【書評】心配事の9割は起こらない | 枡野俊明
--この記事は、こんな人におススメ------
・心配性
・ネガティブ思考が強い
・周りがうらやましく見える
---------------------------------------------
こんにちは。
あなたは、心配事や悩み事が多いほうですか?
「もしかしたら、こんなことが起きるかもしれない」と起きてもいないのに必要以上に心配してしまう。
そんな経験は誰しも1度や2度はあると思います。
私も心配性な方で、ありもしないことで悩んでしまい疲れてしまうことがありました。
性分なので、この性格全てを変えることは無理なのかもしれません。
しかし、ちょっと考え方を変えることで心配なものを減らすことは出来ると思っています。
本書では禅の言葉や中国の故事を用いて、心配事の9割は無駄なことだと教えてくれます。
【心配事の9割は起こらない】から得られるもの
人が心穏やかにすごすにはどうすれば良いのか。
ヒントとなる考え方や言葉が数多く紹介されています。
その多くは禅やお釈迦様の言葉です。
今回は3つに絞ってご紹介したいと思います。
***「いま」を大事にする***
私たちが生きているのは「いま」です。
過去の過ちを悔いても修正することはできないし、未来のことを心配し過ぎても意味はありません。
一番大事なのは「いま」この瞬間です。
そこを疎かにしてしまうと、どんなに努力しても未来がいいものにはならない。
著者は次のように書いています。
私たちには「いま」をどう生きるしかないのです。
P.17より引用
未来のことは誰にも分かりません。
それをアレコレと心配するよりも「いま」を精一杯に行動してみませんか?
そして、やり切った! と胸を張って言えるような行動を心がけたいですね。
***先入観を捨てる***
先入観を捨てるのは意外と難しいですよね。
例えば、初めて会う人に対して、気難しい人だという情報を入手すれば、人柄がどんなに良くても「気難しい人」で終わってしまう。
厄介なことに先入観はネガティブな方に働きやすい。先入観を排除することで、その人の本当の姿が見えてきます。
禅では「色眼鏡をかけない」という言い方をします。
P.36より引用
色眼鏡という言葉は禅からきていたのですね。知りませんでした。
先入観があるばっかりに人脈が狭くなってしまっては損です。
色眼鏡はずして、その人の真の姿を見る努力をしていきたいと思います。
***朝を大事にする***
1日の始まりである朝。
それを疎かにする人が1日を有意義に過ごせるはずがありません。
出勤や通学の時間ギリギリまで寝ており、朝飯も食べずに職場や学校へ。
午前中はなんだかやる気が出ず、空腹で集中できない。
なんとかやる気が出てきたと思ったら夕方で終業や帰宅時間。
こんな悪循環を繰り返していては、体にも心にも悪影響を及ぼしてしまいます。
著者も朝の大切さを次のように書いています。
一日二四時間を主体的に使い切るカギは朝にあります。
P.65より引用
色んな研究結果からも分かるように、早寝早起をすることで生活リズムが整い、やる気や気力がアップするようです。
早起きして、資格の勉強や趣味の時間にする朝活も人気です。
1日の始まりである朝。
今まで以上に意識して大事にしていきたいですね。
本書の概要
心穏やかに生きるためのヒントを得る事ができます。
日々、生きていれば腹が立つことも、まだ見ぬ将来が不安でたまらないといった様々なことがおこります。
しかし、その全てに反応していては、あなたらしく生きることはできない。
そんな毎日を少しでも変えて、自分らしく楽しく生きるのが最終目標。
著者が住職ということもあり、禅の言葉を引用して教えを説いてくれます。
個人的には法話、説法を聞いている気分でした。
サブタイトルにもありますが、私たちはとても複雑な社会に生きており、モノなどを持ちすぎているとのこと。
それが執着や嫉妬、欲に繋がって生きにくくしているそうです。
断捨離という言葉が流行りましたが、物を捨てたり整理することで、心も整理されて清々しく毎日を生きることができるようです。
本書のなかで好きな言葉がありましたので、紹介させて頂きます。
「起きて半畳、寝て一畳。天下取っても二合半。」
例え、天下を取ったとしても、起きてるときは半畳、寝ているときは1畳もあればことがたりる。
1度に食べられるのは、せいぜい2合半がいいところだろう。
おごることなく、つつましく生きなさい。
という教えが詰まってると感じが心に響きました。
今の時代はなかなか難しいのかもしれませんが、実践できれば、人間らしい心豊かな生活ができるのでは?と思いました。
著者について
著者についても触れておきましょう。
曹洞宗徳雄山建功寺住職の枡野俊明さんです。
庭園デザイナーでもあり、多摩美術大学環境デザイン学科の教授も務められています。
庭園デザイナーとしても国内外から高い評価を得ており、多くの賞を受賞されているそうです。
その作品には「禅」の想いが込められており、見る人の気持ちを癒し安堵させてくれるのでしょう。
住職だけでなく、庭園デザイナーや教授、執筆活動など非常に多くの才能をお持ちの方です。
まとめ ~心配のしすぎは、心にとって毒~
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
いかがだったでしょうか。
読み終えて感じたことは、誰しも同じような悩みを抱えているんだな。ということ。
自分自身に不幸なことが起こると、
「なんで、私ばっかりこんな目に合わなきゃいけないんだ。」と思ってしまいがちです。
しかし、周りも同じ人間。
同じような悩みを抱えています。
それを表に出さないだけ。
周りも同じようなものなんだな。という心持ちで日々を過ごすだけでも何かが変わってくると思います。
ここで、ポイントのおさらいです。
・「いま」を大事にする
・先入観を捨てる
・朝を大事にする
得られるものの中でも紹介しましたが、色眼鏡はなるべく外していきたいと改めて感じました。
それでは、失礼します。
おまけ:本の情報
タイトル:心配事の9割は起こらない
著者:枡野俊明
ISBNコード:978-4-8379-2508-8
発行日:2013年9月5日
発行所:株式会社三笠書房
目次
はじめに
第1章:さっさと減らそう、手放そう、忘れよう
第2章:「いま」できることだけに集中する
第3章:「競争」から一歩離れると、うまくいく
第4章:人間関係が驚くほどラクになるヒント
第5章:「悩み方」を変えると、人生は好転する