簡単にできる代償動作の見抜き方(ピラティス評価)
こんにちは〜!
理学療法士、ピラティスインストラクターの飯沢です!
今回は臨床で代償動作を見抜くコツについて書いていこうと思います!
ヨガ、ピラティス、運動療法、歩いているとき、どんな時でも良いのですが・・
体の特徴として自分の得意な部位ばかりをたくさん使い、苦手な部位は使用頻度が減ってしまっている方がほとんどです。それにより苦手な部位は運動感覚が低下し、機能不全となってしまってしまいます。
これの何が悪いのか?と言うと・・・
同じパターンが身についた結果として常に同じ部位にストレスがかかってしまい、肩こりや腰痛、膝痛などに繋がってしまいます。
簡単に言うと、一生懸命頑張っている部位と、サボって寝ている部位がある!
こんな感じのイメージですね。
一生懸命頑張っている部位はいつか故障(疼痛)してしまい、サボっている部位はサボり癖(機能不全)がついてしまいます!
患者さんの疼痛について説明する時は、痛い場所が悪いわけではなく、サボっているところ頑張ってもらいましょう。(原因によりますが!)
こんな感じで説明することもあります。
脱線しましたが、これを前提に考えていきましょう!
どんな動きが得意であるのか?最初から予測して運動療法を行う、行わないのでは、圧倒的に評価や運動療法の質に違いが出るので一緒に勉強していきましょう!
運動パターンを予測する
人によって代償動作のパターンはもちろん異なりますが、大まかな代償パターンを知っておくことによって、情報が0の状態で評価するよりも、運動パターン予測できることで、他の代償動作も見抜ぬくことや、更に細かい動きを深掘りして考えれるようになるので理解していきましょう!
現代人に多いスウェイバック姿勢で例えを考えていきましょう!
スウェイバックで起きやすい代償動作
矢状面上ではこのようなパターンの代償動作となりやすいです。簡単にまとめると体を丸めるような動きでは胸椎屈曲、骨盤後傾を過度に行い、体をそらすような動きでは上位頚椎伸展や腰椎伸展を過度に行うような運動パターンの状態となっています。
こんなの話当たり前じゃん!と思う方もいるかもしれませんが!臨床的な話を次の項目で書いていきますね!
ここからとても重要になってきます!
屈曲系&伸展系エクササイズでの評価
前提として例を挙げて考えていきましょう!
スウェイバック姿勢の方は体を丸めるような屈曲パターンが得意というのは、みなさんも経験ある方は多いのではないですか?(過剰な腰椎伸展などがあれば別ですが)
スウェイバック姿勢であれば・・・
腰椎の過剰な伸展があったりするとまた別ですが・・・
ロールアップなどの体を丸めるようなエクササイズはできるかorできないで判断するとスウェイバックの方すんなりできることが多いです。これを簡単にできたから良い!と判断するのはNGであって、その分伸展系のピラティスエクササイズはかなり苦手と認識しているパターン臨床上めっちゃくちゃ多いです。
エクササイズが出来ればOK、素晴らしいという話ではなくて・・・
屈曲系エクササイズ、伸展系エクササイズどちらもバランス良くできることが重要であって、一方だけが得意な状態に偏ってしまっていることは体にかけるストレスが強くなっている可能性が高いです。
エクササイズやピラティスの項目ができたからOKではないという感じが伝わりますかね?
先ほども書きましたが、屈曲パターンでも伸展パターンでも偏ったパターンを改善し、両方向にバランスよくできることが大切になってきます。
屈曲系エクササイズ、伸展系エクササイズどちらが得意であるのか?苦手であるのか?2〜3個くらいエクササイズをしてもらいどっちが得意であるのかある程度予測することが大切になってきます。
経験上の話ですが・・・
スウェイバック姿勢であれば屈曲パターンが得意な場合が多い
反り腰であれば伸展パターンが得意な場合が多い
絶対ではありませんが、大まかの予測としてどっちのパターンが得意であるのか動きの中でチェックしていきましょう。
運動療法で考えた場合伸展系exが苦手だから!伸展系exを繰り返し行おう!これもまたNGであって、詳しい詳細はこの記事を見ていただける想像しやすいと思います。(記事の最後の方にも書いています)
(屈曲パターン)
しゃがみ動作やヒップリフトなどの屈曲系の動きを行う際にスウェイバック姿勢の方はどんな動きが予測できるでしょう?
スウェイバック姿勢の方は体を屈曲方向に働かせるパターンを得意としていることが多く、膝関節を運動軸として、ハムストリングス優位での膝屈曲、骨盤後傾、それに伴う胸椎の屈曲、頭部前方偏位のような運動パターンが身についてしまっています。
屈曲パターンでしか動けなくなってしまっていることが問題となり、同じパターンばかり繰り返しているため、体にかかるストレスが偏より疼痛や慢性疾患の引き金となってしまいます。
屈曲方向ばかりに使ってしまう運動パターンを修正していく必要があります。
膝関節、股関節の屈曲、骨盤後傾、胸椎屈曲などの動きは屈曲系のエクササイズであるため、屈曲方向への動きが必要になることは間違ないですが、過度な屈曲パターンが身についてしまっていることが問題であって屈曲方向に体が動くことは悪いわけではありません!
修正パターン
しゃがみ動作であれば、ある程度の骨盤の前傾を保持、股関節を支点にした股関節屈曲、胸椎の伸展、チンイン動作が必要になっていきます。この状態を意識した状態でエクササイズを行うことで過度なの屈曲パターンを制御する必要があります。
最初から全てを意識して行うのは難しいので、それぞれ働きやすい環境をにした上でエクササイズを組み立てていくことが大切です。
(伸展パターン)
次にピラティスの項目にあるスワンでどんな運動パターンになるのか予測して考えてみましょう!
脊柱から骨盤にかけての滑らかな伸展運動を行いたいのですが、胸椎伸展や骨盤前傾の運動パターンが分からなくなっている状態のため、伸展運動の得意な上位頚椎や腰椎が過剰伸展する代償動作が見られます。
みなさんも臨床でこのような経験をされている方はかなり多いのではないでしょうか?
この状態から何が伝えたいのか?というと!
上記の写真を見てみてください。
胸椎は屈曲位にあることが正常のアライメントであり、腰椎も伸展位にあることが正常のアライメントになります。胸椎が屈曲に入っていて猫背になっていることが悪いにわけではなく、屈曲方向だけでしか運動が行えなくなってしまい、伸展運動の感覚が無くなってしまっていることが問題となります。
運動療法を行う際にどうしたら良いの?
胸椎屈曲が強ければ伸展させたくなりますし、骨盤後傾が強ければ前傾させたくなりますが、いきなり苦手な運動パターン繰り返しても中々上手く運動パターンを引き出すことができないのが臨床です。
そのためどのようなアプローチが必要になってくるのか胸椎伸展に着目して考えていきましょう!
胸椎伸展を引き出すには?
胸椎屈曲が強いため胸椎伸展を促すのはNGであって、胸椎伸展の運動感覚を出していきたいのであれば前段階として、腰椎屈曲、上位頚椎屈曲の屈曲系の運動療法やエクササイズを優先して行う必要があります。腹部、上位頚椎屈曲の感覚が高まってきた状態で胸椎伸展の運動を行っていくことで上位頚椎や腰椎の過伸展を防ぐことが出来ます。
めちゃめちゃ基本的な考え方ですが、すっ飛ばしていきなり胸椎伸展運動の感覚を入れようとしても中々難しいので、是非参考にしてみてください!
今回は代償動作を見抜くための考え方、運動療法の手順について記事にまとめてみました!
最初からエクササイズを行うよりも前提として屈曲パターンと伸展パターンどちらが得意であるのか、最低限評価していけることで、疼痛部位やストレスのかかっている部位と関連付けて評価しやすくなります。
今後もpilates、ピラティス、トレーナー、若手PT向けに記事を書いていくのでよろしくお願いしまーす!
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理学療法士
PHIピラティスインストラクター
飯沢柊哉