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【売れるマーケ】“知恵”が富を生む。
“商売はアイデアだ”ということを教えてくれる、
古いお話をご紹介します。
発想を変えるだけで、
大きな儲けに繋がることを学んでください。
徳川家康が勝利間近となった、大坂夏の陣。
豊臣方だった、
淀屋常安という土木建設技術を持った男が、
家康に接近します。
「この戦は、必ず家康様の勝利でございます。
そのお祝いとして、
ご本陣を建てさせていただきとうございます」
と、申し出たのです。
無料で建てるということに疑いを持つ家康に、
常安はひとつのお願いをします。
「戦が終わったら、豊臣方で討ち死にした者が、
城の近辺に遺棄されることでしょう。
その後始末をさせていただきとうございます」
あくまで、
豊臣方の兵を想ってのことと家康に思わせたのです。
家康はこの申し出を受け入れ、
やがて、茶臼山に立派な本陣の建物が完成。
喜んだ家康は、常安に褒美として、
八幡の山林地三百石を与えました。
しかし、常安の本当の目的はそんな褒美ではなく、
遺体がまとっている、鎧、兜、刀、槍など、
大量の武具を手に入れることでした。
これらを売り捌き、大きな利益を得て、
ひと財産を築いたのです。
死者を利用しているようにも見えますが、
遺棄されることを思えば、死者のためにもなっています。
武具を手に入れるために、無料で本陣を建てる。
まさに、先行投資型ビジネスのお手本とも言える話です。
知恵の勝利です。
この話に似たような民話が、山口県にあります。
「厚狭(あさ)の寝太郎」。
厚狭という里の長者の息子・太郎は、
毎日何もせず、寝てばかり。
村人からは、
「寝太郎」と呼ばれ、バカにされていました。
その太郎が、三年三ヶ月寝た後、突然起き上がり、
「おとっつぁん、すまんが千石船をいっそう、
こしらえてつかぁさい」
と言いました。
父親である長者は、
何か考えがあるのかもしれんと、千石船を作ります。
太郎は、水夫を雇い、
船一杯にわらじを積み、海へ出て行ったのです。
太郎は佐渡島に渡り、そこで働く人夫の古いわらじと、
持って行った新しいわらじを無料で交換し、
古いわらじを大量に持ち帰りました。
なんと、そのわらじを水に漬けると、
たくさんの砂金が出てきたのです。
太郎は、佐渡島の金鉱で働く人夫が履くわらじには、
砂金がたくさんついていることに気がつきました。
三年三ヶ月もの間、このことを考えていたのです。
太郎は、手に入れたお金で、
村に土手や用水路を作ったり、沼地を水田に換え、
村人に分け与えたということです。
この2つの話は、思いつきのアイデアではなく、
よく考え抜かれた、まさに“知恵”の逸話です。
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