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今更聞けない働き方改革ー「働き方改革」とは?

《はじめに》

 「働き方改革」という言葉が世に浸透してから久しいですね。2015年頃は「ワークスタイル変革」なんて呼ばれ方もしていましたが、次第に「働き方改革」に統一されていった記憶があります。
 皆さんにとって、「働き方改革」とはなんでしょうか?早く帰ること?仕事が楽になることでしょうか? #働き方改革 の投稿を見ると、日本は「間違いだらけの働き方改革」が進んでいるなぁと感じている今日この頃です。いつも読んでくださっている皆さんには、今一度私が考える「働き方改革」とは何かをしっかり理解して欲しいなと思い投稿します。

《働き方改革とは》

 一言で言えば、「日本を変えるための、国民総動員活動」と言えます。いきなり突飛に思われるかもしれませんが、まずは働き方改革なき2030年の日本はどんな国になっているか、想像してみると働き方改革の意義や位置づけが明確に見えてきます。

《JAPAN 2030》

 パーソル総合研究所と中央大学が共同で発表した「労働市場の未来推計2030」に基づいて考察してみましょう。

 1.人口減少

【総人口】
2017年 1億2,671万人
2030年 1億1,638万人 ▲1,033万人
2060年    8,877万人 ▲3,794万人

 総人口は2030年時点で、2017年比で1,033万人減少します。2020年の東京23区人口が957万人であり、大都市1つ分が消失することになります。
 2060年時点では、2017年度比で3,794万人減少します。これは2019年の北海道・東北地方・中部地方の人口が丸々いなくなる計算です。
 都市などに置き換えてスケールを与えるとめちゃくちゃインパクトのある数字ですよね…
 
【生産年齢人口】
2017年 7,596万人
2030年 6,656万人 ▲   940万人
2060年 4,505万人 ▲3,091万人
 総人口の内、生産年齢人口(15~64歳)を見てみると、2030年時点で東京23区人口に匹敵する就業可能者数がいなくなってしまう計算になります。

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 2.国力低下

 生産年齢人口減少に伴う日本の「国力低下」は不可避の状況と言えます。そもそも「国力」とは、国民・領域・軍事力・経済力・技術力等の要素から定義することができますが、重要指標である「国民」という資源が大量に減少するインパクトは絶大です。

労働の需給バランスから見ると、644万人が不足すると見込まれています。
量的に労働力(生産年齢人口)を補うには
 ①女性の労働参画率の向上
 ②65歳以上シニア層の労働参画率向上
 ③外国人労働者の受入れ
 ④生産性を高める
等の施策展開が必要となってきます

どんなに広大で多様な領域があっても、優れた軍事力や技術力があっても、それを運用する国民が弱ってしまえば元も子もないのです。

 3.国力が低下することによる生活の変化

 国力が低下すると私たちの日常はどのように変化するのかも考えてみましょう。 

 (1)地方の衰退と都市への集中

 人口減少に伴って地方の限界集落は空き家だらけとなり、地方の「ゴーストタウン化」が発生します。都市部ではない地域では地方自治体が管轄するインフラは整備が維持できなくなり、次第に荒廃していくでしょう。残された住民も生活が維持できなくなり、都市への流入が予想できます。
 またリニア新幹線が開通すると東京ー名古屋間が40分で結ばれます。朝8時に名古屋を出発して、9時には東京駅のカフェでコーヒーを飲んでる、そんな時代がそこまでやってきています。要は名古屋も東京の通勤・通学圏になるのです。特に東京は名古屋、仙台の都市機能を飲み込む勢いて膨張していくのではないでしょうか。

 (2)都市部の二極化拡大

 都市部全体が豊かな状態になるかと言えば「否」です。現在、東京23区内でも経済格差は広がりを見せています。港区の平均年収※は1,126万円であるのに対し、足立区は341万円となっておりその差は785万円にもなります。3倍以上も年収格差があるのです。
 都市部では物価が高く、経済格差はさまざまな格差を連鎖的に引き起こします。そのうち最も重要なものが教育格差です。都市部で経済力がないとそもそも出産育児を行うことが困難になりつつあります。子供を産み、育てたとしても教育投資がままならず、学習機会を喪失して高度な能力の育成がされない状況に陥る可能性が高いです。そうすると就業機会を逸失し、ますます負のスパイラルに陥って格差拡大に歯止めのかからない状況に陥るでしょう。
※総務省「課税標準額段階別平成30年度分所得割額等に関する調」より「課税対象所得÷納税義務者数」にて算出

 (3)失業者の増加

 近年「Industry 4.0」が叫ばれ、IoTの活用やロボティクス、AI技術の領域での進展が目覚ましいです。生産性という観点では、短中期的にみて好機と言えますが、教育格差の是正が伴わなければ大量の失業者を生む脅威となります。単純な作業であればRPAによる業務の自動化、高度な分析でもAIによる代替が実現し、人間の雇用機会はどんどん失われていきます。
 
失業者が増えれば、社会保障費用が国家予算をひっ迫するとともに、消費の落ち込みにより経済は急激に失速していくこととなるでしょう。

 (4)いいモノが買えなくなるースタグフレーションの発生

 経済が失速すると通常は物価が下がる「デフレ」になりますが、これまで述べてきた状況下では、景気が悪くなったのに物価が上昇する「スタグフレーション」が発生する可能性が高いです。
 理由は国際社会において日本の地位が維持できなくなるからです。これまで述べてきたことがすべて現実になると、G7どころかG20に留まるのも困難なくらい日本の影響力は低下すると思います。食料、原油など多くを輸入に頼る日本では、交渉力が弱まって価格に跳ね返ってきたり。人口の減少によりマーケットが縮小し、各国の企業が撤退していったりとこれまで当たり前に消費してきた高品質な財・サービスにありつけなくなるかもしれません。

 (5)戦争・侵略

 現在、先進諸国の仲間入りをしている日本は国際的な影響力もあり、自衛隊の能力も隣国をけん制できるレベルだと思います。しかしながら、国力が低下すると経済的・政治的・軍事的にも力が弱まります。日本は海洋資源が豊富であり、侵略行為に巻き込まれる可能性が高まるのではないかと予想しています。今まで当たり前だと思っていた平和な日常が当たり前でなくなる日が来てしまうのです。

現状維持ベースで行くと日本の未来は暗いんです。

私が幼かった頃は、「21世紀になったらテレビが壁に掛けられるようになるんだって!」とか「電話がクレジットカードくらいの大きさになるんだって!」とか未来にワクワク出来ていました
今の子供たちは未来に希望を見いだせているのかなと不安になることが多いですが、私は日本が好きだし、日本人でよかったと心から思うので何とかこの状況を打破していきたいと日々考えています。

《日本を変えるための、働き方改革》

本当にこのまま現状維持ベースで進んで行っていいのでしょうか?
私はそう思いません。

国力低下のトリガーとなる労働力低下に歯止めをかけ、日本の持続的な発展を通じて明るい未来を創造することが働き方改革の究極の目的なのです。

今回は長くなったので、また別の記事で企業・個人がそれぞれ取り組むべきことを述べさせてもらいますが、働き方改革は決して「会社がやってくれること」でも「仕事が楽になること」でもありません。国民ひとりひとりが主体的に取り組む、痛みの伴う活動であることをぜひ読者の皆様にはご認識頂きたいと思い投稿させていただきます。

《最後に》

 かなり長くなってしまいましたが、最後まで読んでくださりありがとうございました。
 最近、SNSで #働き方改革 で投稿される内容があまりにも稚拙すぎて危機感を募らせています。日本では働き方改革以前に長時間労働など劣悪な労働環境を強いられるワーカーが存在し、皮肉的に捉えてしまう気持ちもわかるのですが、今一度俯瞰して思考する力を養ってほしいと思う今日この頃です。
 

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