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15歳で高専進学を選んだ私の決断
はじめに
この記事を読んでくださっているあなたは、もしかすると「高専」という選択肢を考えている中学生や、その親御さんかもしれません。
今回は、高専進学を決めた私の経験を振り返ってみたいと思います。
進路決断のきっかけ
中3の秋頃だったと思います。ある日、担任の先生から職員室に急に呼ばれ、こう言われました。
「ぺこゆら、高専に推薦でいけるけどどうする?出願締切の明日までに返事が欲しい」
急な展開でしたが、少し悩んで「分かりました。行きます」と答えると、「親と相談してw」と先生に笑われたことを覚えています。
そらそうだ笑
そもそも、その時点で私は高専という学校のことをほとんど知りませんでした。なんなら、自衛隊か何かの学校くらいにしか思っていませんでした。
中2の3者面談の時に担任の先生に将来何になりたいかを聞かれ、「ロボットを作るような仕事」と、なんとなくその場で思いついて答えたことがトリガーとなっていたようで、中3になってから薦められたというわけです。
ちなみに、その時の私の将来なりたい職業の第1希望は「モンタージュ描き」でした。絵が得意だったので、指名手配犯の顔を描きたかったんです。
親との話し合い
家に帰り、親に話をすると、「行くべきだ」と強く勧められました。
国立なので学費が安く、就職率はほぼ100%。リーマンショックの影響で将来を不安に思っていた親にとって、高専は「こんなにいい学校はない」という選択肢だったようです。
その当時、私はサッカーに熱を入れており、サッカーが強い進学校に行きたいと思っていました。ただ、成績的にはラインギリギリだったので不安も大きかったです。
母親からは「サッカーを頑張ったところでプロになれるわけじゃない」と言われました。リアリズム溢れるそんな言葉を投げかけなくたっていいじゃないかと中学生ながら思いましたが、物凄く理解はできました。
この決断が人生の岐路だとはっきり分かりました。学校の帰り道に友達に同じことを言ったことを覚えています。
高校でサッカーをやりたいという想いは現実的で堅実な判断という重みには当然かなわず、翌日、出願する旨を担任の先生に伝えました。
高専での5年間
私の場合は、車や機械、プログラミング等が好きで進路を決めた訳ではありません。不意に人生の岐路に立たされ、堅そうな道を選んだというだけです。
高専に入学してからの5年間は毎日が楽しく、かけがえのない青春でした。
しかし、15歳で将来の進路をある程度絞ったことが、はたして正解だったのかと、ふと思うときがあります。
高専のほとんどの学生は卒業後、工学系の職に就きます。元々その分野に興味のある人間にとっては天国のような場所ですが、私のように「なんとなく」進学した人間にとっては、時々「これで良かったのかな?」と迷うこともありました。
高校生になればすぐに理系、文系のどちらに進むか選択する時期が来ます。普通科の高校に進み、じっくり進路を考えてもよかったのかなと思ったことも何度もあります。
※高専での授業内容や学生生活、卒業後の進路といった掘り下げた話に関しては、別の投稿で書いてみようと思っています。
日本の教育について
年齢を重ねるにつれて自分のこれまでを振り返り、色々考えることが増えました。考えた先に見えたのは日本の教育のあり方でした。
皆さんも一度は思ったことがあるのではないでしょうか。
「こんなの勉強したって将来なんの役にも立たない」
とか、
「こんな数式何に使うの」
とかとか、
数学なんかすべて使われているんですよ。
中学校の先生や塾の先生は問題の解き方や入試のテクニックは教えてくれるかもしれませんが、目の前の数式が応用されて、実際に社会でどのように使われているかは説明してくれませんよね。
もし、中学や高校で学ぶことがどのように社会で応用されているかを知ることができたら、もっと子どもたちの将来の選択肢が広がるのではないでしょうか。
多くの企業が主体となること(企業で働く人間が外部講師として教育現場に積極的に足を踏み入れること)で、日本の教育はより発展していけるのではないかなと思います。大学の学生だっていいと思います。
大学院で企業の方と共同研究をしていた際に、こんなことを思っていました。「こんなことができるようになるよ」が知れていいたら、きっともっと前のめりに勉強できていたかなと。
最後に
高専は、工学に興味がある人にとっては最高の環境です。でも、私のように「なんとなく」進学した人間にとっては、時々迷いが生まれることもあります。
次回以降の記事では高専のメリットデメリットや推薦の時の内容について書いてみようと思います。