『スピノザの診察室』読後感
本書のテーマは終末医療。死ぬときでさえ、人が幸せであるには…。人生の難題に対して主人公は、卓越した医療技術と、哲学者スピノザの思想をヒントに向き合います。
とはいえ、難しく考えずに、一気読みエンタメとして楽しむことができる作品です。
私も30代後半になり、以前よりも肩こりとか、体の不調が出てきました。大なり小なり、年をとるほど誰だってそうでしょう。解決できない病気や問題を抱えながらも、幸せであろうと努力する。本書を読み進めるうちに、諦めではなく、前向きな達観のような感覚を教えてもらいました。
文章はさわやかで、舞台である京都の空気や季節感、そこに暮らす人々の生活を感じさせられます。かつ、人生においての大きなテーマも含まれている。
のどごし最高で食べごたえあり。つるつるいけるうどんのような作品でした。
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