に思い出せるラスボス戦は、数年前に見た、知らない誰かのプレイ動画の映像だ。そして、これほど感情を揺さぶる「風の憧憬」でさえ、どんなシー

自称勇者

しばらく前に『葬送のフリーレン』でハンバーグが話題になっていた。ハンバーグはドイツの地名に由来するもので架空の世界に登場するのはおかしいとか何とか。そういうのは言い出すとキリがないので僕は気にしない。 それより勇者という言葉の使い方に引っかかる。フリーレンに限らず他の作品でも見かけるが、自分のことを勇者と呼ぶ主人公に違和感がある。 発祥は『ドラゴンクエスト』だと思われる。魔王に立ち向かう勇敢な者を周囲の人々が勇者と呼ぶのはわかる。が、シリーズ三作目で転職システムが導入され

鮮やかな朝焼けの映える朝、突然あいつの追撃が止まった

1987年のPCゲーム『イース』でラスボスを倒したあとに読めるメッセージの一文。ストーリーは正直よく覚えていないが、詩的で美しいこのフレーズは強く印象に残っている。 かなり古いゲームなので当然エンディングにムービーが流れたりはしない。最終ダンジョンであるダームの塔が朝日に照らされて浮かび上がるシルエットを背景にエピローグが語られるシンプルなものだったと思う。 朝焼けと追撃の対比に妙がある。主人公がボスを倒したおかげで魔物がいなくなったことを暗示していて、大きな脅威がついに

エリアチャット

ほとんどのMMORPGがエリアチャット機能を実装していると思う。このチャットを使用して発信されたメッセージは現在自分がいるエリア内の全域、もしくはある程度近くにいる他のプレイヤーたちに届く。状況にもよるが、だいたい10〜20人くらいが対象になる。 エリアチャットで交わされる知らない人同士の会話を見るのが好きだった。街の喧騒を聞いているかのような趣がある。自分でも意識的にエリアチャットを使うようにしていたが、それを快く思わない人たちもいた。 いつも同じ時間帯に同じ場所で話し

エアビートマニア

ビートマニアというリズムゲームの草分け的存在のゲームが好きだった。 Wikipediaによるとゲームセンターでは今でも毎年新作が発表されているようだ。僕は家庭用ゲーマーだったのでプレステ2に移植されたタイトルはすべて持っていた。が、引っ越しの際に専用コントローラとともに処分してしまった。 最近、YouTubeでプレイ動画を見たり聴いたりしているうちにまた遊びたい欲が高まっている。かといってソフトと専用コントローラを買い直すのも馬鹿らしい。そこで動画内の落ちてくるバーに合わ

終わる世界

世界の終わりを二度経験している。もちろん現実世界ではなく、架空の世界の話である。オンラインゲームは同じフィクションでも映画や小説とは一味違う。その世界には生きた人間がいて、同じ時間と空間を共有していた。 ひとつめはMaster of Epicだ。印象的なセリフのあるゲームとしても記事にしたことがある。 ハドソン社からの運営移管に伴う最後のイベントとして世界は終わりを迎える。もともと時間軸を行き来できる世界観であり、終末の後も引き続き「現在」を遊べるのだが、「未来」へ行けば

ラストエリクサー症候群

役に立たなくてもいいという話。 ファイナルファンタジーシリーズにはラストエリクサーと呼ばれる回復アイテムが登場する。主人公たちが全滅の危機に瀕しても、このアイテムを使うと一瞬で体力が満タンになって窮地を脱することができる。極めて有用なアイテムに思えるが、僕のゲーム人生では一度も役に立ったことはない。 ラストエリクサーはその効果が強力すぎるため、ゲーム内では使用回数が極端に限られている。もったいなくて使えないのだ。今まさに全滅しかけているとしても、これより厳しい本当の危機が

我、生きずして死すこと無し

嗚呼、斑鳩が行く・・・・ 斑鳩は2001年にゲーセンで稼働していた縦スクロールシューティングゲームとその自機の名称。難しくて僕は1コインだと2面のボスを倒せなかった。 ステージ間の演出で表示される文章がどれも詩的で美しい。中でも最も目にする機会が多く、ひときわ印象的なのがスタート直後のこのセリフ。 屈することなく理想を追い続ければ後悔して死ぬことはない、という意味だ。強い意志と覚悟が感じられる。ストーリーを知らずとも文章だけでもう熱い。 一行目の「我、生きずして死すこ

キミは、色んな可能性を持つ種だ

Master of EpicというMMORPGがある。前身であるResonanceAge時代を含めると20年以上も続いている老舗のゲームだ。僕はすでに引退しているが、このゲームをオープンベータテストから体験できたのは幸運だった。 MMORPGとしては珍しく成長システムにスキル制が採用されている。職業ごとに決められた特性をレベルアップで伸ばしていくレベル制のゲームに対し、スキル制はすべての特性の中から任意に選んだ特性を個別に強化していく。 職業の縛りがないおかげで剣と弓と魔

終わりの予感

リネージュ2 レボリューションというスマホゲームを6年前のサービス開始当初から長く遊んでいる。課金には一切手を出していない。 二つの陣営が相手の陣地を占拠する要塞戦が主なコンテンツで、人間同士がお互いに育てたキャラクターで戦う、いわゆるPvP(Player vs Player)である。また、課金要素がキャラクターの強さに大きく影響するP2W(Pay to Win)でもある。 P2Wにお金を注ぎ込むつもりは最初から全然なくて、 無課金でどこまで遊ばせてくれるのか お手並み

バランス厨が望む世界

ゲームの中で一部の武器が飛び抜けて強いとか、特定の職業(ジョブ、クラス)が性能面であからさまに有利だったりするとガッカリしてしまう。そういう面倒な性格を自認する人たちが自嘲気味に自分のことをバランス厨と呼ぶ。ネットスラングの一種で、語源は「バランスにうるさい中坊」みたいなことだろう。僕もその一人だ。 もちろんゲームなんだから勝利を目指している。RPGならボスを、対戦ゲームなら相手を打ち負かしたい。強い武器や有利な職はその目的に適う。それの何が不満なのか? 悩み苦しみたい

積みゲーの消化がさっぱり進まない件

コンサルナインという漫画で初めてジャムの法則なるものを知った。 ジャム売り場の品揃えが良すぎるとかえって売れにくいという話。反例もあるようなので話半分に聞いておくのが良さそうだが、身近なところに思い当たるケースがあった。積みゲーの消化である。 最初に積み始めたのは単純に忙しいからだったと思う。時間のあるときにやろうと思って興味のある新作はとりあえず発売日に買っておいた。忙しい社会人は得てしてお金を持っている。安売りセールの中に以前から気になっているタイトルがあれば購入しな

お金のためなら何をしてもいいと本気で思ってるの?

ファイナルファンタジータクティクスアドバンスで主人公の誰かが敵キャラに対して言ったセリフ。たしかメインシナリオではなく、ちょっとしたサブシナリオの中で無造作に放たれた言葉だったと思う。記憶頼りなので文言や状況は正確ではないかもしれない。 まあ、前後の流れはこの際どうでもいい。フレーズ単体で見ても十分な趣があるからだ。現実のいろんな場面で使えそうな汎用性もある。 はぁ? いいわけないよね? バカなの?正気なの? ど正論で詰められる感じがたまらない。これを書いた人は結構なS