1年間の伴走支援でどんな成果につながったのか振り返ってみました~プロボノ主体のファンドレイジング体制構築に取り組んだ1年の軌跡~
昨日、宮城県仙台市で経済的困窮を抱えたご家庭を支援している認定NPO法人STORIA様に1年間伴走したプロジェクトが終了しました。
そこでどんな成果があったのかを振り返ってみました。
開始前に取り交わした業務内容は以下でした。
1.助成金、補助金等の申請に関する助言
2.ファンドレイジングに関する戦略設計、計画策定、実施等への助言
3.団体内のファンドレイザーの育成
話し合った上で、体制はプロボノ・伴走支援者・代表・職員・理事が以下のような分担でおこなうようにしていただきました。会議体は、週次のファンドレイジングミーティングを核に、理事会にも定期的に発議し決裁をうけながら進めていきました。
週次のファンドレイジング会議には職員は参加せず負担がかからないように配慮されており、職員さんの作業が必要な際は代表さんから指示してもらうながれになっています。
やりとりはチームメンバーと理事が含まれているSlack上でコミュニケーションするようにしています。
こうした体制で1年過ごした成果を以下お伝えしていきます。
1.受取民間助成金が2.3倍に増えました
ファンドレイジングチーム発足後に助成金について以下の流れにしてもらいました。
・プロボノさん&伴走支援者による助成金探し
・代表さんとどこに申請するのかを検討後
・プロボノさんによる助成金申請書ドラフト作成
・伴走支援者によるレビュー
・代表さんによる最終化
これを1年実施した結果、1年間で2.3倍の受取民間助成金額となりました。
2020年度(2020/10/1-2021/9/30): 5,576,097円
2021年度(2021/10/1-2022/9/30):12,903,492円(対前年比約2.3倍)
プロボノ↔伴走支援者のやりとりを重ねることで、プロボノさんの助成金申請書のドラフト作成スキルが高まっていきました。それにより、申請までのリードタイムが短くなり、より多くの助成金に申請することができるようになりました。その前年までは代表さんが1人でやっていましたので、それから比べると申請数増・作成時間短縮・採択金額倍増と相乗効果がでているのがわかります。
2.戦略設計、計画策定をチームで作成し、寄付キャンペーンとしてプロボノさん主体でクラウドファンディングを実施する方向性ができました
ファンドレジングチームによる合宿を数回開催することで、方向性をつくっていきました。方向性をつくる前提としてドナーレンジチャートによる分析などを行い、その結果を共有しながら強みや弱みを見ながら課題を絞り込んでいきました。
ファンドレイジングの方向性の話し合いを重ねて、以下の項目を文章化していきました。
ファンドレイジングの方向性を決める際に検討した項目
1.財源別(委託・補助金/寄付/助成金/自主事業)の方向性
2.委託・補助金と寄付の関係性
3.寄付の方向性、年間の寄付キャンペーン
- 新規寄付者を増やす取組み
- 継続支援者を増やす取組み
4.寄附金額目標
5.スケジュール
ここで意識したのは、途中経過として理事会への情報共有と計画の承認について3ヶ月に1回コミュニケーションをするということです。
代表がファンドレイジングチームに含まれているので、理事会を経ることなく進みがちですが、ファンドレイジングは組織として行うものです。理事の皆さん視点を取り入れてこそ全体で取り組むことにつながりますので、方向性や寄付キャンペーンについては必ず承認してもらうことにしました。
今年の大きな寄付キャンペーンとして、居場所事業で必要な420万円の費用をクラウドファンディングで行うことになりました。団体さんとして初めてのクラウドファンディングです。それをプロボノ主体で準備を進めることになりました。
プロボノチームの皆さんに扱ってもらいたいこととして、以下の項目を事前にお伝えし、それに沿って進めていただくようにお願いしました。プロボノメンバーのみで実施されるミーティングには私は参加しませんでしたが、進捗共有や相談事は週次のファンドレイジング会議でお話してもらうようにしました。
事前にお伝えしたクラウドファンディングで扱ってもらいたいことの項目
企画立案(目的・目標・コンセプト)
企画立案(寄付者コミュニケーション案・体制)
企画立案(詳細スケジュール、寄付金額帯、返礼品)
理事、現場職員、ボランティアとのコミュニケーション
クラウドファンディングページ内容の企画とストーリーづくり
クラウドファンディングプラットフォームの選定
エピソード収集(代表、職員、ボランティア、プロボノ)
クラウドファンディングページの制作
クラウドファンディング実施
お礼や返礼品対応
こうした取組みを経て、2022/11/18からクラウドファンディングを実施しています。2023/1/6まで実施中なのでご寄付いただけると嬉しいです。
◆2022/11/18配信:クラウドファンディング実施のプレスリリース
◆2022/11/18~2023/1/6実施のクラウドファンディング
3.団体内のファンドレイザー育成
団体内にファンドレイザーを育成する上で重要になるのは以下の3つだと考えています。
1.研修での体系的な知識の修得
2.週次のファンドレイジング会議での実践的な学び
3.戦略や計画、企画づくりを通じたプロジェクト運営ノウハウの獲得
この2と3についてはこれまで述べてきました。1の研修提供については期間中に以下3つの研修を提供させて頂きました。
・クラウドファンディングの実践講座(2021年5月実施)
・コミュニケーション戦略講座(2021年8月実施)
・プレスリリース講座(2021年10月実施)
こうした講座をうけてもらった上で、クラウドファンディングの実践をプロボノのみなさんにしてもらっています。
こうした1~3の関わりがあるかもしれない成果として、プロボノの方々の活躍があります。直接的な関係性は証明できるものではありませんが2つ挙げさせていただきます。
自治体のプロボノ普及啓発セミナーへのプロボノの登壇
現在、”プロボノ”は社会的に注目されていて、多く人がNPOの団体でプロボノ活動をしています。しかし、うまくいっているところは少ないのが現状です。そうした中で好事例として代表さんとプロボノメンバー2人が県の研修に登壇しました。
ボランティア評価益の増加
STORIAではNPOの決算書類である活動計算書にボランティア評価益と評価費用を記載しており、ボランティアとプロボノの実働分を貨幣換算しています。2020年から1年間で3倍となりました。
2020年度(2020/10/1-2021/9/30): 3,184,500円
2021年度(2021/10/1-2022/9/30): 9,506,665円(対前年比約3倍)
プロボノで関わっている人は本業を持つ方たちです。そうした皆さんがクラウドファンディングに関する打ち合わせや、ファンドレイジング会議、理事会等に参加されており、それらがボランティア評価益に反映されています。
昨年との差は600万円ありますが、NPOであればフルタイム2人分くらいの金額です。クラウドファンディングを主体的に取り組んでくださっているので、この増額は肌感覚とも合っています。
まとめ
今回の伴走支援に関係すると考えられる成果をまとめると以下となります。
1.助成金採択額が増えた
2.組織でファンドレイジングができる体制になった
3.事業費の資金調達をプロボノさんに担ってもらえるようになった
事業報告書に記載されている受取寄付額については以下のように対前年比1.1倍でした。
2020年度(2020/10/1-2021/9/30): 5,301,586円
2021年度(2021/10/1-2022/9/30): 5,613,356円(対前年比約1.1倍)
※2022年12月20日現在実施中のクラウドファンディングが成功したとして420万円が追加されると9,813,356円となり、対前年度比約1.9倍となります
額としてそんなに変わってなくない?と思われる方もいると思いますが、2021年度はマンスリーサポーターが占める割合が増えています。同じ金額帯でも継続寄付者が多いと安心感が異なります。寄付金の性質が継続的なものに変わってきたと言えます。
それに加えて、現在実施のクラウドファンディングの寄付金額は2022年度に計上されるので実態がわかるのは翌年度になりますが、もし成功して追加されると2021年度は9,813,356円で対前年度比約1.9倍となります。
こうした成果以外の波及効果もありました。
プロボノのみなさんがここまでやってくれていることに触発された職員が、現場のお子さんやご家庭の情報をいい感じに共有してくれるように積極的になってくれて、寄付集めの相乗効果を生んでいます。
今回の取組みにはできるだけ職員さん達に負担はかけないようにしていたのですが、プロボノさん達の熱意や思いが伝わって循環し始めています。
ここまでこの1年のファンドレイジングの伴走支援を通じて目の前で起きてきたことをまとめてきました。こうした成果はプロボノ・代表・職員・理事のみなさんの頑張りあってのもので、私の関与は微々たるものではありました。ですが、こうした好循環が生まれ始めた場面に関われたことはとても光栄なことです。
最後に、いっしょに1年間を過ごしたプロボノと理事の方からの感想を掲載させて頂きます。伴走支援とはどういうものかが伝わってきます。
今回の伴走支援は1年で終了となりますが、この経験を活かして別団体でも好循環を生み出すことに関わっていきたいと思います。
今回のnoteはいかがだったでしょうか?NPOの伴走支援に関心をもたれた方は公式LINEのチャットやホームページの問い合わせからご連絡ください。
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