変化の中で自分が見つかるかもしれない『アイデンティティのつくり方』感想
現代社会って、自由に何でも選べるようになってきたじゃないですか。むしろ選べるようになるのが基本みたいな感覚ですよね。
でも、学生の頃に憧れてたその「自由」って、いざ社会に出て10年以上も経つと、思ったよりも楽しいばかりじゃないことに気づきます。
人生100年時代って言われる中で、まだまだ先があるからこそ、これから何をやりたいのか、もっと自分が何者なのかを探る必要があるんじゃないかと、そんな思いが強まってきた気がします。
この本『アイデンティティのつくり方』は、そういった「自分を知る」旅の道しるべとして手に取りました。変化の速い時代をどう生き抜くか、自己理解を深めたくて読んでみた。
読み進める中で、SNSや情報過多によって「他者との比較」がますます増えて、みんなの「自分軸」が揺らいでいるという指摘があって、共感する部分も多かったです。
漠然と将来への不安感だったり、謎の焦りだったり、走り続けてきたけど息切れしてしまったりなんてことへの対処法。
『アイデンティティのつくり方』って本で、情報過多社会における生き方、歩み方が書いてあって、少し気分が楽になる。
居酒屋でちょっと酔いが回ってきたタイミングで話したくなるトピックも多くて、少し心が軽くなりたい時に読むといいかもしれない一冊の話を題材に書いていきたいと思います。
「なんとなく」を捨て、自己理解を深める3つの視点
本の中には、アイデンティティを明確にするための3つの重要な視点が示されています。
「なんとなくを捨てること」「自分の行動を記録し、客観的に見ること」、そして「他者との関わりで自分を再発見すること」です。現代の情報社会で自分を知るには、どれも欠かせない視点だと感じました。
まず、行動に「なんとなく」を混ぜないというのは、忙しい日常においてついつい後回しにしがちですよね。
1つ紹介されていたやるべきだなと感じたのが「時計簿」で、24時間を「何に使っているか」を記録して、無意識に流れている時間を認知しようという試みです。
自分でも薄々気が付いているけど、SNSや動画に使ってしまう「隙間時間」が結構大きい。これ、気を抜いてスマホを手に取ったら気づけば1時間…なんていうの、みなさんもあるんじゃないですか?
そうやって、自分の時間をどう使っているかが目に見えると、あらためて「何に時間を使うべきか」が見えてくるはずです。
次に、自分との対話。これは単に「行動を記録する」だけで終わらないんです。その行動に対して「自分がどう感じたか」や「どうしたいのか」を深く掘り下げることで、行動の背景にある感情や価値観が浮かび上がります。
実は、こうした感情って、自分の軸を理解する大きな手がかりになるんです。普段は気づかないけど、日々の行動を振り返ると、自分が無意識に求めているものが見えてくるんですよね。
そして最後が「コミュニティの力」。自分一人では見えてこない部分を他者の視点で補完することの大切さです。例えば同僚や友人と話している中で、当たり前だと思っていた自分の強みが意外と魅力的に映っていることに驚かされたりします。
こうした他者からの視点が、自己認識における大きな支えになるんですよね。
自由の中で選択する難しさと変革の一歩
現代は、SNSやインターネットで膨大な情報が簡単に手に入る時代です。私たちはいつでも他者と比較できる環境にいますが、そうした比較を重ねるほど「自分の基準」を見失いがちになります。
自由に選べる選択肢が溢れる今の社会では、実は「自分軸」を見つけるのが難しいんです。本書でも触れられているように、自由には責任が伴うからこそ、選ぶたびに迷いや不安もついてくる。だからこそ、「なんとなく」を捨て、少しずつでも自分と向き合う姿勢が求められるのだと感じます。
そんな中で第2章の締めくくりに紹介されている、レオ・トルストイの言葉がとても印象に残りました。「誰もが世界を変えたいと思うが、誰も自分自身を変えようとは思わない」──これって、すごく響く言葉ですよね。変化の多い時代にあって「何かを変えたい」と願う気持ちがありながらも、まず自分の行動を変えるのは難しい。でも、この一歩こそが、自己理解やアイデンティティを確立するための最初のステップだと本書は強く伝えているのだと感じました。
結局、アイデンティティというのは新しく作るものじゃなくて、自分の中に既にあるものを認識していくことなんですよね。少しずつ時計簿をつけたり、他者と関わったりして、曖昧だった「自分」という存在がくっきり見えてくる。
これが、今の時代に必要な「自分を知る旅」なんじゃないかって感じたんです。この本を通じて得たことを実践することで、豊かで自分らしい人生が築けるんじゃないか、そんな希望を抱かせてくれる一冊でした。
まとめ
『アイデンティティのつくり方』は、単なる自己啓発本ぽいけど、今の時代に生きる私たちが「自分って何者だろう?」と問い続けながら、自己理解を深めていくためて、気持ちが楽になるそんな本でした。
変化が激しく、選択肢が溢れる時代だからこそ、少しずつ「なんとなく」を捨てて自分を客観的に捉え、日々の生活に小さな変化を加えることが重要なんだと再認識できました。この本で示されていた方法を実践することで、私自身ももっと自分の軸を見つけ、豊かな人生を歩めるような気がしています。