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終わる世界
世界の終わりを二度経験している。もちろん現実世界ではなく、架空の世界の話である。オンラインゲームは同じフィクションでも映画や小説とは一味違う。その世界には生きた人間がいて、同じ時間と空間を共有していた。
ひとつめはMaster of Epicだ。印象的なセリフのあるゲームとしても記事にしたことがある。
ハドソン社からの運営移管に伴う最後のイベントとして世界は終わりを迎える。もともと時間軸を行き来できる世界観であり、終末の後も引き続き「現在」を遊べるのだが、「未来」へ行けばゲームの象徴でもある巨大城が地面ごと消失している光景が見られた。
世界が終わる直前にプレイヤーは別の未来への希望を託されて「現在」に戻ってくる。ハドソン社の運営が続いていればやり直すことができたのだろうか。
ふたつめのファイナルファンタジーXIV(FF14)もかなり特殊な事情で世界が終わっている。不評だった初期のサービスを根本から作り直すため、新生FF14への導入イベントとして世界の終末が描かれた。ゲーム画面の空に浮かぶ赤い月が日増しに大きくなっていく様子は鳥肌モノだった。
旧FF14のサービスが終わる間際、僕はたまたま居合わせた知らない誰かとゲーム内の崖の上に立っていた。
「終わりますね」
「ですね」
あっさりした終わり方だった。現実の世界が終わるとしても、案外こんな感じなのかもしれない。