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うつ病特有の「味がしない」なんで起こる?

こんばんは。今日はうつ病のときによく聞く

  • 色がすべてグレーになる

  • ご飯の味がしない 

  • 趣味も楽しくなくなった

どうしてこれらの症状が起こるのかを私の経験と本の知識を組み合わせて書いてみようと思います


うつ病の人生が灰色になるような感覚

上記で紹介したような例はほんの一部にすぎません。 
うつ病になると、「今」を感じることが難しくなり、
なんで自分がそこに存在しているのかわからなくなる。 

これを私は「人生が灰色になる」状態だと思っています。 

「今」を感じないとはどういうこと?

「今」を感じないとは、自分が「過去」、もしくは「未来」に過剰に引っ張られて、「今」ここにある自分を認識できない状態です。

例えば、ラーメンを食べる姿を想像してください。

麵の色は何色ですか? 味はとんこつですか?醤油ですか?
しょっぱいですか? うまみは感じますか? 

これらは食べた瞬間、つまり「今自分に対して発生している出来事」です。

しかし過去や未来に不安がありすぎてがんじがらめになっているとき、心は不安を感じ、それにつられて悩みに自分のリソースを割いてしまいます。 

その結果、今起こっていることに対して意識を回せず、味がしない、わからないという状態になります。 

「心」は不安を与えるのが大好きで、それが仕事

人間の生物の歴史で考えてみると「不安」は必須のスキルだと理解できます。

今生きている私たちは先祖から代々過酷な環境を生き残ってきた子孫です。

例を挙げると狩猟採集時代はまさに「弱肉強食」。食うか、食われるかの世界。 
茂みからガサガサと物音がしたときを想像してください。
ポジティブとネガティブでは以下の2つが考えられると思います。

「もしかして危険な生物がいる?毒蛇か?熊か?イノシシか?」
「どうせなんもいない、風が吹いたときになった音でしょ~」

後者はもし本当にそうならばいいのですが、もし熊がいたら・・・ 

と思うと前者の方が生き残る確率は高そうですね。 

こう考えると、今私たちの代まで続いているのは、
先祖が「生き残り、子孫を残すために生き延びる確率が高い方を選択させる」ように脳がプログラムされていて、それを選択し続けた結果です。 

子孫を残すために「不安」というツールを脳が使って、「危険だから逃げろ!」と促していた訳なんですね。 

現代ではどんなことが起きているか

話を現代に戻してみます。
現代と狩猟採集時代では、基本的に生物に襲われる危険はかなり低くなりました。飢餓の心配も日本ではあまりありません。 

では何が違うのか。

それは「ストレスにさらされ続ける時間」が圧倒的に違います。 
現代は異常なほど「長い」です。 

現代のストレスとは何か?

長時間の過酷な労働、ぎすぎすした職場、ハラスメントなどが該当します。
これらは、「生物に襲われる危険」と比較すると、すぐには終わらないですよね? 

私の例で言えば、転職して面接時はいい上司だと思っていた人がパワハラ上司だった。だけども今転職したら履歴に傷がつく。

そう、すぐに終わるストレスではありませんでした。
そして人間関係もよくない職場で働き続けた結果、適応できずに適応障害になるわけです。 

つまり長時間ストレスにさらされ続けることで、心身が常に気を張っている状態が続き、その状態が限界を迎えると不眠やパニックを引き起こします。

こんな状態なのに「ラーメンおいしい~」なんて思ってられないですよね。

精神的余裕がないから、「今」に時間がさけない

結論として、過度な疲弊による心身の悲鳴に対して自分の精神的な余裕を吸い取られてしまっている。だから味がしないのだと考えています。

だから今を生きれるように、自分が今何に不安を感じていて、どう思っているのか、どうしたら解決できるかを考えてみてください。

それは「職場の環境に適応できない」という外側に原因がある場合もありますし、「人生楽しくない」という自分の問題かもしれません。 

参考文献

アンデシュハンセン 著「メンタル脳」
ラス・ハリス著「幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない」

次回執筆内容

次回は運動療法について書いてみたいと思います。運動がうつ病に効く!?という驚きの内容と実践した結果を書こうと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

#メンタル脳 #ACT療法 #うつ病 #適応障害 #脳科学 #心理学

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