全人類に体験してほしいので書く
拝啓、全人類へ
主催イベントの告知、というモチベーションではもはやなく、表題通り全人類に推したい体験があるので、書く。
主催が言っても訝しいかもしれないけれど、誇張なしで「世界認識が変わるレベルの体験」が、このフェスティバルにはある。
肥沃な畑の土を片手でひと掬いすると、その土の中にはいくつの微生物たちが住んでいるか?
その数は地球の総人口をゆうに超える。
畑とはもはや宇宙であり、農業とは宇宙を司る。
「Mud Land Fest(マッドランドフェス)」は40年以上に渡り独自の有機農法で有機野菜を育ててきたレジェンド農家、齊藤完一さんの畑をお借りして開催する、通称”泥フェス”。
泥まみれになりながら最高の音楽と野菜を味わえる。
天文学的数字に及ぶ、微生物たちの宇宙に融ける感覚は、とても言葉では伝えきれないのだが、これまでの参加者の感想や、アフタームービーを通して、まずは少しでもその魅力を受け取ってほしい。
Mud Land Fest2018 アフタームービー
Mud Land Fest2019 アフタームービー
想像してみてほしい。
夏晴れの青空、澄んだ空気。
40年以上の歳月をかけてつくられた肥沃な畑に裸足で足を踏み入れる。
干したての羽毛布団より柔らかい、耕したてのふかふかの畑に足が埋まる。
畑のステージではパーカーションの生音ライブが繰り広げられ
異国のような装飾と音で「マッドランド」という異世界へ一気に没入する。
(上記は出演が決定しているラセーニャスのLIVE映像)
ふかふかの土の感触を楽しみながら進むと、三つ星レストランにも卸されているブランド有機野菜を、その場で収穫できるエリアがある。
採れたてでしか生で食べられない、極甘の白いとうもろこしや、野菜本来の滋味が溢れるにんじん、などなど、その場で収穫して、そのままいただく。
その美味しさはきっと野菜の概念を覆す。
フロアに広がる泥プールに近づくと、少しずつ足の感触が変わっていく。
太陽光で適温になった泥プールに足を踏み入れる。クリームのように肌に吸い付く極上の土に包まれる感覚は、えもいわれぬ心地よさがある。
少しずつ、全身を大地に埋めていくと、軽やかな諦念と共に、地球や宇宙といった大きな存在と一体になっていく感覚が現れ、心が身体から解き放たれる。それは形容し難いほどの、安心感にも繋がる。
畑の野菜たちと同じ目線になると、自分自身が自然の一部であることがはっきりと分かる。
その輪廻の中に確かに居る穏やかさは、SDGsなどの課題の啓蒙を超え、共同体としての感覚が強く芽生えてくる。
ライブステージでは泥ヨガも行われる。深く穏やかな呼吸とムーブで、自然と身体のリズムが調和していく。
特に最後のシャバーサナー(屍のポーズ)はここから離れたくなくなるほどの心地よさ。
フェスティバル会場には野菜以外にも地域の美味しい食事を提供するキッチンカーや出店が並んでいる。美味しい食べ物が溢れていて、オーガニックなドリンクやビール片手に大自然の中でハッピーな音に身体を揺らせれば、それだけでもう最高。
出店には毎年大好評な五右衛門風呂や、テントサウナで芯から身体を温めることもできる。
たくさん食べたあとは、天然の白い粘土で歯磨きや足湯もできるオーガニックっぷり。
もちろん泥を洗い落とすシャワーも、更衣室も完備。
マッドランドで最も会ってほしい人がいる。それがこの農地の主にして、40年以上有機農法を続けてきたレジェンド農家、齋藤完一さん。
酒と女と孫をこよなく愛する完一さんだが、土への愛も尋常ではない。愛しすぎて食べてすらいた。
御年70を超えて、誰よりも先に泥プールに入るし、誰よりも遊ぶ。誰にでもフラットで、ユーモアがあり、時に本当に大事なことを静かに語る。
ここの農地の一部はMud Landのためだけではなく、幼稚園の運動会や、農育など様々な用途に開放している。彼は丹精込めた土で、野菜だけでなく、人も育てていると思う。
ここの土は、化学的なものを一切入れず、コーヒーかす、稲わら、オカラ、酒粕、出汁ガラなどを毎日かき回し、約1年かけて作る自家製の植物性堆肥を一作終るごとにすき込んで、完成する。
40年の蓄積により作られたここの土は、微生物に溢れ、塗るだけで肌もツルツルになり、体の中から力が湧いてくる。
完一さんの人生をかけた作品とも言うべきこの極上の農地に触れ、そこで育った最高の野菜を最高の状態で食べ、彼と出会う、マッドランドは齋藤完一という男を五感で味わう体験とも言える。その魅力を味わってほしい。
今年は最後の収穫祭
Mud Land Festはそもそも、農家と都市を直接繋ぐ活動をしていた富松さんという方と自分が出会い、やりたいことを話していたら完一さんの畑をご紹介いただき、3者で話す中で共通する文脈が見えたことがきっかけだった。
3者とも安心安全な生産だったり、エシカルな消費だったり、民主的な文化創造だったり、いわゆる社会問題の解決に向けて動きつつも「まず楽しい、まず美味しい」そういう普遍的なことを大事にしていたことが1点。
そして農業が、地球環境だったり、子供の教育だったり、社会で蔓延る様々な不循に対して、とっかかりになるような可能性を持つことを信じていたこと。
Mud Landという仮想の国は、楽しくて、美味しくて、持続可能で本質的な、僕らの求める文化を現実に現したものだ。
「人生最高の体験だった」という声も多いMud Land Festだが、今年2024年7月21日の開催を以て、中締めとなる。
完一さん含め会場農家の高齢化により作業負担が重くなってきたことや、金銭的な課題などの理由によるが、ネガティブな理由というよりも、ここでひとつ完成へと持っていきたいという想いが強い。
Mud Landはこれまで、富松さんと共同オーガナイズしていた回もあれば、自分が中心となりオーガナイズしていた回もあるし、これまでスタッフをしていた東内くんにオーガナイザーを引き継ぎ、ほぼ任せていた回もあり、チームとしてそれぞれのライフフェーズにあわせて運営体制が変わってきた。
その中で最後は自分が中心となり手がける3回目の開催となる。自身でプロデュースするフェス企画は3年区切りで終わらせていることもあり、ここでしっかり完成させ、終わらせる。
今年は完一さんの孫のソウマくんも運営に入ってきて色々と動いてくれていて、これまでのMud Landで育んできた果実を収穫するには絶好のタイミングとなる。
先日は、皆で畑に行って、当日収穫できるように種まきをしてきた。
最終回は、1人1人に最高の体験をしてもらえるよう、限定先着200名での開催となる。
収穫の喜びと切なさを、フェスの最終回に重ねて、これまでで最高のMud Land Festを共に実らせ、共に収穫し、共に祝おう。
この体験はきっと、人生で忘れられない原体験になるはず。
開催概要
日時:
7/21(日) 11:00~16:00
(雨天決行、荒天延期)
延期日:7/28(日)11:00~16:00予定
場所:
たがやす倶楽部(斎藤完一さんの畑)
千葉県山武市横田689
出演アーティスト:
【LIVE】LA SEÑAS(ラセーニャス)
【LIVE】ラビラビ
【LIVE】???
【DJ】アメミヤユウ(Mud Land Fest 共同主催)
【DJ】KAGUYA(Mud Land Fest 共同主催)
【YOGA】IKUYOGA
【LIVE KITCHEN】ソウダルア
【DECO】玉様祭壇
【STAGE】WO-un
and more…
アクセス方法:
①新宿から会場までの大型送迎バス(先着90枚限定)
(※【新宿駅↔︎会場】バスチケットをチケットページにてご予約ください)
*大型バスは下記のスケジュールにて1往復便のみとなります。
【往路】9:00発⇨10:30会場着
【復路】18:00会場発⇨19:30着
集合場所:新宿駅西口工学院前
②自家用車で来場(先着45枚限定)
(※駐車チケットをチケットページにてご予約ください)
③JR総武本線「八街駅」よりマイクロ送迎バス(先着108枚限定)
(※【10:00八街駅発↔︎17:30会場発】マイクロバスチケットをチケットページにてご予約ください)
※八街駅は会場最寄駅となります。
・マイクロバスは下記のスケジュールにて2往復便となります。
【往路①】10:00発⇨10:15着
【往路②】10:30発⇨10:45着
【復路①】17:30発⇨17:45着
【復路②】18:00発⇨18:15着
※ 10:00八街駅発↔︎17:30会場発のチケットが売り切れた場合のみ、10:30八街駅発↔︎18:00会場発のチケットを追加販売いたします。
入場チケット:
チケットにはすべて入場料金+農園有機野菜収穫体験が付いています。
(小学生以下は無料でご入場いただけます)
前売りチケット ¥6,500 (先着順枚数限定の一般チケットです)
当日券 ¥7,500(前売りチケット完売の場合、当日券はありません)
交通チケット:(交通チケットの販売締め切りは開催1週間前までです)
【新宿駅↔︎会場】バスチケット 限定90枚 ¥4,500 (往復料金)
【八街駅↔︎会場】バスチケット 限定108枚 ¥2,000(往復料金)
駐車チケット(1台1枚)限定45枚 ¥3,500
持ち物:
それぞれ必須ではないですが、快適に楽しむ為にあると良いものを共有します!
☑️水着/汚れてもいい服
☑️着替え
☑️サンダル
☑️タオル
☑️ゴーグル(泥が目に入るのを防ぐ用)
☑️日焼け止め
☑️小銭入れ
☑️スマホ用防水ケース
ぜひ持ってきて欲しいもの:
☑️マイ箸
☑️マイ皿
☑️マイコップ
Mud Land Festはできるだけ使い捨て容器を使わず、食器類はご持参いただき洗って使いまわしていただく文化を推奨しています。
各ショップの使い捨て容器を使う場合、通常より料金が加算されますので、ぜひお持ち込みください。
よくあるご質問:
・シャワーや着替え場はありますか?
-複数の簡易シャワーと泥を洗い落とすプール、男女別の着替え場がございます!
・クロークやロッカーはありますか?
-クロークやロッカーはないため、着替え場にて自己管理をお願いいたします。大きいお荷物もそちらに置いていただけます。
・一人で行っても大丈夫ですか?
-もちろん大歓迎です!毎年お一人でいらっしゃる方も大勢います!
・出店はどんなものが並びますか?
-現在応募受付&選定中です。決定次第お知らせいたします!
・子どもを連れて行っても大丈夫ですか?
-お子様連れでも大丈夫です。小学生以下は入場無料です。 滑りやすい場所もございますので、安全管理は保護者様の方でしっかりとお願いいたします。
・送迎バスは片道のみ購入可能ですか?
-恐れ入りますが往復チケットのみとなります。
・収穫した野菜は持って帰れますか?
-販売している野菜以外お持ち帰りはできません。新鮮なうちにその場でお召し上がりください!
・泥まみれにならないでも大丈夫ですか?
-もちろん大丈夫です!
ふかふかの畑のままのエリアもありますので、そちらでもお楽しみいただけます。
・泥は肌荒れしませんか?
-化学肥料を一切使わない有機農法でつくられた土は、肌荒れしないどころか美肌効果も抜群。肌に塗れば日焼けも防げます。
・会場近くになにがありますか?
-車で5分の場所にコンビニがあり、もうしばらく走ると酒々井温泉もあります。
・テントは建てられますか?
-テントの設営は原則不可です。前泊、後泊は周辺の宿泊施設をご利用ください。
・オリジナルグッズは販売していますか?
-会場限定オーガニックTシャツやステッカーを販売予定です。
おわりに
このフェスティバルの魅力が伝わらないまま終わってしまうのが怖い。
呼ばれている気がする人は、その直感に従って欲しい。
今の時代、イベントに行かない理由なんて100以上ある。
いくらでも、新しい体験から自分を避ける言い訳がある。
家でネトフリ観てるだけでも十分楽しいし
街にはコンテンツが溢れているし
知らない場所に行って、泥だらけになるのはちょっと勇気がいることだと思う。
でも、世界認識が変わるレベルの体験、という冒頭の言葉は決して誇張していない。体験しないとわからないことではあるから、いくら綴っても蛇足かもしれないけれど、信じてほしい。
何のために人生があるのかは分からないけれど、もしかしたらこの体験の最中に「まだ生きててよかった」って思える瞬間がやってくるんじゃないかと思っている。
あらゆる生命は皆いずれ、土に還る。
微生物たちに分解されて、骨になる。
ここの土に埋もれていると、ふと自分が白骨化していくイメージが浮かんだことがあった。
それは恐怖ではなくて、むしろ安心感だった。ちゃんとここに還っていけるのだという、安心感。
人というよりは植物側の視点になる非日常な体験は、そんな不思議な感覚も呼び起こすかもしれない。
とにかく、愛すべきこの土地でできる最後の機会。
呼ばれた気がする人、この記事をここまで読んでくれた人、ビビッときたものあれば、その直感に従って、マッドランドへ来てほしい。
待ってます!
「こんな未来あったらどう?」という問いをフェスティバルを使ってつくってます。サポートいただけるとまた1つ未知の体験を、未踏の体感を、つくれる時間が生まれます。あとシンプルに嬉しいです。