「食欲ない」うつの対処法。食べても食べなくてもすばらしいのだ
Aさん「あんなに食べるのが好きだったのに、ごはんを全然食べられない」
Bくん「もともと食べるのが何よりも嫌いな作業」
人間は食べる行為に対して、おそろしくポジティブかネガティブか、大体どっちかです。
今日は、食べたくないモードのうつ状態についてのおはなし。
株式会社イメジン、ブランディング担当ライターの日野成美です。
今日のうつヌケハックは何を食べるとか食べないとか以前の問題「食欲」について。
食べるの好きなのに!目の前のペヤングが食べられない、あんなに好きなのに!というあの絶望。
わかります。
一方私は10代の精神閉鎖病棟への入院時代に、数多くの摂食障害患者とも親しんできました。
で、私自身が過食の衝動が強く食べることが大好きで、食べることイコール生きること!食事が人生の存在意義!!と豪語し続けてきた人間です。
「食べる」行為そのものに対して、いろいろ思うところがある。だから考え続けてきた。
今日はごはんDEうつヌケシリーズ第3回、食欲編の前編です。
「食べない」ことを肯定する東洋医学的思想
はいまた世間のうつヌケ本とは真逆のこといいまーーす!
まず、1日2食や1食や絶食でも、問題はありません。
世の中には「不食」という道を貫く猛者もいます。
あ、不食とは水分とスムージー摂ってればOK、固形物は毒という世界。Kindle Unlimitedで読んだときには愕然として「嘘だと言ってよバーニィ」ってずっとつぶやいててただの怪しい人になっちまった。
タモリさんなどの著名人が断食・ファスティングを愛し、少食を実践していることはよく知られています。ちなみに97歳まで生きた日野のひいおじいさんは1日2食でピーナツチョコが好きだったそうです。
東洋医学的に考えると、3食ごはんにおやつまで食べるなんてとんでもない。
胃腸を休ませる時間が必要だし、胃に血流が送られないぶん脳みそがスッキリ爽やか。
毒素排出のデトックスも可能。
ちなみに江戸時代の日本の占い師・水野南北は「食べないと開運する。食事を節制するといいこといっぱい」と断言して少食主義を唱え、けっこうウケたようです。
つまり東洋的思想に基けば、食べないイコールcool!smart!
多くのうつ病対処が「栄養価を摂取しようね」という思想の西洋医学がベースになっているため、バナナや納豆、鶏胸肉など食べるものの内容にフォーカスされがちです。
しかし実際のところ、断食で改善するうつ状態も多くあります。
私も夕食断食や朝食ファスティングをダメもとで実践して最長5日続きましたが、たしかに体が楽になって心も軽くなりました。
1食くらい抜いても、水分と栄養さえ摂取していれば問題ない、というのが実際のところです。
【結論】食べたくないなら、胃を休ませるファスティングのつもりで食べなくてもいい
体が必要としてないのか、心の支障か、脳のトラブルか
ただしここで問題になることがあります。
なぜ食欲がないかを突き止める必要がある!
自分の体の声を聞くクセをつけていれば、だいたい自然とわかることが多いです。
あとは内臓ごとにとか細かく突き詰めるとカオスになるので、このnoteではざっくり4種類の原因に分けます。
①体が「もういらん」って言ってるパターン
過食や暴飲暴食を繰り返していると、胃腸や内臓が「もういいっス」と白旗をあげて、食事を受け付けなくなることがあります。
朝にお腹空かないとかはこのパターン。詳細は次回のうつヌケハックで。
②心が認知の歪みバリッとで食べたくない
これは親や先生に「残さず食べなさい」と強制されていた子ども時代を送っていた方に多いです。
完食主義をつらぬく食卓において、食事=脅迫のお時間。
親(特に母親)が毒親だった場合によくみられる形です。
食べることに心からの喜びや安心を感じないため、食べることが不愉快で恐怖をおぼえる出来事に変換されます。
この場合は会話を楽しめる人と食事することで、それなりにモリモリ食べられるようになることもある模様。
③脳に何らかのトラブルが発生して、食欲がおかしい
うつ状態の場合はだいたいコレ。
脳の炎症であるうつ病は、体の司令塔がバグるためにあっちこっちがおかしくなります。
その一環で、脳が空腹感を認識しなかったり、味覚に鈍くなったりするアクシデントが発生。
薬の副作用で過食になるのも脳の機能が関係しています。
っていうかうつ病ってこわいね……??
④体に栄養価が不足or超過していて、食べられない
体に特定の栄養価が足りなくて、もしくは多く摂取しすぎて体が「食べられない」という現象です。
なにを言っているかわからないと思うが、私もなにを言っているかわからないんだ……。
足りないなら食べればいいんじゃない?って思うじゃないですか。でも体はエネルギーがなくて食べられない状態。
これは脳というより体の問題です。複合的に原因が絡んでいるので詳細は後日!
摂食障害をどうとらえるべきか
うつ病人を抱える家族が「食べない」患者に対して気を揉む理由の1つがこちら…
「食べないと摂食障害になっちゃうでしょ!」
たしかに、特に思春期の少女のうつ病は多く、拒食症(摂食障害)を伴います。
まぁ、栄養価が足りないからうつになるのか、うつだから拒食症になるのか、鶏と卵みたいな話にはなるのですが、
摂食障害は故ダイアナ元皇太子妃も患っていたことで有名ですね。
摂食障害最大の特徴は、やせることへの強迫観念と、内臓に食事が入っていることへの嫌悪感です。
もっと言うと「ちゃんとやせてキレイになって、愛されるスタイルにならないと生きてちゃいけない」くらいまで思い詰めます。
「安定感ある状態で愛される」ことで摂食障害は回避可能ですが、
はっきり言っておく!!
摂食障害は自傷行為の一種(※諸説あります)のため、ある程度の動機が重ならないと成立しない!
ちょっと食べない程度で騒がなくてOK!!
たしかに目の前の人が食べないと心配になります。
だからといって、無理に食べさせる必要はない。食べる必要だってない。
食べたくないなら、食卓で口にするのはお茶やミネラルウォーターだって構わない。ポタージュスープやウィダーでもいいんです。
食べたくない時は食べなくていい。
そのままであなたは十分に美しく尊い。
現代社会において「食べる」は楽しみであり、義務ではない
っていうか、一回、食べることについて見直しませんか。
なんでごはんを全部食べきらなきゃいけないんですか?
食事という行為をどんなものとして自分は考えていますか?
そのごはん、食べても食べなくても、選ぶ権利はあなたにありませんか?
うつヌケは子ども時代のやり直しであり、自分に向き合い生き方を問い直すクソめんどくさいアクションです。
だから1つ1つ、自分の中の不調や認知の歪みをみずからの手で治していかなければならない。
ほんと、体質によるの!!食べることが必要ない人だっているし、食べないとヤバい人もいます。
でも言えることはただ1つ。
食べたいときに、食べたい人と、それなりに楽しく食べればええやろ!ぼっちメシもサイコー!
楽しくなくても、食べなくても、尊い。
解散!