転職したい人向け:事業会社VS受託会社:9社経験した私が思う会社のイイところ・あんまりなところ
はじめまして!「いいの」です。
はじめまして、Webディレクターの「いいの」と申します。
私は現在36歳で、20歳からこのWeb業界に携わり、16年間にわたり様々な役割を経験し、現在は渋谷のWeb制作会社「カドベヤ」という会社で落ち着いています。これまでに9社で働く経験をしてきたことは全然自慢できることではありませんが、その経験を通じて「ジョブホッパー」としての幅広い知見とスキルを身につけることができました。
そんな私だからこそ、事業会社と受託会社それぞれの会社で得た良かったポイント、あんまりだったポイントをまとめていきます。
事業会社での経験
A社:大規模Web/動画配信サービスの制作・企画(従業員:500人程度)
B社:ゲーム系アプリ開発(従業員:100人程度)
C社:着物・着付けレンタルサービス・ECサービス(従業員:300人程度)
D社:超大型通販サイト運用(従業員:5,000人~程度)
E社:大手通信キャリアのサービス・運用(従業員:500人程度)
F社:医療やその他事業を持っている会社(従業員:500人程度)
G社:誰もが知る超有名採用サイト運用(従業員数:5000人~程度)
受託会社での経験
Webその他事業請負全般(15人程度)
Web制作会社(30人程度)
事業会社のよかった3つのポイント
事業会社での経験でよかった3つのポイントは以下です。
「企画の実現」
「事業会社ならではの新しい出会い」
「リアルなユーザーの反応」
それぞれのポイントについて、具体的な内容とその魅力を深掘りしていきましょう。
企画の実現
事業会社で働く魅力の1つに、プロダクトの課題に対しての施策立案・企画があります。事業会社はプロダクトの成功に向けて、さまざまな課題に対して企画をすることがあります。課題がないプロダクトなど見たことがありません。
例えばこんな課題(ごく一部)
サイト内の回遊が少なくすぐ離脱してしまう。
本来見てほしいコンテンツにユーザーがたどり着いていない
コンバージョンが目標に対して低い
などなど。上記は割とわかりやすい課題ですが、たくさんの課題に対して私が経験するWebディレクターという役職は、課題解決に向けて日々奮闘しています。
そんな中、様々な課題に対して優先度をつけ、戦略や施策を考え、遂行していく過程を経験することで、問題解決能力などが養われたと感じます。
事業会社ならではの新しい出会い
事業会社でよかった点のもう1つは、「様々な職種の人たちとの出会い」です。多くの社員を抱えている事業会社が多いため、同じ職場内で自然と様々な役職や専門分野の人たちと交流する機会が多く生まれます。
自身の仕事の進め方の概念が覆される場面も
事業会社では、社員数が多い現場がほとんどだったため、同じ役職の人や違う役職の方々とのコミュニケーション機会がたくさんあります。また、他の人の仕事の進め方などが見れる機会が多い印象なため、自身の今までの古い仕事の進め方などの常識が覆される経験など多くあった印象でした。
リアルなユーザーの反応
事業会社での経験の中で特に印象深いのはプロダクトに対するユーザーの直接的な反応です。自分が携わったプロダクトがされたとき、SNSなどでリアルタイムに届くユーザーの声はとても貴重なフィードバックとなります。
モチベーション維持と向上
直接的なユーザー反応は自分の努力が直接的に評価され、モチベーションの維持・向上に繋がります。プロダクトが実際に市場でどのように受け入れられているかを知ることは、自分のキャリアにおいてもプラスになる経験となります。
事業会社イイところまとめ
事業会社のイイところ3つのポイントを書いていきましたが、紹介しきれていないことも含めてまとめて書いていきます。
自身が関わった案件でユーザーの反応などが見れる。
分業制が多いため、いろんな職種のクリエイターと知り合える。(特にWebディレクター)
他の人の仕事のやり方が見れる。自身のスキルアップにもつなげられる。
企画に対しての数字が追える。マーケティング分野での学べる機会がある
会社のイベントが多い印象(忘年会・新年会の規模が大きいなど)
会社に趣味のような部活みたいな活動があるところも多い(スノボー部やテーブルゲーム部、草野球など。)
事業会社のあんまりだった3つのポイント
上記で良かったところばかりを挙げていきましたが、あんまりだったという印象3つのポイントが以下となります。
限定された役割
目標達成へのプレッシャー
制約の多いプロジェクト管理
注意・お断り
なお、あくまで私の経験談による所感のため、決して事業会社すべてが当てはまるとは言いません。聞き流す程度で参考にしてもらえればと思います。
それでは詳しく見ていきましょう。
限定された役割
限定された業務範囲
事業会社では、組織が多く、分業制が基本となる印象です。そのため、自身の仕事の範囲が限定され、個々の役割が狭く定められて弊害を感じることがあります。このため、幅広い経験やスキルの習得が難しいと感じることも。
キャリアの幅の制限
限定された役割は、将来的にキャリアの可能性や職業選択の幅が制限される印象があります。特定の技術や業務に特化することは専門性を高めるものの、他の業務や新しい技術への適応ハードルが高くなる印象です。また、将来的なキャリアや自身のやりたいことは、自身のライフステージによって変わる事もあります。その際に将来的なキャリアの選択肢を狭めてしまう可能性があると事業会社において感じられることもあるでしょう。
目標達成へのプレッシャー
管理層へのプレッシャーと現場とのギャップ
事業会社では、経営陣から管理者層へ目標達成への強いプレッシャーかけている印象が強く、このプレッシャーにより、管理者層は日々業務に忙殺されている印象がありました。そのため、現場の実情などを見落とすことがあり、これが引き金で、チームの働き方やモチベーションへの悪影響を及ぼす現場も少ない印象です。
現場のストレス増加
上層部のプレッシャーは、間接的にでも現場の従業員に大きな影響を及ぼすことがあります。絶え間ない目標追求が職場内のストレスを増大させ、その結果、休職を選択する社員がいるような現場も経験したことがあります。
制約の多いプロジェクト管理
事業会社でのプロジェクト管理は、プロダクトにもよりますが、予算やリソースに制限があるプロジェクトもあります。あらかじめ定められた予算内でのプロジェクト遂行は、成果物への対応に柔軟性を制限することがあり、これらがプロジェクトの成果や効率に影響を及ぼすこともありました。
事業会社のあんまりなところまとめ
上述に書いていった事業会社でのあんまりポイントを踏まえて、一部紹介しきれていないことも、まとめていきます。
分業制なので、仕事の範囲が限られる
Prjの成功のゴールがあまり見えづらい
予算が事前に決まった範囲でPrjを進行しなければならない
数値目標が未達の際、プレッシャーがえぐい(そういう現場が多かった印象)
上司が目標に追われすぎていて、現場が置いてきぼり感がある
個人の目標設定がきっちりしすぎて、目標設定に苦しむ社員もしばしば
これまで様々な事業会社での経験を紹介しましたが、次に私の受託会社での経験についてもお話しします。
受託会社のよかった3つのポイント
受託会社での経験でよかった3つのポイントは以下です。
様々な業界の人脈
クリアな目標と感謝
幅広いスキルの習得
それぞれ詳しく書いていきます。
様々な業界の人脈
幅広いネットワーク
受託会社で働く最大の魅力の1つは、多種多様なクライアントと接する機会が豊富にある事です。これにより様々な業界の方々と関係を築く機会が増えるため、自身の人脈が自然と広がっていく実感があります。
コミュニケーション能力の向上
さまざまな業界の人々と頻繁にコミュニケーションを取ることは、コミュニケーション能力の向上にも繋がります。異なる価値観を持つ人々と効果的にコミュニケーションを図ることで、自身の人間関係スキルが磨かれるとともに、幅広い視野を持つことができます。
クリアな目標と感謝
受託ならではの制作完了への目標
受託会社での仕事は、クライアントの要望に基づいた明確な制作物を作ることが目標をとなることが多いです。クライアントごとに具体的な制作物を納品することを目指すことが多いため、作り終えてローンチすることに、達成感を得る機会があります。
クライアントからの直接的な感謝
さらに、プロジェクトが成功し、クライアントの期待を満たすことができたとき、直接的な感謝の言葉を受け取る機会もあります。この直接的なフィードバックは、自身の仕事へモチベーションや自信へと繋がります。
幅広いスキルの習得
分業制が少ない環境の利点
事業会社と比較して分業制が少ない受託会社では、一人の社員がプロジェクトの多様な面を担当することが多い印象です。このため、一つのプロジェクト内で様々な役割を求められる機会が多く、それを経験し、多様なスキルを身に付けることができます。
受託会社のイイところまとめ
受託会社のイイところを3つのポイントを書いていきましたが、紹介しきれていないことも含めてまとめて書いていきます。
クライアントとの打ち合わせをする機会が多くあり、コミュニケーション能力が上がる
制作完了を目指すというゴールが明確な案件が多い
作ったものでクライアントから直接的な感謝をされることがある
事業会社ほどの分業制が少ないため、幅広い分野のスキルが身に着けられる
上司との距離感が近くて(環境によって)物事を相談しやすい
受託会社のあんまりなところ
上記でよかったポイントを挙げていきましたが、あんまりだったポイントを3つのポイントにまとめていきます。
重い責任と厳しい納期
仕事量の波
クライアントの厳しい要求
注意・お断り
なお、あくまで私の経験談による所感のため、決して受託会社すべてが当てはまるとは言いません。聞き流す程度で参考にしてもらえればと思います。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
重い責任と厳しい納期
個々の責任の重さ
受託会社では、分業制が少ないため、一人ひとりの責任が重くなることがあります。特に小規模なプロジェクトやチームでは、個人の貢献が直接プロジェクトの成果に直接影響を与えるため、プレッシャーを感じることもしばしば。
厳しい納期設定
クライアントによっては、短い納期を設定する案件もあります。短期間で高品質な成果の提供が求められる仕事は、精神的、身体的なストレスにつながることがあります。
仕事量の波
繁忙期と閑散期の差
受託会社においては、(会社にもよりますが)仕事量に大きな波があることがあります。繁忙期には手が回らないほどの業務量になる一方で、閑散期には仕事が少なくなることがあり、不規則な業務量は、職場の計画性や安定性を損なうことがあります。
クライアントの厳しい要求
複雑な要求と柔軟な対応
クライアントにもよりますが、複雑な要求をされることがあります。これらの要求に対応することは、プロジェクトの難易度を高め、迅速かつ柔軟な対応を必要とする場面も多くなります。(その分、乗り越えたときに、自身の成長を実感できることも。)
受託会社のあんまりなところまとめ
上記で受託会社のあんまりなポイントを紹介していきましたが、上記を踏まえてあんまりなポイントを箇条書きでまとめていきます。
分業制でないため、一人ひとりの責任が重い
クライアントによっては納期がきついときがある
繁忙期との差が激しい
クライアントの要求が厳しい場合がある
自由に開発できない
リリース後のお客さんの反応が見えづらい
総じて、長く会社に居続けられる重要なこと
あなたは誰と働く?
私はこれまでたくさんの現場に身を置いていきましたが、総じて、長く職場に居続けられる最も重要なことは、「一緒に働く人との居心地」だと思います。
私は、一度会社を辞めて、出戻りしました
現在私は渋谷にあるWeb制作会社、「株式会社カドベヤ」に身を置いておりますが、過去に今の職場を一度辞めて、その後出戻りしました。
当時の転職理由は結婚したてで受託の会社より、事業会社にいって安定したサービスに携わりたかったという点でした。
ただ事業会社に身を置いて、自身の能力や経験はものすごい財産になったと感じていますが、その後1年ちょっとで退職をし、株式会社カドベヤへ出戻りました。その出戻りした最大の理由は「居心地がよかった」という点です。
株式会社カドベヤでは、役員と割とフラットに物事の相談がしやすいという点と、手を挙げればなんでもやらせてもらえる環境があるという点で、戻りました。(そして出戻っても、社員や役員の方々が辞めたことを咎めてこなかったというところも大きい)
そのため、現在の職場が心地よいかどうかを考慮することは重要です。もちろん、居心地だけでなく、キャリアの成長や新しい挑戦を求めるのであれば、転職も一つの選択肢です。しかし、居心地の良さは、精神的な安定に直結するため、自分自身が最も心地よく、成長できる環境を選ぶことが、長期的なキャリア形成において最も大切なことだと私は考えます。
まとめ
長年にわたる私の事業会社と受託会社での経験を通じて、それぞれの職場にはよかった・あんまりだったというポイントがありました。
これから転職を考える方々には、私の経験が何らかの参考になれば幸いです。事業会社と受託会社、どちらにも良い点と悪い点があるので、自分に合った職場を見つけることが大切です。
最後になりましたが、私が勤める渋谷のWeb制作会社「カドベヤ」では、新たな仲間を募集しています!