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晩ごはんをタスクにすることをやめて、小料理屋スタイルにしてみました


クレヨンで描いてます。冬のネギです。

ネギはフライパンでじっくりと焼きます。
焦げ目がつくまでジリジリと、中身はトロッと。
それを熱いうちにぽん酢醤油と柚子胡椒、柚子の搾り汁を混ぜたものに漬け込みます。
出来たても、時間が経って味が馴染んだものもまた美味し。

これは「柚子」のつもり。

柚子の美味しい季節です。
大根の酢の物を柚子の搾り汁でつくりましょう。
大根は千切りに。
柚子の皮だけこそげ取って刻み、中身はギュッと絞ります。
酸味が足りないので私は少しお酢を足します。

生まれて初めてわさびを描いた気がする


生ワサビをいただきました。
これをおろしてタコに和えます。
白だしをチョロっと垂らすと出来上がり。

これ、先日実施された我が家の「夫婦飲み会」に並べた品です。
7歳と5歳の子どもがいますが、心がけたのは「子どもに媚びないメニュー」。ここで発見がありました。

ほろ酔い気分で気づいたのは、素材ってそのままごはんになるなあということ。料理がタスクじゃなくなれば、誰か(主に子ども)に媚を売ろうとしなければ料理はとっても軽やかで楽しいってこと。この素材をどうしちゃおうかと考える時間はシンプルにとっても楽しい。

ネギの美味しいところ。
わさびが引き立つシチュエーション。
季節のほろ苦さ。

時々そんなものにハッとします。メイン料理がなくったって、ちょっとした1品が並んでいくとこれはこれで贅沢だなぁと。これぞ小料理屋スタイル。

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仕事して、子どもたちと向き合って、なもなき家事をして。そんな家事をしながら仕事して。
いざ晩ごはんをつくる段になったとき、私の余力はもうわずか。そんなことはザラなので、素材の声を聞く余裕なんて普段の生活ではまぁほぼないんですよね。気にしているのは自分の充電の残り具合。あらかじめ立てていた献立計画なんて、疲労度によって簡単に吹き飛んでしまいます。だから私はそもそも献立は立てない派。

余力ゼロだけどご飯を用意しなくてはならない。これはもう楽しさゼロのタスクです。

余力ゼロ。そんなときに私が頼っているのは土井善晴さんの「一汁一菜」の考え方。
とりあえずあるもの全部を味噌汁につっこんで朝食分までまかなってしまいます。カレーも同じ考え方でできますね。

ご飯・メイン・副菜・汁物。
このスタイルは献立として完璧なのだと思うけれど、別にこんなテンプレにこだわる必要は全くなくて。ごはん、味噌汁、お漬物で立派なごはんでしょ?土井先生は繰り返しこんなことを説かれている気がします。私はそれをそっくりそのまま採用。大事なのは家族を洗脳することです。

「これがうちの”ふつう”ごはんだから慣れてね!暮らしはハレとケが大事だから!というか日常生活とは”ケ”だから!
と家族に納得させていくこと。時々訪れるハレの存在は覚えておくことにしましょう。

……というところから、余力に応じて「一汁」を分解して品数を増やしていけばいいのでは?ということを考えたわけです。何があってもお汁があるから大丈夫。そう思えれば、あとの工程は料理を楽しむことに全振りできます。「メイン」にこだわらなければ、ちょっとした余力で1品追加できて、小料理屋気分も味わえます。

味噌汁につっこんでいたネギを焼いてマリネに。
キャベツは中火で4分炒めると美味しいキャベツ炒めに。鰹節と醤油を最後にたらり。
冬に美味しい白菜は刻んでオリーブオイルと塩で和えたサラダに。
お肉は単体で甘辛くこんがり焼いてみようか。

ぶち込みスタイルから素材を1つずつ救い出すイメージ。素材の数を1つ減らせば、品数が増やせます。そして素材で勝負しないといけなくなるので、それなりに感覚を研ぎ澄ます楽しみが出てきます。手間数をかけたくなければ、レンジやオーブンが使えないかなどなど工夫も編み出せます。

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ちなみに土井先生のレシピで好きなのが「里芋の煮っ転がし」。

今の時期、いろんな方々から里芋をいただきます。大抵くださるのは人生の先輩方で、必ずと言っていいほどこう付け加えてくるので笑ってしまいます。

若い人は里芋なんて食べないかもしれないけど。

よくお見通しで!と言いたいのをこらえながらありがたくいただきます。

夕方の自分の余力をはかるバロメーターとしては里芋の威力はすごいんです。

余力ゼロ:里芋なんて見たくもない(土ついていて処理が面倒)、スルー。
余力30%:だいたい30%くらいを超えてくると、洗うくらいまではできそうだけどスルー。存在だけは頭の片隅に入れておく。
余力50%:里芋を洗える。洗ったらそのまま耐熱容器にいれて、ちょっと水を加えてレンジで10分ほど。これでそのまま食卓に出す。(みんなで手を汚しながら皮をニュルっと剥いて、思い思いの調味料をつけていただく。オリーブオイル&醤油がおいしかった)
余力80%:里芋の煮っ転がしつくる!

里芋の煮っ転がしを作っている=余力十分、贅沢な時間を過ごしているってこと。

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毎日何かしらを食べて生きています。いろんな状況や環境で、いろんなものをいろんな気分で食べてます。

今日も食べられることにまずは感謝。

晩ごはんをタスクにしないで、「食べる」に向き合う時間だと捉えなおしてみたら、小料理屋気分も味わえました。そんなことを反芻しながら、今日ははなうた混じりでレンチン里芋を食卓に並べました。そんな今日の余力は50%。

余力50%を活かしてクレヨン画つきでお届けしました。
お読みいただきありがとうございます。


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