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私の人生を変えた一冊、漫画編『ホイッスル!』

おはようございます。
池田諭史です。

#人生を変えた一冊  というテーマに基づき、自分にとって考え方、価値観に影響を与えた1冊の本のご紹介をいたします。
今回は漫画本で週刊少年ジャンプで連載していた樋口大輔先生の作品『ホイッスル!』のご紹介です。

公式サイト:https://whistle-official.com/


1.ジャンプでは珍しいド下手が主人公


連載1回目表紙(20周年記念展より)

物語の初めは主人公「風祭将」がサッカーの名門中学から都立桜上水中に転向してきたところから始まります。
よくある名門校のエースが弱小校に来た…というのではなく、顧問の勘違いでレギュラーだったとサッカー部の連中に話し、実は1軍ではなく3軍の選手だったとバレるところから始まる。
そう、ジャンプ漫画では珍しいド下手が主人公なのです。

また転校してきた理由も背が低いというだけで2軍にすら上がれないということを知ったため。


もちろんここから努力して上手になっていくのですが、ジャンプ漫画だとアンケート至上主義の為、人気が出ないとすぐ打切りになるので普通はジャンプの場合、基本主人公スゲーというキャラを作り印象を大事にする。

偉大なる先輩『キャプテン翼』があるため、ジャンプではより珍しい形の主人公でした。

2.試合以上に人の心情がメイン

この漫画はサッカー漫画ではあるがそれ以上に思うのが、
「サッカーを通して人間として成長していく物語」だと個人的に思っています。
・名門校で補欠でへたくそだと皆の前で恥をかく主人公。
・親の期待のプレッシャーに負けてドロップアウトする兄。
・上手すぎるがゆえに孤立してしまう水野。
・本気で向き合うこと、負けるのが怖い天才肌シゲ。
・後輩に負け、真剣にやってこなかったことを後悔する本間先輩。
・親との確執。
・性別、環境のせいにして八つ当たりをしてしまうマネージャーゆき。
・凡人だと決めつけてふてくされる高井。
・大役を任されて、ビビって逃げてしまう野呂。
・完璧すぎて人の感情が理解できない問題児不破。
・不器用で伝え方が下手で後輩を追い込んでしまう元日本代表松方コーチ。
・親を認めさせるためにサッカーをするストライカー天城。
・主人公の成長と比べ卑下する小岩。
・身体能力の差を見せつけられ自暴自棄になりかける椎名。

などなど、一人ひとりが抱える問題と向き合ってサッカーを通して成長していくお話だと思っています。

3.感情移入したくなる脇役たち

魅力的なキャラが沢山いて全部紹介したいくらいですが、厳選して部活をしていた人達なら共感ができそうな個人的に好きなキャラを3人を紹介します。

一人目は高井正人。

最初から主人公たちには協力的な同級生でレギュラーだったが途中でレギュラー落ちをして合宿を逃げてしまう。

自暴自棄になり、どうせ俺には才能がないんだと、やる気だして本気で取り組んでも、いつもうまい奴にあとから抜かれると。
すごい気持ちがわかる、自分も高校の部活時代が正にそうでした。

辞めようかとしたところ、風祭やマネージャーたちによって留まる。
そして新たにポジション変更をしてチームの力になる。
風祭と肩を並べるために頑張ると決めた瞬間はかっこよかったですね。


2人目はノロこと野呂浩美。

太っちょの彼は最初風祭に説得され部活に戻りますが、チームも人が増え楽しいサッカー部が勝つためのサッカー部になっていき、自分の居場所がないと思うように。

そして天才かつ問題児、GK不破の加入後、不破と喧嘩になりチームと対立してしまう。
ノロは自分のことを過小評価をする癖があり、下手なのにレギュラーでいる自分が許せない、過去にも大役を任されると逃げてしまった経験がある。

過小評価も逃げ出したくなる気持ちもものすごくわかる。
自分に自信がないと、周りから認められていてもどうしても信じきれないのです。
ですが、対立していた不破がノロを信じると決めたこと、どんな時でも信じてくれた風祭の期待に応えたい気持ちが勝り、見事克服をする。
人は逆境を乗り越えた時に輝くことを見せてくれたキャラです。

https://www.marv.jp/special/whistle/chara/shige.html


そして最後はシゲさんこと佐藤茂樹。
彼は金髪の関西弁キャラで喧嘩も強い何でもできるキャラでもちろんサッカーセンスも抜群。
ですが、そんな彼は家の跡継ぎ問題が理由で京都から東京へ家出をしてきた身。

家を継がなければならないので何をしても無駄と将来に振り回される為本気で頑張ることを避ける習性がある。

そして自分より下手だったはずの風祭が自分を差し置いて東京選抜の合宿に選ばれる。

悔しいけどそれを見せたくないから逃げる。
そこで関西にいたときの腐れ縁が自分のサッカー人生をかけてまでシゲを止めに来る。
ぜひともお好み焼き屋のシーンは実際に読んでほしいところです。

そして親に頭を下げて本気で取り組むシーンがとてもカッコよいのです。

4.理解してくれる大人たちの存在

うまくなりたい一心で主人公は夜も練習をするためにわざわざ見知らぬおでん屋のおやっさんの屋台に電源を貸してくれとお願いをする。
最初は疑っていましたが風祭が素直で良い子だとわかると、良くしてくれるようになり、主人公や仲間たちのフォローもしてくれるようになる。

そしておやっさんのご縁でたまたま屋台の常連だった元日本代表10番松方左右十さんと試合を見に行き、主人公たちの可能性を見て松方さんはコーチを引き受けることとなる。

顧問の香取先生はドジで早とちりしやすいタイプですが、どんな時も生徒の味方で生徒の頑張りを応援する。

今の実力も大事だけど個性を伸ばすことで選手の可能性を大きく見る西園寺監督など、主人公を助けてくれる大人の存在が大きい作品でもあります。


さいごに

見出しの部分は数年前に秋葉原で行われていたイベントの看板です。
あとその時撮影した写真です。

ホイッスル!20周年記念展より

いやー見返したら5年前でしたw
いっちょ前にかっこつけて撮りました。

そしてこの漫画にはがあります。
『ホイッスルW』



前作から10数年後を描き、新たに主人公を二人添えた漫画です。
この続きの話の軸となっているのが『東北大震災』という強いメッセージを込めた作品でもあるのです。
こちらは5巻で完結していますので興味のある方はぜひ読んでみてください。

僕にとってこの本は影響を与えてくれた漫画だと思っています。
ぜひ気になる方は読んでみてください。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
ではまた。

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