自称勇者
しばらく前に『葬送のフリーレン』でハンバーグが話題になっていた。ハンバーグはドイツの地名に由来するもので架空の世界に登場するのはおかしいとか何とか。そういうのは言い出すとキリがないので僕は気にしない。
それより勇者という言葉の使い方に引っかかる。フリーレンに限らず他の作品でも見かけるが、自分のことを勇者と呼ぶ主人公に違和感がある。
発祥は『ドラゴンクエスト』だと思われる。魔王に立ち向かう勇敢な者を周囲の人々が勇者と呼ぶのはわかる。が、シリーズ三作目で転職システムが導入されたときに便宜上、勇者が職業名として扱われるようになった。
その不条理さも含めてゲームは楽しかったが、これを真に受けて後のフィクションが職業勇者を登場させるのはどうしてもモヤモヤしてしまう。
勇敢かどうかは気の持ちようであって、職能とは直接関係がないのだ。だから自称勇者は単に以下のことを表明しているだけに見える。
「私には人一倍の勇気があります!」
これから困難な冒険に旅立つであろう人が新卒の採用面接みたいなノリではちょっと心配になる。勇気を自負しているのは素晴らしいことだが、あんまり自分から言わないほうがいいのではないかと思う。