【ジョブ理論応用編#3】ジョブ理論脳トレ!注目のサービスを分析
最近、脳の鈍りを感じて焦っているINDEE Japan岡本です。
仕事もリモート、休日も基本的に近くのいつも行く場所での散歩や日常の買い物、ネットで選んだ食材を取り寄せて家で料理、毎日リアルで会話するのは家族と犬だけ.....なんてことをずっとしていたら、脳が鈍ってきました。
とても贅沢な悩みではあるものの、仕事でもいままでならあり得ないちょいミスもチラホラ......(社内のみなさんごめんなさい)。
これはダメだぁぁぁぁぁぁ!!!!!!
ということで、今回は、個人的に面白いと感じたサービスを4つご紹介して、それをジョブ理論で分析するという脳トレをやってみたいと思います。
わたしの “脳” 頑張って動いて~!!!
みなさんも一緒にジョブ理論脳トレをやって、脳を活性化させましょう!!
ジョブ理論とはなんなんだ!?という方は、以下の記事を読んでくださいね。
▶Zwift
■名称: ZWIFT
■サービス概要:バーチャルサイクリングサービス
ー注目ポイント
YouTubeでもZWIFTの動画が上がっていたりするので、知っている方も多いかもしれませんが、ZWIFTは、家庭にあるロードバイクの室内用トレーニング器具をインターネットに接続し、実際にペダルを漕ぐことでバーチャルなレースに参加することができるオンラインゲームです。“ゲーム” とはいっても、その実態は本格的なトレーニングツールになっていて、プロアスリートも日々活用しているトレーニングプラットフォームともなっています。
ZWIFTが面白いのは、自社ではシステムに必要なデバイスを開発も販売もしていないところです。ZWIFTは、様々なメーカーのデバイスを “ハック” し、ソフトウェア的に “ZWIFT対応” を実現することで、異なるメーカーのデバイスを使っているユーザーでもゲームに参加できるようなプラットフォームを形成しています。
ZWIFTのこれまで世界に存在しなかったサービスを作り出すにあたって、自らがビジネスを行うための新しい市場を "プロダクト開発" によって作り出すのではなく、 “ハック” によって作り出している興味深いサービスです。
ージョブ理論脳トレ
さぁ!ジョブ理論脳トレのお時間です!!
まずは、みなさんもHPや上述の "注目ポイント" をよく読んでくださいね。
では、実際にジョブ理論を使ってこのサービスの "ジョブ" "既存解決策の問題" "解決策の優位性" の3つを考えていきましょう!
・ジョブ
ロードレースやトライアスロンにシリアスに取り組む際に必要となるロードバイクトレーニング。目標としているレースまでに、持久力やペダリングなど必要な技術を身につけ、自分の力を最大限に引き出す戦術を考えるまでには、絶え間ない練習が必要となります。
・既存解決策の問題
ロードバイクで本気でトレーニングすると、バイク並みのスピードが出てしまうため、安全なトレーニング場所を確保する必要があります。
わたしの住んでいる海岸沿いの道路は休日になると多くのロードバイクに乗った人たちが走りに来ていますが、車側からするととても危ないですし、実際に接触事故も起きています。
交通状態・路面の状態・気象条件などが理想的な場所はどこにでもあるわけではありませんし、あったとしてもそこに移動するまでに時間も費用もかかってしまいます。
そうした課題に対応するために、エアロバイクなどの室内トレーニング器具も開発されてきましたが、そうした方法で "気持ちの張り" を維持して追い込んだトレーニングを行うことはなかなか難しいという課題があります。
・解決策の優位性
ZWIFTは室内トレーニングですので、場所や時間を問わずに安全に取り組むことができます。また "様々なコースへの挑戦" "レース" "記録が残る" "ソーシャル" というゲーミフィケーション要素をモチベーションを高めるために取り込んでおり、最後まで気持ちの張りを保ったまま追い込んでトレーニングを行うことができます。
▶Airtable
■名称: Airtable
■サービス概要:直感的なデータベース活用
ー注目ポイント
ExcelやGoogle Spreadsheetのスプレッドシート競争の上を行く、SaaSならではのデータベースも融合したソリューションです。"表計算" という言葉が死語になるとしたら、こういうソリューションなのかもしれません。せっかく存在する無限の計算資源を二次元に詰め込まず、データベースを表、カンバン、ガントチャート、カレンダーなど、簡単に色々な見せ方ができます。
ージョブ理論脳トレ
では、みなさんもHPや上述の "注目ポイント" をよく読んでください。
実際にジョブ理論を使ってこのサービスの "ジョブ" "既存解決策の問題" "解決策の優位性" の3つを考えていきましょう。
・ジョブ
"膨大に存在するデータを色々な切り口で整理したい" というジョブは仕事や生活の多くの場面で発生しています。デジタル技術が普及した現代では非常に普遍的なものですね。
・既存解決策の問題
表計算ソフトでは、大量データや複雑なデータを関連させて取り扱ったり、用途に応じて見せ方を自在に変えることには限界があります。また、データベースを扱うためには技術的な準備が必要で、誰にでも手軽に扱えるというものではありません。
・解決策の優位性
Airtableは、誰にでも扱うことができる表計算ソフトのような操作感を実現しつつ、これまではデータベースを使わないとできなかった、データ同士の関連の設定や用途に応じた見せ方の変化を拡張的かつ直感的に付与することができます。表計算ソフトにはなく、データベースにはある各種機能の利用について、スキル面でのハードルを下げることで広く支持をされています。
▶チャレンジ EQG-Ⅲ
■名称: チャレンジ EQG-Ⅲ
■サービス概要:緊急通報機能付き地震計
ー注目ポイント
チャレンジ社が販売しているEQG-Ⅲは、地震において大きな揺れの到来の前兆となる微細な揺れの到来を読み取り、通知する地震計です。
ユーザーが共同してコストを負担して、1つの会社が提供するサービスを享受するという中央集権的なビジネスのエコシステムがもてはやされている今日この頃、 "地震" と "通知" というキーワード聞けば、緊急地震速報システムを連想する人が多いと思いますが、このチャレンジ社には、そうした戦略の裏を行くからこそ生まれる価値を提供しています。
どんな戦略なのか、ジョブ脳トレで考えてみましょう!
ージョブ脳トレ
HPや上述の "注目ポイント" をよく読んでから、実際にジョブ理論を使ってこのサービスの "ジョブ" "既存解決策の問題" "解決策の優位性" の3つを考えていきましょう!
・ジョブ
チャレンジ社は ”揺れる前の10秒が命をつなぐ” という価値を掲げています。チャレンジ社の地震計は、大きな揺れの到達に未然に備える時間を作り出すことで "地震から命を守る" という非常に重要度が高いジョブに取り組むことを助けています。
・既存解決策の問題
地震の到来を未然に知らせる仕組みとして、日本では緊急地震速報がよく知られています。しかし、緊急地震速報は全国の要所要所に設置された地震計から集めた観測データを用いて通知を行う仕組みのため、直下型の地震では揺れる前の通知が間に合わない場合があります。病院 ・ 学校 ・ 工場というようなわずかな通知時間の差が生死をわける可能性がある場所ではこれは大きな課題です。
また、緊急地震速報のようなシステムを構築し運用していくためには数百億円もの投資が必要となるという課題もあります。そうした公共投資が難しい国では、地震の到来を通知するシステムにはより確かな需要があります。
・解決策の優位性
チャレンジ社の地震計を用いれば、病院・学校・工場のような、とくに地震のリスクが高い場所に直下型地震に対応するための ”命を守るための数秒” を作り出すことができます。また、巨額の公共投資が難しい国では、直下型地震以外の地震の発生通知も含めて対応ができる方法としてより大きな価値を発揮します。
▶otter, deepl
■名称 / URL
otter
deepl
■サービス概要:文字起こしと翻訳の自動化
ー注目ポイント
最後は、より身近な言語関連のサービスを2つご紹介します。
会話の文字起こしや機械翻訳などのツールはAI技術の急速な普及を基盤として精度が加速しています。従来はGoogleなどによって誰でも使えるようにサービス化はされてはいたものの、アウトプットにはかなりの手直しが必要で、結局人の手で翻訳をしたほうが効率が良いと感じることが多かったです。
しかし、 "会話や動画・音声ファイルから自動的に文字起こしを行うotter" や "ソーシャルに学習をおこなって成長するAIを活用した高精度機械翻訳である DeepL" を使ってみると、いままでの印象とは違ってとても使いやすい印象でした。
ージョブ理論脳トレ
さて、最後の脳トレです。
疲れてきた脳を叩き起こして、HPや上述の "注目ポイント" をよく読んでから、実際にジョブ理論を使ってこのサービスの "ジョブ" "既存解決策の問題" "解決策の優位性" の3つを考えましょう!
・ジョブ
企業では、何かと情報をまとめるという業務が付きまといます。議事録を作る、イベントの参加報告を行うといった業務などは多くの人が一度は経験すると思います。特に外国語で行われた講演を人に伝えるための文字起こしが一番苦労する!と思うっている方は多いかもしれません。英語がそこまで堪能でない場合、リスニングだけでは苦しいので録音して後で何とかまとめようという流れで取り組んでいるかもしれません。この手間を減らしたいというジョブは昔から今もなお残るものでした。
otterとDeepLを組み合わせるとそうした翻訳のジョブを機械的に解決できます。(otterで動画や音声から自動生成したテキストファイルに対して、deeplを用いて機械翻訳をかける)
・既存解決策の問題
外国語の音声を日本語に文字変換する時には、外国語の音声を外国語の文字にする、次にその外国語を日本語に翻訳するというステップを踏みます。ところが従来のツールは精度がイマイチで手直しが多く発生し、工数が発生するという悩ましさがありました。この時間を自分で確保できなかったり、期限がタイトな場合は、コストを掛けて翻訳家・専門家へ依頼する場合もあるかもしれません。
・解決策の優位性
文字起こしのOtterと翻訳のDeepLはどちらも精度が高いことが特徴です。これによって音声データ→Otter(文字起こし)→DeepL(翻訳)で日本語らしい文章に変換してくれます。少しマニアックな単語は手直しも必要ですが、それもAI学習を重ねることで改良されることが期待されます。
実際に、コロナ禍によって海外カンファレンスが軒並みオンライン化したため、オンラインカンファレンスにいくつか参加したINDEEメンバーも、時差があるのでライブでは参加せずに配信されているビデオを2つのツールで日本語変換し、ストレスなく内容をキャッチアップできたと喜んでいました。
この2つの技術が連携すると、ビジネスだけではなく、海外のTVやライブ動画を精度の高い同時通訳を体験でき、一部の話せる人だけではなく多くの人が海外の情報を身近に楽しめる日も近づくかも⁈と期待しています。
▶まとめ
いかがでしたか?
使ったことがあったり、知っているサービスはありましたか?
INDEEメンバーに、ほんの少し (?) 手伝ってもらった今回のジョブ分析でしたが、それでもいつも怠けていた脳がびっくりし過ぎて、記事を書いた後にはグッタリしてしまい、脳にケーキというご褒美の糖分をあげました。(笑)
何気なく自分が利用しているサービスや、見聞きするサービスを、ジョブ理論を使って分析してみると、他のサービスとの違いや今後期待できそうなところが見えてより面白味を感じますね。
これからも一緒にジョブ理論をバシバシ使っていきましょう!
では、また次回お会いしましょう👋
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