【助成先紹介】自らの経験を元に食の選択肢を増やすことに奮闘する高校生
インクラインファンド事務局の江口です。前回紹介した木津高校生活探究コースさんに引き続き、助成先を紹介いたします。※今年度の募集は終了しました。
今回は、まちづくり・ほっとけないこと実践部門にご応募いただき見事採択となったPAKPAKさんの活動内容や思いについてお聞きしました。
Q.PAKPAKさんはどんなチームですか?
食の選択肢を増やすというテーマで活動している高校3年生の3人チームです。
カロリーを気にせず手に取りやすいグルテンフリーのスイーツを作り販売しています。私たち自身、3人ともチアリーダー部に所属していたこともあり、体重管理が大切でした。スイーツも毎回カロリーを気にしながら手に取るようにしていました。そこで、ダイエット中の方や糖尿病の方が少しでも食の選択肢を広げられるようにしたいと思い活動を始めました。具体的には、酒粕と米粉を使用した、ダイエット中の方やグルテンフリーの商品を求めている方が手に取りやすいスイーツ(カヌレ風ブリュレケーキ)を開発し、イベントで販売しました。
Q.開発した商品について教えてください。
酒粕と米粉を使用したカヌレ風ブリュレケーキというスイーツを開発しました。元々は酒粕の風味を活かしてチーズを使わないチーズケーキを目指していました。ただ、試作していく中で味の印象がカヌレに近いことに気づいて、カヌレ風ブリュレケーキとして販売することにしました。
Qなぜ酒粕と米粉に着目したのですか。
酒粕は飲む美容液を呼ばれるほど、栄養価も高い食品でありながら、食品ロスの多さが問題になっていることを知り、活用したいと思い、使用しました。酒粕を使用した商品は市場に既にあることから、グルテンフリーの米粉と掛け合わせることでより価値の高い商品を作りたいと思い、米粉と酒粕を掛け合わせたスイーツの開発に着目しました。
Q.インクラインファンドで得た資金はどのように活用しましたか。
カヌレ風ブリュレケーキの材料費や作っていただくカフェに支払う委託費用、パッケージなどの作成に使用しました。
初めは味が一番大切だと思って商品開発に力を入れていましたが、目に入った時に気になって手に取ってもらうためには、味だけでなく、パッケージやネーミング等にも気を使う必要があることもわかりました。決めるために3人で時間を掛けて話し合えた時間は大切なことだったと思います。
Q.企業さんとのコラボで大切にしていたことは何ですか?
自分たちの思い描いているプロジェクトにしていくことを大切にしました。初めての企業との話し合いではどう進めていけば良いのかわからず戸惑うことも多かったのですが、企業さん側が積極的に案を出してくださったので、私たちも同じように積極的に発言していく事で自分たちの作りたいものを伝えることができました。
また、私たち自身がチアリーダー部でカロリー等に気を使った食生活を送っていた事もあり、美容やダイエットの当事者としての意見も大切にしていました。
Q.カヌレ風ブリュレケーキを広めていくためにどんなことをしましたか?
9月に学校の文化祭で、12月にみやこめっせで開催されたイベントで販売を行いました。
結果は、文化祭では販売開始1時間で完売、12月のイベントでは120個中117個販売することができました。買っていただいた方からは、酒粕の風味がかなり強いという感想や、グルテンフリーの商品はまだまだあまり無いので、こういった商品が増えてほしいというお声をいただきました。
ただ、文化祭では男子学生が、みやこめっせでは比較的年齢層が高い方に買っていただくことが多かったです。ダイエットをしたい方やグルテンを気にしておられる方に届けることの難しさも同時に感じました。
Q.販売で工夫した点について教えてください。
一目見て面白そうだと思ってもらうために、大きなポスターや酒粕の魅力がわかるチラシ等を作成しました。酒粕とグルテンフリーという他にはない掛け合わせをアピールしました。若い世代に馴染みの少ない酒粕を使用した商品をどうやって若い世代への需要に繋げていけるか、かわいい包装等を工夫しました。
また、9月の文化祭では販売の列が長くなり、待たせてしまうことがあったという反省点から、12月のイベントでは待っていただいている間に試食できるようにする等工夫して準備しました。
Q.チームで活動する中で工夫していた点はありますか。
企業さんにメールを送るときは、先生に毎回確認してもらうなどマナーにも気を付けていました。
役割分担をして、メンバーの中で得意なことができるように、文章などを書く人、デザインなどを担当する人で分けていました。また、デザインについては、得意なメンバーが引き受け、canvaで作成していました。一目見て面白そうだと思ってもらえるように、凝ったデザインを作成しました。カヌレ風ブリュレケーキの味はもちろんキャッチコピーやデザイン、販売場所等様々な要因が売り上げに繋がるため、みんなで話し合い、試行錯誤した時間はとても大切だったと感じています。
Q.今後の展望について教えてください。
今回の活動では、各イベントにてカロリーの低さや酒粕の美容効果などに魅力を感じていただき、完売することができました。ただ、小麦粉アレルギーの方やダイエットをしている方等の狙っていた層へ届けることができたかは定かではないという反省点もありました。
今後は、この商品を広めていくために高校だけで終わらせず、大学に進学した後も続けていきたいと考えています。そのために今は、どうすれば消費者のニーズに届くかなどを考えてプロジェクトでの活動をより具体化していく検討を始めています。
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食の選択肢を増やすための活動をしているPAKPAKさん。今回ご応募いただいたまちづくり・ほっとけないこと部門では、ダイエット中でも小麦アレルギーでも手に取りやすい酒粕と米粉を使用したカヌレ風ブリュレケーキの販売で見事採択になりました。メンバー皆さんの経験から作られた熱い思いのこもった商品を広めることに力を入れるPAKPAKさん。PAKPAKさんの開発した商品が身近な存在になる将来が楽しみです。
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