「ウソでも強がれ。」
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事実を歪んで捉えた知識不足の状態では、何もできるようにはならない。
見る眼を鍛えたい人は読んでみて!
では、本題。
広瀬隆著・「カストロとゲバラ」を読んだ。
アメリカの操り人形だった独裁政権を倒し、キューバに社会主義を建てたカストロ。
カストロの想いに共感し、社会主義国家建国後はキューバ政治に関わるも、最期は世界中の革命運動に参加し戦い続けたチェ・ゲバラ。
二人の大革命家の歴史を綴ったのがこの本。
社会主義が良い悪いは置いておいて、革命を起こし、後の世代に希望を伝え続けることを目指して生き抜いた二人はマジでスゴい。
彼らの歴史を知れば、腕っぷしの強さだけじゃダメだとわかる。
たしかにゲリラ戦は得意だったかもしれないけど、カストロは弁護士、ゲバラは医者であったよう二人とも頭が良かったんだ。
だから「ガンガンいこうぜ!」のイケイケ状態でも、冷静に状況を把握することを忘れなかった。
そう、ちゃんと戦略と戦術に則って行動していたんだよね。
その中でも超頭が良いなと思った戦術がメディア操作だ。
二人が率いる革命軍はメキシコから船で渡り、独裁政権にゲリラ戦を仕掛けようとしたが、上陸すると同時に急襲されてしまう。
それは現地(キューバ)にいた革命軍がやられ、作戦が筒抜けになっていたからだ。
再起できないほど大敗し、キューバ国民、独裁政権、そして世界中がカストロたちは死んだと思っていた。
その思い込みとメディアを利用したのがなんとか生きていたカストロだ。
革命軍はたまたまキューバにきていたNYタイムズの記者に「世界的スクープ」があると話を持ちかけ、カストロが潜伏する基地に招いた。
インタビューではカストロは多数の部隊が動いているかのように演出し、「背後には大部隊がいる」と記者に言った。
その結果、
「革命軍は予想以上の軍勢がいて、キューバ国民の大半は支持している。もはや負け戦の現政権は、この反乱を止められないだろう。」
という迫力のある文章とカストロの写真が載っている記事がNYタイムズのトップに大きく掲載された。
この記事が出るとカストロが死んだと思っていた国民は再び希望を持ち、革命運動が復活し、革命軍が息を吹き返していく。
さらにその後は世界各国のメディアがカストロにインタビューを行い、同様の振る舞いを見せたことで、
あたかもキューバ全土で反政府運動が起こっているかのような錯覚をもたらした。
その時のゲリラ戦士はたった30人足らず、しかもまだ何も起こっていないのに!笑
つまりメディアを使いウソでも強がった結果、国民の革命運動に火をつけたんだ。
これを知れば、メディアの力(拡散力・印象操作)とウソでも強がることがどれだけ大切かがわかるでしょ。
前にネルソン・マンデラを紹介したとき、「なりたかったらフリをしろ」と投稿したけど、ウソでも強がることは一種のフリだよね。
だから「勝ちたい」「強くなりたい」と思ったらウソでも強がるんだ。
弱くても強いフリ、キツくても余裕なフリをするんだ。
そのためには絶対に他人に弱音を吐かないこと。
印象を気にしていたマンデラも、「本心である素の自分を表に出す」ことはしなかった。
上述しているようにカストロも、弱音は吐かずウソでも強がった。
という言葉があるように、キツくでも平気なように振る舞うことは武士の美徳と考えられていた。