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【戦国の陣形】 読書#137

みなさん、いつもお世話になっております!
本日は、私の投稿の軸とする一つ「本」「読書」に関して書かせていただきます。

自己紹介に書いたマイルールを守りながら、私の大好きな本について書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします!

今回は、ざっくり言うと歴史です。
タイトルにある通り「陣形」について。

ヘッダーは、kikuzirouさんの作品を使わせていただきました!
ありがとうございます!!


目次


基本情報

乃至(ないし) 政彦 (著)
講談社 出版
2016年1月20日 第1刷発行

全204ページ
読書所要期間 3日

本書も、バリューブックスさんで購入しました!

私が本書に出会うきっかけ

これは、なぜ手に取ったのかを忘れてしまった・・・汗笑

しかしながら、「陣形」というものに興味があるということは、紛れもない事実である。

・形によってそんなに効果が違うのか?
・違うとすれば、どの様に違うのか?
・とは言え結局、人々が入り乱れる訳だから、そんなに関係ないのでは?

この辺の疑問を明らかにしたいと思ったに違いない。

私が思う、この本の本質

日本の中世における軍事史、いわゆる戦国時代における武士等が組織された軍に関するあり方やその働きなどは、実のところ研究が乏しい分野らしい。

そこで、その分野に関心の強い著者が、その分野のさらにニッチで気になる分野である陣形について、その変遷を踏まえてまとめることでこれを明らかにしていく。
加えて、この一連を通して歴史研究の意義についても再考していくというもの。

研究が少ないからこそ、現代までにこの分野に明るい人が少なく、事実でないことが広まっているという点についても鋭く切り込んでいく。

私が感じたこと

陣形の効果

本書は、律令国家形成の時代から江戸時代にかけて、順を追ってその時々の状況を紐解いていく。

序章と終章を除けば、本書は6章立て。
その前半の三章は、言うなればまだ陣形の無い時代のお話となる。
これはなんとも衝撃的事実。

文献には、チラホラと陣形の名前が出てくるのだが、おそらく結果論として陣を形成したとするものや、後の時代に後付けされたものが多いというのが著者の見解である。

本格的に導入されたのは、いわゆる戦国時代の武田信玄上杉謙信あたりが最初だったのではないかということ。
武田と上杉の凄さを改めて感じるところではあるが、一方で「織田でないだ・・・」という衝撃もある。

その効果というものは、言うなればその武田と上杉の時代までは、概ね無かったと言って良いのだろう。
どうやら陣形というものが、組織だって、戦略的に用いられていなかった様である。

むすびに(まとめ)

本書は、上述のとおりニッチな部分にフォーカスした内容と言えるだろう。
しかもそのニッチな部分とは、これまであまり研究されてこなかった分野。
まぁ、ニッチだから少ないと言えるのだろうが、そこを敢えてチャレンジするという著者の取り組みは、非常に大きな意義を持つものだろうと思う。

歴史とは、過去の出来事であり、現代において戦国の世のように陣形を用いた戦争はあまり起こらないのかもしれないし、現代の戦争に活かされる部分が今後図らずも見つかるのかもしれない。

どうなるかわからないし、それが良いのかどうかもわからないが、その時代その時代の、様々な国々の、様々な人々の、様々な行い一つひとつがパズルのピースのように現代に知見として見出されていくこと、再発見されていくというこの積み重ねが、平和で豊かな未来への重要な一歩であり、これこそが歴史を学ぶ意義・研究する意義であるように私は思う。

その研究されていないニッチな分野が明らかになるという意味での意義も当然ながら、このピースがまたひとつ見つかる、そのスペースが埋まるということが、そのパズル全体、つまり未来を想像し見渡すための非常に大きな行いなのだと感じた。


本書を通して、当時の人々はやはり中国での先行研究・選考事例をもとに、なんとか自国でも取り入れようと勉強していたということがわかった気がします。
では実際問題、中国ではこの陣形をどの様に活用していたのか、そしてそもそもどの様にして編み出したのか。
次なる問いが、私の中に生じた気がしています。
果たしてここに繋がる文献に、私はこの先出会うことができるのか?
大いに楽しみです!

本日も、ご覧いただきありがとうございました!!

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