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20代よ、年間100万円分の本を読め

むかし僕が20代のころ、Big Tomorrowで落合信彦(落合陽一さんの父)がこう言いました。

お前らは、去勢された豚野郎だ

最もリターンが大きい投資先は自分自身である

20代の頃は貯金なんかするな。全額自分に再投資しろ

素直な僕は、その日から貯金を全額切り崩し、本を読んだり、資格の勉強をしたり、見聞を広げるために人に会うようになりました。

そして、明らかに世界が変わったのです。

アウトプットしないインプットは役に立たない

教科書は机上の空論

本ばかり読んでいたって、結局大切なのはたくさんの人に会うこと

確かに、そうかもしれません。

でも、別にどちらかを選ばなきゃならないわけじゃない。どちらもやれば良いのです。

46年間生きてきて、「絶対は無いこの世の中」で、ひとつだけ「絶対」と言い切れることがあります。それは、本は、この世で最も投資リターンが大きいお金の使い方である、ということです。

一般的な書籍には、だいたい10万文字が詰まっています。書いてみるとわかりますけど、10万文字の文章を、理路整然と、順序だって、わかりやすくまとめるためには、膨大な知識、経験、時間を必要とします。

先人たちが、あっちへぶつかり、こっちへぶつかり身につけた「生きた知恵」を、たったの1,000円~2,000円程度で手に入れることができるのです。

こんなに安い買い物はこの世に存在しないでしょう。

よく、「評判が良いから買ってみたけど、正直期待はずれだった」という声を聞きます。でも、本というものは、たったの一行でも琴線に触れることがあれば、それで十分元はとれているんです。その「たったの一行」が、あなたの小さな意識を変え、行動を変え、いずれ人生に影響を与えるんです。

僕は(敬愛する落合信彦氏に影響されて)、20代の頃、年間100万円分の本を読んでいました。もちろん自腹です。

一冊1,800円とすると、年間で約500冊。月に40冊購入することになります。これくらいお金を使うとなると、ど真ん中で興味がある領域だけでなく、少し興味があること、若干気になることまで、相当幅広く網羅することができます。

広告・広報・マーケティング業界にいる人なら、マーケティングや広告だけでなく、経営理論、戦略理論、人事・組織理論、リーダーシップ理論、モチベーション理論、人的資源管理、財務、会計、店舗設計、インストア・マーチャンダイジング、社会学、心理学、社会心理学、行動経済学などなどです。

しかもひとつの領域で10冊以上を同時に併読することになるから、その世界のだいたいのセオリーを掴むことができるようになります。

激務の仕事をしながら、しかも人一倍遊びながら、月に40冊の本を読むことは事実上不可能です。だから、読むことを目的とせず、一冊の本をできる限り高速で吸収することを目的とする読み方になります。

まえがきを読み、著者の略歴を読み、あとがきを読み、目次を熟読する。こんなことが書いてあるんだなあ、と概観した上で、まずは一回、最後までざーっと目を通す。そこから、気になったところをある程度しっかり読んでいく。

この年間100万円読書を4~5年続けた結果、何が起こったか。それは、見える景色の変化です。

クライアント先で、同じ担当者から、同じ話を聞いても、聞こえてくる(正確にいうとキャッチできる)情報が格段に増加しました。アンテナが大きく、鋭敏になったんです。街を歩いていても、以前は見えなかったものが見えてきます。いろいろな背景や思惑が読み取れるようになりました。

それによって、アウトプットの量、質、スピードは何十倍にも上がったと思います。いまの自分があるのは、あの頃に行った圧倒的なインプットのおかげだと思っています。

だから悪いことは言いません。若者よ、本を読もう。手取り給料の1/3は無理でも、せめて1/10は本の購入代に充ててみよう。

ということなんです。

複利のスゴさは、ここで計算してみればわかる。1の365乗は1のままですが、1.01の365乗は37.8です。毎日1%賢くなるだけで、1年後には38倍の戦闘力になる。始めるのに遅すぎることなんてないけれど、若いうちに読んだ方が圧倒的に有利な理由はここにあります。

圧倒的な量の本を読む。空っぽの頭の中に、整理棚ができ、そこに先人たちの叡智が詰め込まれていく快感を感じよう。仕事をしながら、それを少しずつ使っていくと、やがてそれはあなただけの経験と知恵になります。

Twitterのフォロワー増加に躍起になる前に、自分のやりたいことは何かを探す旅に出る前に、圧倒的な量の本を読んでみよ。

本は、人生を豊かにする最高の「てこ」ですよ。

(追記)
この記事が本になりました!

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